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処刑台の皇妃、回帰して復讐を誓う ~冷酷公爵と偽りの婚約者~ おまえたちは許さない!  作者: 秦江湖


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大聖堂の炎(エリアーナ vs 憎悪)

炎上の「聖域」



「熱い!」


大聖堂はイザベラの残党たちが放った火で、業火に包まれていた


特に、地下の備蓄庫から火が回り、乾燥した穀物が爆発的に燃え上がっている


「水を 運べ!」


「民を 聖堂の 外へ 誘導しろ!」


私はルシアンと別れ、正規軍の兵士たちと共に、必死に消火と避難誘導に当たっていた。


「エリアーナ様!」


アンナが 泣きながら駆け寄ってくる。


「大神官様が地下の聖遺物を守ると言って炎の 中へ……!」


「!」


「駄目よ! あの人まで失うわけにはいかない!」


私は水を被り、大神官を助けるため、燃え盛る聖堂の地下へと飛び込もうとした。


その瞬間。


「行かせん」


炎の 中から 人影が 現れた。



※※※※※※※※※※※※※※※



イザベラの「残党」



「お前は 魔女だ!」


その男は、イザベラの残党のリーダーだった。


彼の目は悪魔王の力によって、赤く充血し、正気ではない。


彼は火のつい 松明を私に振りかざしてきた。


「聖女イザベラ様の 仇!」


「!」


兵士から奪った剣で、それを受け止めた。


「どきなさい! 私は民を救わなければ!」


「その民を騙したのがお前だろう!」


男は 狂信者だった


話が 通じない


彼は松明を捨て、剣を抜き、私に斬りかかってきた。


「死ね! 魔女!」


「くっ!」


私は剣術など習ってはいない。


だが、処刑台の記憶が私に死への恐怖と生への執着を植え付けていた。


私は必死で、剣を受け流す。


炎が迫る。


(ここで こいつを 殺らなければ!)


(ルシアンが 戦っているのに 私が ここで 負けるわけには いかない!)



※※※※※※※※※※※※※※※



憎悪の「フラッシュバック」



私が男と斬り結んでいると、炎の熱と煙で頭が眩んできた。


(熱い)


(苦しい)


その瞬間。


私の脳裏に、あの処刑台の光景がフラッシュバックした。


(憎い)


(アラン)


(イザベラ)


『そうだ』


悪魔王の 声が 頭に 響いた


『殺せ』


『そいつ(残党)も イザベラも アランも、同じ お前の敵だ』


『憎悪を解放しろ!』


私の目の前にいる残党の男の顔が、イザベラの嘲笑と重なった。


「あああああああ!」


私は憎悪に我を忘れ、男に向かって剣をデタラメに振り回した。


「なっ!?」


男は私の形相に怯んだ。


私は彼を壁に追い詰め、剣を振り上げた。


(殺す!)


(こいつも アランも ルシアンも、私を邪魔する 奴は 皆 殺す!)


私は完全に悪魔王の憎悪に飲まれかけていた。



※※※※※※※※※※※※※※※



憎悪の「克服」



私が剣を男に突き立てようとした、その瞬間。


『エリアーナ! 憎悪に 飲まれるな!』


ルシアンが皇宮へ向かう直前に、私に叫んだあの 言葉が脳裏に蘇った。


(!!!)


私の剣が男の喉元寸前で止まった。


「は……は……」


私は我に返った。


目の前の男はイザベラではない。


ただ、狂信に囚われた哀れな被害者だ。


『何をする! 殺せ!』


悪魔王が叫ぶ。


(う、うるさい!あ、頭が……!!)


私は心の中で、悪魔王に答えた。


(私は、もうあなた(憎悪)の 駒ではない!)


私は剣を捨てた。


そして、腰を抜かしている残党の胸ぐらを掴んだ。


「な、なにを?」


「私はあなたを憎まない!」


「え……」


「あなたもイザベラに騙された被害者よ」


私は彼を引きずり、立ち上がらせた。


「死にたくなければ手伝いなさい!」


「……」


「大神官様が……、民がまだ中にいるのよ!」


私が憎悪ではなく、「使命」に満ちた。


瞳で彼 睨みつけると、男は悪魔王の呪縛が解けたようにその目から狂気が消えていった。


「わ……わかった」


私は自らの憎悪に打ち勝った。


私は 元・敵だった男と共に、燃え盛る大聖堂の 奥へと駆けていった。


帝都の夜が明けようとしていた。



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