7.5.少女の想い
何か書くことあったかな……?
そういえば、今日は学校で球技大会?がありました。
でも雨が降っていたため、体育館でドッヂボール。
……なんていうかショボい球技大会でしたww
~姫とメイドの裏話~
一也が二人を置いて去って行った間も二人は言い争いを続けていた。
「どういうことですかっ! アイリさんはお父様のメイドでは無かったのですか!?」
「だから言っているじゃありませんか。止めましたと」
いきなり一也さんの専属メイドになった言うアイリさん。
私とアイリさんの関係は姉と妹みたいなものです。 私がまだ小さい時に、誰も話し相手もいない時に友達になってくれたのがアイリさんでした。
その時の印象はいつも冷静で、それなのに言葉の端々からは優しさが溢れている、そんな優しいお姉さんでした。
それなのに―――
「何が目的なんですか?」
いきなり一也さんの専属メイドになるって言うなんて、今までのアイリさんからは考えられません。
何か裏があるとしか思えないんです。
「目的って……レイラ様はそんな目で私を見ていたのですか?」
それは演技ではなく、正真正銘の悲しみを浮かべた顔をしているアイリさんがいました。
「あぅ……ごめんなさい。そういうつもりで言ったわけじゃないんですけど……」
そんな悲しそうな顔は私は見たくない。
「いえ、わかっていますよ。レイラ様が優しいことくらい」
その顔は先ほどの悲しみなどは一片たりとも写っていなくて、優しい微笑がありました。
「うぅ……」
「率直に申し上げますと―――」
「え?」
いきなり喋り出したアイリさんに私は驚きました。
理由は話してくれないと思っていましたから。
「ただ、私は一也様に心の底から惹かれたのです。あの方の心の強さに魅せられたのです。一也様の愚直なまでの信条の通し方に。異世界であるはずなのにそんなこと関係ないとばかりに自分を押し通す心の強さに。…………そして私が持ち得なかった心の強さを持っているあの方に」
最後のほうは聞こえませんでしたけど、それでもアイリさんの話はわかりました。
「そうですか……」
ただアイリさんも私と同じということですか。
「一也さんに惚れたんですね?」
「なっ!?」
みるみるうちに顔が赤くなっていくアイリさん。
普段冷静な方がこういう表情を取ると、一層綺麗に見えますね。
「レ、レ、レ、レイラ様?」
「わかりますよ。あんなに一也さんのことを思っているんですから」
「ち、違います! 私が抱いているのは憧れであって恋などは―――」
「顔が真っ赤ですよ?」
「っぅ!?」
何て言うか、可愛いですね。
「私も同じですから」
「え?」
そう……
私も一也さんに恋している。
多分だけれども……
今までこんな気持ちになったことはない。
その人を見るだけで鼓動が早くなるなんて……
その人を見るだけで幸せになれるなんて……
私も初めは“救帝者様”として一也さんを見ていました。
初めてみた時は天使様が降臨なさったのかと見間違えたくらいです。それほど綺麗だったんですよ?
そ れでも少し話しているうちに、天使みたいなあの人にも人間味があることに気付いたんです。
それで私の心がいつこうまであの方に惹かれたかというと、一也さんがお父様のことを叱責した後の事です。
魔力を測りに行く廊下での出来事。私は昨日まで召喚の本当の意味を理解していませんでした。ただ異世界の救世主が私達の世界を助けてくれる、としか思っていませんでした。
しかし、一也さんは言いました、『異世界から人間を召喚するって事は、その人間の人生が壊すってのと同義なんだぞ?』と『お前らがやっていることは人殺しと同じなんだよ。お前らはわかるか? 今、俺の世界で俺の行方がわからなくなってるんだぞ?それはどれだけの人に迷惑をかけると思ってるんだ! だいたい俺には家族や友達だっていたんだぞ?それなのにそっちの都合に二度と逢えなくなるかもしれなくなるって、どうやって責任取るつもりだ?』と。
私はその事を理解して恐怖に襲われました。
だってどうでしょう?
今まではこの世界のためと思って勉強してきたことは、本当は人一人の人生を無茶苦茶にするものだったんですから。
だから私は謝りました。すいません、と。
だけど、一也さんは言いました、『お前が召喚したことはもう取り返しのつかない事実なんだ』と『この世界に罪を許す証なんてものはないんだ。それは自分自身の中で一生消えない傷として残る。だからな? それを抱えて生きろ。何か行動を起こせ』と。
でも、そんな厳しいことを言う一也さんの顔はとても優しい顔で私を見守ってくれていました。
その時です。
あぁ、私はこの人の傍にいたいと。
取り返しのつかないことをした私に、そんな優しい笑顔を向けてくれる、優しい人の傍にいたいと思ったのは。
だからアイリさんが一也さんに恋をしているのにも気づけたんですけどね。以前の私では気付かなかったでしょう。
「それは恥ずかしいことではないと思います」
「レイラ様?」
だからアイリさんも自分の心を誤魔化さないでください。
たった一つの自分の心。それを誤魔化すなんてことは駄目です。
「恋は恥ずかしいことではないんです。私はそう思います」
まぁ私の自分勝手な自論なんですが。
「だから、アイリさんが自分を誤魔化すんなら一也さんは私が貰っていきますよ?」
「駄目ですっ!」
自分の心には嘘はつけない。
そんなことはアイリさんもわかっているところでしょう。
「でしょう? だから私達は今からライバルです」
「ライバル……ですか?」
そう、恋のライバルです。
「どちらが先に一也さんの心を射止めるかの勝負です。手は抜きませんよ?」
一也さんが浮かべていたような不敵な顔でアイリさんに告げます。
似ていたでしょうか?
「………ぷっ」
「?」
いきなり噴出したアイリさんに首をかしげます。
「やっぱり自分の心には嘘がつけないようですね……。それにしてもレイラ様も成長しましたね? あれほど男嫌いだったというのに」
うっ……
それは苦い思い出です。
「ま、まぁ一也さんは良くも悪くも今まで見てきた男の方と違いますから」
「そうですね」
そう言い、アイリさんは目を閉じました。
そして次に目を開けると、そこには決意を宿した眼がありました。
「もう、自分の心には嘘をつきません。確かに憧れなどもありましたが、一番の思いは、私は一也様に恋心を抱いています」
「だから―――」
「「今日からはライバルですっ!」」
今回はお気に入り数が100超え記念と前話でのレイラとアイリがどのような話をしていたかを書いていなかったので、記念ということで掲載しました。
どうだったでしょうか。
いつもより文字数が少なくなっているため、不満が出るかも知れません。
すいません<(_ _)>
明日は友が泊まりに来るというので、うpが出来るか微妙なところです。
学校から帰ってきたら即行で執筆しようと思っています。
もしうp出来なかったらすいません<(_ _)>
次の記念はPV数が100000かユニーク10000で行きたいと思います。
それでは!