婚約指輪と永遠の誓い
静かな時間
狂信者の襲撃事件は、帝都の人々に不穏の影がまだ残っていることを知らしめた。
ルシアンは警備を強化し、帝都の復興に尽力した。
襲撃事件から数日後、私はルシアンの居室で彼の髪を梳いていた。
「ルシアン。あなたは皇帝にならないのね」
「ああ。皇帝の座は憎悪を呼ぶだけだ」
ルシアンは私の手に頬を寄せた。
「俺はお前と創る、新しい秩序が欲しい」
私たちは、復讐が終わった今、「未来」について語り合っていた。
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ルシアンの告白
ルシアンが私の手を取り静かに立ち上がった。
彼は自分の故郷である、北の黒鷲城の鋼で鍛えられた、簡素な指輪を取り出した。
指輪には派手な宝石はなく、彼の紋章である黒い鷲が刻まれていた。
「エリアーナ」
ルシアンは私の前で膝をついた。
「契約婚約は終わった。だが俺の、魂の誓いは終わらない」
「お前は、俺の盾であり剣であり、光だ」
「俺と永遠に結ばれて欲しい」
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愛の受容
私は彼の行動に驚き、涙が溢れた。
(1周目の私は、アランの派手な宝石の指輪に騙された)
(ルシアンのこの質素な指輪は、彼の真実と誠実さの証だ)
「ルシアン。私は悪魔王と契約した魔女よ。それでも良いの?」
「お前の闇も憎悪も、全て受け入れた」
ルシアンは、私の涙を拭った。
「俺の愛は、悪魔王の鎖よりも強い」
私は涙を拭い、強く頷いた。
「ええ。ルシアン。喜んで、あなたの永遠の伴侶になります」
ルシアンは、私の指に指輪をはめた。
北の鋼は冷たかったが、私の心は彼の「愛」という温かさで満たされた。
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憎悪の刺激
ルシアンは私を抱き上げ、そのまま寝室へと向かった。
私たちを満たす幸福感、は過去のどんな絶望も、憎悪も、掻き消すほどの強さだった。
その幸福の絶頂で、私は魂の奥底から、焼かれるような激痛を感じた。
(痛い!)
それは悪魔王の激しい怒りだった。
私たちの愛の誓いが、悪魔王の憎悪の計画を完全に破壊したのだ。
私は、ルシアンの腕に縋りつき、痛みに耐えた。




