悪夢の広場
再来した絶望と憎悪の再現
憎悪の世界で、私たちは半透明な「魂の体」となって立っていた。
誰も私たちに気づかない。
私は、処刑台の自分自身を見た。
震える体。
絶望に歪む表情。
(ここは 1周目の私の記憶 悪魔王の力の核ということ……?)
幻影のアランが、処刑台の私に向かって厳かに宣告する。
「皇妃エリアーナ。貴様を反逆罪で処刑する」
幻影のイザベラは、アランの腕に寄り添い、哀れみと優越感に満ちた目で私を見た。
(嘘よ!やめて!)
ルシアンが私の震える手を強く握りしめた。
「あれは幻影だ!エリアーナ! 記憶に引きずり込まれるな」
「わかっている。でも……この憎しみが蘇る」
処刑される「私」が、絶望の叫びを上げるたびに、私の魂の体が憎悪の瘴気で黒く染まろうとする。
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過去の裏切りと幻影の増幅
その時、処刑台の幻影が崩れ始め、次の幻影が始まった。
幻影の舞台は、私がアランの婚約者に決まった祝いの夜会。
幻影のアランが私に優しく囁く。
「愛しているよ エリアーナ」
そして、幻影のイザベラが私の隣で涙ながらに喜んでいる。
(ああ 偽りの幸福の記憶)
幻影は美しい愛の光景から一転して、醜い裏切りの場面へと変わった。
イザベラがアランと密会し、私を陥れる計画を囁いている。
イザベラがアランの胸に抱かれながら嘲笑する。
「エリアーナ様は 愚かですから」
アランが冷たい目で私を見下ろす。
「貴様の財産はいただくが魂はいらない」
「嘘だ! 違う!」
私はアランに駆け寄り叫んだが、幻影は私を無視し、憎悪の記憶は繰り返される
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ルシアンの介入と幻影の攻撃
アランとイザベラが、私の存在を無視し、執拗に私の記憶を抉り続ける。
私は、過去の裏切りの痛みに耐えきれず膝をついた。
「もういいわ……。全て私のせいよ。愚かだったのは私だわ」
私の心が絶望に支配されかけた瞬間、「だまれ!」と、ルシアンが怒りの咆哮を上げた。
彼は魂の体でありながら、その手剣を生み出し、イザベラに振り下ろした。
「お前は幻影だ!彼女の記憶に触れるな!」
ルシアンの一撃は、イザベラを斬り裂いた。
イザベラは悲鳴を上げ、憎悪の瘴気となって消滅した。
「ルシアン……あなた」
「俺はお前を信じる。エリアーナ。過去の記憶に負けるな」
アランは驚愕し、ルシアンに向かって憎悪の剣を突きつけてきた。
「貴様も裏切り者め! 消えろ!」
ルシアンはアランと対峙する。
彼の金色の瞳には、憎悪ではなく、私への愛と守るべき信念の光が宿っていた。
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核心への道
ルシアンの愛の力(信念)が、幻影を斬り裂くことができる。
私はそれを悟った。
悪魔王の結界は憎悪を核としているため、愛という対極の純粋な力に弱い。
「ルシアンもういいわ。アランも幻影よ」
私はルシアンの肩に触れた。
彼の剣が幻影のアランを貫く直前だった。
「核心へ行きましょう。憎悪の根源へ」
ルシアンが頷き剣を収めた。
アランは絶叫し、憎悪の瘴気となって消滅した。
憎悪の幻影が消えた空間は、穏やかな光に包まれた。
そして、空間の中央に黒い渦が現れた。
「あれが憎悪の根源よ。悪魔王の真の居場所」
私はルシアンの手を握りしめた。
「さあ、行くわ。ルシアン。最後の戦いへ」
私とルシアンは、憎悪と記憶の渦へと飛び込んでいった。




