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名前を呼ぶと消える世界で、無口な異星公爵は沈黙を選んだ

作者:百花繚乱
最終エピソード掲載日:2026/01/14
宇宙航路の不具合で辿り着いた観光惑星《ルミナリア》。
天空に連なる断崖都市、環状に巡る星霊神殿、光る河と近すぎる星空。
完成された文明の中で、ユイは告げられる。

――この星では、名前は存在を固定する座標。
だが彼女の名前は不安定で、「呼ばれ続けると、逆に消える」欠陥を持っていた。

保護を任されたのは、異星文明の守護公爵レイ=アルト。
無口で合理主義、感情を表に出さない男。
彼が選んだ最適解はただひとつ――ユイの名前を呼ばないこと。

代わりに灯りを置き、鈴の音で合図を送り、食事と夜の散歩で存在を確かめる日々。
呼ばれないのに、確かに大切にされていると分かる距離。

だが期限の終わりが近づくと、
「最後に一度だけ、正式な座標固定が必要だ」と告げられる。

――それは、彼が初めて彼女の名前を呼ぶという意味だった。


(全8話)
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