追放された島の巫女と異世界人帝国の話
「(縦隊!止れ!一二三!)」
私はスメル王国の巫女、サリア、今日も詠唱をする。
魔道具を使い呼びかける。
「(スメル、本部、応答せよ)」
基礎練習も忘れない。
「(あいうえお、かきくけこーーー)」
大昔、この国に神々がきたそうだ。
また、神々が来てくれるように呼びかけするのが巫女の役目。
海の見晴らしの良い土地に建てられた神殿に住まう巫女、15歳だ。あっ、王太子殿下だわ。
「おい、サリア、神々は来てくれないではないのか?」
「それは・・・」
私のせいではない。私の代で十三代目だ。
「それでな。従姉妹のミリーに聖女のジョブが判明した。巫女は廃止だ。予算がかかる。この神殿は王家の別荘にする」
「そ、そんな!私はどうすれば良いのですか?この神殿の外は知らない」
「案ずるな。大好きな海神の生贄になってもらおう」
「え、そんな」
私は魔道具だけを持たされて小舟に乗せられた。
「殿下、お考え直し下さい!」
「もう、うんざりなのだよ。古くさい儀式は・・」
「フフフ、平民に一等地はもったいないわ」
私は海に流された。
魔道具は、『デンチ』というものを太陽の光をエネルギーに変換する『ジュウデンキ』にいれなければいけないわ・・・・
もう、一週間だ。魚も捕れない。なにより乾いた。
「(スメル、本部、応答せよ!)」
もう、魔道具の光が、薄くなった・・・
そうだ。こう言った時は・・・
「(エスオーエス!エスオーエス!)」
私は力尽きた・・・・・
「ガガガガガー、イセ艦隊、応答せよ。どこの所属か?」
夢かしら、神々の声が聞こえた。
☆☆☆
目が覚めた。まるで太陽のように明るい部屋だ。
ここはどこかしら?
「あら、目が覚めたのね」
「ヒィ!」
神々だ。黒髪に黒い瞳、一見邪神に見えるが伝承だと神様だと言う。女性の神だ。
「どこの言語かしら?大陸系?今、AI翻訳を立ち上げるから分かる単語に反応してね」
「私、サリア、スメル王国、巫女・・・」
「え、日本語!」
その時、また、別の神が来た。
「医官殿、漂流者の船に古い型の通信機がありました」
「まあ、まさか・・・」
「ええ、転移直後の物です。ある意味、今のよりも高性能です」
「ええ、是非、接収をしたいわ!」
私は神々の船に救助された。
帆もないのに船は進む。
「地方ごと転移して、やっと、文明がここまで回復したのよ」
「分かる。でも、分からない」
「フフ、少しずつ覚えればいいわ」
日本語の学習を始めた。
この神々は異界から来たようだ。
スメル王国の伝承を話した。
「神々は膨大な物資を落としてくれた言う。雷を利用して、明るくする魔道具あるます」
「そう、神殿にはなにか残っているの?」
「はい、六四式小銃に、迫撃砲、宝物庫にあるます。弾ない」
「じゃあ、行くわ。サリアちゃんを送らなければね」
「実は・・・」
私は海に追放されたことを話した。
「まあ、友好種族保護法案で行くわ。昔の記憶を調べたの。確かにこの近海に島があったけど、人口400人くらいだわ」
「今の人口1000人あるます」
その後、艦隊が編成されスメル王国に向かった。
小舟が鉄の船に群がる。
あれは王太子殿下・・・・にミリーが聖女として兵を鼓舞している。
「聴音機で音声を拾えました・・録音済み」
「うむ。サリア殿、解析を頼む」
「はい・・・」
話す内容は・・・
神々を殺せ。我らには女神の加護がついている
とかそんな内容だ。
「警告射撃は必要ないと思われます」
「うむ。制圧射撃!」
あっという間に船は潰され、聖女は死体の山の中に隠れたのか、行方不明になったわ。
しかし、神殿の宝物庫は食料庫になっていた。
捕虜の尋問に通訳として立ち会った。
「殿下が全て火山の中に捨てた。だって、鍛冶でも溶解できないのだもの・・」
すると神々は興味を失って、島を攻略もしなかった。
「フフフフ、貴方は保護されるわ。イセ本国に行きますわ」
「はい・・・」
私は神々の世界に向かう。
「そうね。地球でもカーゴ信仰というのがあったの。民俗学では半分タブーになったの。何故なら、人間の愚かさ。原住民の愚かさを象徴する話にもなったから・・・」
第二次世界大戦の時に、米軍がポリネシアに多量の物資を落としたの。
現地の人が恩恵を受けたわ。
その後ね。米軍が去った後、現地人は奇妙な儀式を始めたの。
軍隊のような行進をやったり。飛行場みたいのをつくって通信機に模した箱をカチャカチャやったり。
メスの飛行機の模型を作ってオスの飛行機を誘導しようとしたり。
また、物資が来ると思ったのよ。
問題は、彼らに文明が入った後もやっていたのよ。
「そうであるます?」
そうか、私は何も知らない。イセ本国で学ぼうと思う。
最後までお読み頂き有難うございました。




