世界が灰に染まった日-3
どれだけ時間が経ったのも分からない。
灰色の世界では、日々の境界すら曖昧だった。
任務を終えれば、また次の依頼が来る。
食べる必要も、寝る必要もない俺には、一日の区切りというものがすでに存在しなかった。
かつて “生活” と呼ばれていたものは、
全部、灰色の世界に沈んでいった。
残ったのは、命令と実行だけ。
それだけで、俺は十分だった。
何も変わらない日々の延長で、ボスから次の任務が渡された。
無言で差し出される一枚のファイル。
ファイルを開くと、写真とその下に無機質に印字された名前があった。
ーーーーーー如月柚羽
ただの文字列。
ただの任務。
ボスは椅子にもたれ、淡々と続ける。
「位置はここだ。
一般人だ、抵抗はない。いつも通りに片付けろ。」
声色に感情はない。俺に対しても、標的に対しても。
「……道具は必要か?」
「要らない。」
「なら行け。」
それだけ言って、ボスはもう俺に興味を向けなくなった。
俺はファイルを閉じ、部屋を出る。
ただ足を動かし、決められた住所へ向かう。
指示された通りに動く。
まるでロボットのように、言われたことを実行するだけだ。
俺はまだ知らなかった。
この単純な動作の先に、俺の世界に “誤差” を生む存在が待っていることを。
読んでくださりありがとうございます。
次回からヒロイン出てきます、投稿日は未定ですが絶対書きます。
よろしくお願いします。




