21/73
破綻するアランの計画
エリアーナの計画は、電光石火で実行された。
リステン家の莫大な財力が、隣国の塩市場を買い占め、次々と商船が北のヴァレリウス領の河川へと入港した。
ルシアンは、エリアーナの的確すぎる一手に舌を巻きながらも、その塩を「公爵領の防衛訓練」という名目で、彼の軍隊を使って帝国全土へと輸送させた。
アランが「新税制(専売制)」を開始し、皇室製の塩を「高値」で市場に出した、まさにその日。
帝都の市場には、リステン家とヴァレリウス家の紋章が(非公式に)刻印された、安価で良質な塩の袋が溢れかえっていた。
「なんだ、この塩は?」
「皇室の塩の、半値だぞ!」
民衆は、安価な塩に殺到した。
アランが莫大な予算を投じて準備した皇室の塩は、山積みになったまま、誰にも買われなかった。
アランの「新税制(塩の専売)」は、開始と同時に破綻した。
皇宮でその報告を受けたアランは、怒り狂い、「エリアーナァァァ!」と、玉座の間で絶叫したという。




