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召喚されたッ!?  作者: Sir.G
第2章 学園編
25/26

1.魔力値測定

とりあえず一週間単位で投稿してきたけど、それも今回で終わりを迎えそう。理由は活動報告を見て貰えばわかるかと。

 結局晩飯の件はアイリさんが呼びに来てくれるという結果となった。

 まぁアイリさんが呼びに来てくれなければ晩飯を抜く羽目になりそうだった。だって食える場所とか知らないし。

 晩飯を一緒に取った後は寮へと帰宅。

 部屋には授業で使われる教材らやらなんやらがちゃんと準備されていた。

 されていたのはいいんだが、明日に何の授業があるかなど、さっぱりわからない俺にとっては非常に困り、最終的には“次元空間”に全て放り込む結果になった。

 それにしてもこの魔法は便利だ。困ったらとりあえず使えるという有用さ。非常に重宝する。


 まぁそんなこんながあって、現在は翌日の待ち合わせ時間より少し前。

 身支度などは基本的に時間が掛からない俺は二人を待つ為に少し早い時間から外へと出向く。朝食はレイラに教えて貰って――というよりも昨日晩飯を食べたところだが――一人で食べた。二人を誘ってもよかったのだが、思った以上に早くに目が覚め食べに行ったので遠慮した結果となった。


「あ、一也さん」

「ん? お、フィルか。おはよう」

「おはようございます!」


 二人を待っていると寮からフィルが出てくる。

 どうやら二人よりも早起きらしい。イメージ的には朝に弱い感じがしたのだが、そうでもないのだろう。

 駆け足で傍まで近寄り、二人が来るまで暇なのでフィルと会話する。


「フィルって朝は強いのか?」

「そうですね。まぁ一般的というくらいじゃないでしょうか。それでもレイラよりマシなのは自負してますけど」

「あ~、レイラは朝が壊滅的に弱いからな。一人だと起きれないんじゃないのか? アイリさんが居るからどうにでもなると思うけど」

「あ、あの美人なメイドさんですね」

「そうそう。あの人本当に有能な人だからな。身の回りのこととかなら殆どやってくれてる筈だ」


 数分くらい笑いを交えながら談笑していると、やっとお目当ての二人が外へと出てくる。二人は俺の姿を確認すると手を振りながら歩いてきた。


「「おはようございます、一也様さん」」

「おはよう、二人とも」

「フィルもおはよう」

「おはよう」


 朝の挨拶を交わした四人は、もうこの場に留まる事はないということで学園を目指して歩いていく。

 道中も特に問題はなく、教室に辿り着いた。ただ、やはり視線は昨日と同じく集めまくってはいたが。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「全員集まってるか~」


 教室に着いてからもレイラ達三人と会話を続け、HR始まりのチャイムが鳴り響くと担任のゼクスはやってきた。相も変わらずやる気のない声だけが教室ないに木霊する。


「今日はHRと一限目の時間を使って魔力値の測定をするって言ったよな?」


 ゼクスの問いに幾人かの生徒が是と答えた。

 その様子にうんうんと頷くゼクス。本当に大丈夫なんだろうか。


「んじゃとりあえず始めるとして……まずやらない奴は挙手しろ~」


 そう言われたので俺は真っ先に手を上げる。

 俺としては全員が調べるのだろうと思っていたが、その考えは容易に覆された。

 周りを見渡してみると自分のの他にも一人だけ手を上げている人物が居る。深い青を髪に宿し、鋭利な瞳を持ち、それを隠すかのように眼鏡を掛けている少女。

 ゼクスはそれを確認し、他にもいないかどうかをもう一度だけ確認する。

 やはり受けないのは俺ともう一人の少女だけであった。


「んじゃ名前――は面倒だな。席の廊下側から順番に測りに来い」


 ゼクスはそう言い計測器を教卓の上へと載せる。

 それを見た生徒達は、ゼクスに言われた通りの順に魔力を測りに行く。

 測った生徒が見せる顔はそれぞれで、一番多いのは去年より魔力値が増え、それに歓喜を表す表情で、あまり翳りを見せる生徒はいない。それでも時たま、あまり去年より伸びていなかった生徒達も存在した。

 その様子を冷ややかに見つめる青の髪を持つ少女。


「クレア・ルドラフ・リュクセンス。去年から私と同じSクラスに所属していますが、その実力などは未知数。Sクラスに所属しているから能力は高い筈なんですけど、一人で居るのを好んでいるのか、話している姿を見たことは一度もありません」

「レイラ?」

「いえ、一也さんが興味深そうに見ていたので」


 レイラの話にはあまり役に立つ情報はなかったが、名前だけはわかった。


「何であんなに冷めた表情をしてるんだろうな」

「さぁ……。ただ――」

「ただ?」

「いえ、やっぱり何でもありません」

「そっか」


 そうして会話は途切れる。

 フィルも俺と同じような顔をし、アイリさんは無表情。特に興味もないのだろう。

 俺はもう一度だけ彼女の方を見る。

 すると彼女も同じようにこちらを見つめており、眼が合う。

 眼が会ったのは刹那で、すぐに反らされた。


「あ、次は私の番ですね」


 そう言って教卓に近づくレイラ。

 俺はその言葉で先ほどの視線のことを忘れてしまう。


「それじゃこれを付けろ~」

「はい」


 前に俺が調べた器具と似たような器具を扱う。あれの同種、でもあれは確か最新式とか言っていた覚えがあるから、今レイラが使っているのは旧式なんだろう。

 少しの空白時間の後、担任のゼクスは少し驚いた後に結果を伝えた。


「凄いなクライトリヒ。結果は103万だ」

「大分と成長しましたね」


 周りの生徒はすげぇ、と感心や妬みを含んだを声を上げた。

 俺も普通に凄いと思う。初めて会った時は確か80万と言っていたのだから、実に20万もの上昇を見せている。

 その様子にレイラは照れながら席へと戻って来た。


「思いっきり成長したな」

「自分でもこれほど伸びているとは思ってませんでした」

「凄いね! 私はどうなんだろ……。流石に100万までとは言わないから去年より伸びてたらいいけど」


 レイラが嬉しそうな半面、フィルは不安そうだった。

 親しい友達がこれだけ成長しているのだから、自分も成長していて欲しいと思う気持ちは当然のものだと思う。

 それを察してかレイラもフィルを励まし、その順番も回って来た。


「それじゃ頑張ってこい」

「はい!」


 最終的には笑顔で測定へと向かった。


「んじゃこれね~」


 本当にやる気のない声が響き、フィルは差し出される器具を付ける。

 レイラと同じく少しの間があり、そして発表された。


「おっ、クライトリヒ程じゃないがそれでも凄いな。91万だ」

「やった!」


 満面の喜びを顔に表してフィルは戻って来た。


「やりましたよ一也さん!」

「そうだな。にしても去年はどれくらいだったんだ?」

「去年は70万でした」

「んじゃフィルもレイラと同じくらいの伸び率だな」

「はい!」


 この年齢はそんなに伸びるものなんだろうか。

 爺さんは2,30歳くらいが一番伸びるとは言っていたけど、そうでもないのか?


「よし全員終わったな? とりあえず一限目はこれで終了にするから休憩に入ってもいいぞ~。ただ外にはチャイムが鳴ってから出ること。んじゃな~」


 そう言ってゼクスは担任という仕事を放り出したかのように教室から姿を消した。

 しかし周りもそんなことに慣れているのか、特に不満なども出ることなく、各自休憩時間へと入っていた。

 俺もいつまでもそんなことに拘る必要もないかと思い、周りと同じようにレイラ達と会話を楽しんだ。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 時刻は昼を過ぎ、現在はレイラ達と共に昼食も取り終えた。

 四時限目までの授業は全て座学で、やったのは選択科目の魔法理論と、必修科目の数学と歴史。俺は選択科目を選んだ覚えはないのだが、どうせレイラと合わせるようにおっさんが決めたんだろう。まぁ俺も別にどんな授業でも受ける気ではあったので問題はないが。

 

 それで思ったのは、どうやらSクラスからEクラスまであるのだが、どうやらクラスはあまり関係はないらしい。あるとすれば、上位クラスにはそれ相応の身分の者が、下位クラスには平民出身の者などが集まり、それをクラス単位で分けているらしい。

 だからクラスが上位だから優秀というわけではないということだ。

 

 そんなことを聞きながら授業を受けてみた感想は、数学などは元居た世界より簡単なので問題はなく、魔法理論などは受けた事がない科目だが中々に楽しい。まぁ俺にとってこの世界の魔法理論は毛ほどの役にも立たないが。

 ただやはりと言うべきか、歴史に関してはチンプンカンプンだった。正直後ろでアイリさんが授業の合間合間に解説を挟んでくれなかったら全くと言っていいほどわからなかった。本当にアイリさんには感謝してもしきれない。

 今日から歴史なんかは予習復習は欠かせなさそうだ。


「んで次は魔法の実習と……」


 五限と六限は外で魔法実習らしい。

 正直面倒だとは思うが、どう足掻いてもやらなくてはいけないだろう。

 レイラ達の隙を見てサボろうと思ったのだが、アイリさんはそれを見越して俺が逃げられない位置に陣取っていたので逃げられなかった。そこまでされると仕方がないと諦めて、俺は授業を受けることにする。


「そういえば一也さんってどれくらい魔法を使えるんですか?」


 一番聞かれたくなかった質問をとうとう聞かれてしまった。

 俺もどうやって答えようか思案していると、レイラは普通にぶっちゃける。


「一也さんは世界一の魔導師ですよ。私の師であるクレウィス様を打ち破りましたし」

「えっ!? あの“魔神”をですかっ!?」

「えぇ」

「ふぇ~」


 思いっきり尊敬の眼差しを向けられて居心地が悪い。

 確かに勝ったのは勝ったけど、正直ほとんど差はなかったと思う。

 それを証拠に、もう一度戦えば勝てる保証などどこにもなく、勝率にしてみても五分五分だろう。それはきっと爺さんも思っている。


「なぁレイラ。そんなにぶっちゃけてよかったのか?」

「フィルなら構わないでしょう。それにフィルは口は堅い方ですし、私達が不利になるようなことにはなりませんよ」

「言ったら何か問題があるんですか?」

「まぁ……なぁ」

「それじゃ誰にも言いません。私の胸の内に秘めておきます」

「それならいい……のか?」

「いいのではないかと」

「まぁアイリさんもそう言ってるし問題もないか。何かあればその時に対応すればいいし」


 そんな俺のレイラよりアイリさんを信頼していることにむくれられるが、それはしょうがないと思うのは俺だけではない筈だ。

 片や少しおっちょこちょいなお姫様で、片や完璧なメイド。

 信頼するのなら断然メイドの方だろう。


「さて、それではそろそろ授業が行われる練習場へ移動しましょう」

「それもそうだな」


 最後はやはりと言うべきか、アイリさんが締めくくり俺達四人は練習場へと向かった。

 そういや、どのくらいの魔法を使えばいいんだろうな。

推薦さえ取れれば安全圏なんだが……

ただ成績に少し不安が。一応頑張って入るんだが、それより上の人に取られるかもというくらいの成績なんで(汗

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