11.5.少女達の日常
諸事情により二日投稿出来ませんでした。
本当にスイマセン(汗
まぁ諸事情と言っても出掛けてりしただけですが……
出掛けついでにFateの映画見てきました!
某赤い正義の人がかっこよかったです!
ん~、あの能力の小説を一つ書いてみたいな~。
それをするためにはこの作品を終わらせねばw
それにしてもこの作品何話くらいまで続けれるかな……
100話じゃ終わらなさそうなんだよねw
~少女とメイドの一日様子~
「おはようございます」
今日は昨日よりも少し遅い時間に我がご主人様―― 一也様を起こしにきました。
昨日は朝から訓練をするという事で早朝に起こしましたが、基本は朝食の1時間前くらいに起こすのがベストでしょう。
「あら?」
そう思ってきたのですが、当の本人が見当たりません。
もう起きているんでしょうか……
そう思って部屋の中を見渡すと一つの手紙が目に入ります。それは机の上に置いてあって、拙い文字で書かれていました。
~ レイラとアイリへ
今日は朝からギルドに行ってクエストをしてきます。
なので朝食はいりません。
昼頃には帰ってくると思うので心配しないでください。
昼食は一緒の食べれるようにします。
一也より~
「…………」
あの方は……
こんな手紙に書くのではなく、直接口で伝えてくれたらいいでしょうに。
「これはレイラ様にも見せなくてはなりませんね……」
まだレイラ様は就寝していますし、もう少し時間が経ったら起こしに行くことにしましょう。
「そういえば……」
一也様は文字が読めなかった筈では……?
「まさか……!」
一日で覚えたばかりか、一日で文字まで身に付けたんでしょうか。
……いえ、流石に一也様と言えどそれはありません……よね?
「確信出来ない程、一也様は規格外ですからね……」
本当に私のご主人様は凄いです。
出来ない事なんてないのではないでしょうか。
「まぁ……考えても無駄ですか」
そう思うことにして、私は部屋を後にします。
とりあえずはレイラ様を起こしてからにしましょう。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
コンコン
「レイラ様、起きていらっしゃいますか?」
ドア越しから声を掛けるが、反応は一向にない。やはりまだ眠っているようだ。
「失礼します」
ドアを開けて中に入る。
やはりと言うべきか、レイラ様はベットの中でぐっすりと眠っていた。しかも顔は幸せそうで、起こすには罪悪感が沸くくらいふにゃけていた。
夢でも見ているのでしょうか。
起こすのは忍びないと思いつつも、心を鬼にして起こします。
まずは声を掛ける。
「レイラ様、起きてください。起床の時間ですよ」
「みゅぅ…………」
反応なし。
まぁ、呻き声? は気にしない方向で。
ここは予想通りです。
今まで声を掛けただけで起きたことなんて、両の手で数えるくらいしかなかったですし。
次の方法で起こすことにします。
私はレイラ様の体を揺さぶり、声を掛けます。
「起きてください」
「むぅ~……」
少しだけ反応はありましたが、やはり起きません。
今日はなかなか手強いですね……
10回に7回くらいはこの時点で起きるのですが、今日は起きません。
仕方なく最後の手段を実行します。
幸せそうに眠っているレイラ様の布団を勢いよく剥ぎ取ります。
「起きて……ください!」
「ひゃぅっ!?」
布団を剥ぎ取った瞬間、レイラ様は驚いた様子で跳ね起きました。
辺りを見回し私を見つけると納得した表情をしながらも少しジト目で私を見つめます。
「いつも思うんですけど、もう少し優しく起こすことは出来ませんか?」
「初めはちゃんと声を掛けたり揺さぶったりしてますよ? それでもレイラ様が起きないのが悪いんです」
「むぅ~……」
そう睨んだって変わりませんよ。
「ほら、もう少しで朝食ですから着替えてください」
「わかりましたよ……」
むぅ~、と言いながら着替えてくださる。
レイラ様は私にいつも文句は言うがそれはじゃれあいみたいなものです。
私は着替え終わったレイラ様の髪を梳くために、櫛を用意します。レイラ様の髪は櫛などで梳かなくても、枝毛などなく綺麗なままなのですが、
「アイリさ~ん、髪の毛梳いてください」
「かしこまりました」
こうしていつも頼んでくる。
まぁ髪は女の命ですし、私もレイラ様の髪を梳くのが好きですからいいですけど。
「そういえば一也様はまだ眠ってるんですか?」
「そうでしたっ!」
「へぅっ!?」
いきなり大声を挙げた私に対してレイラ様は驚いた様子。
「これを見てください!」
「……何ですか、これ?」
私は部屋に置いてあった、一也様の手紙を渡します。
「どうやら一也様が書いた、もしくは誰かに書いてもらったであろう手紙です」
でも私は一也様本人が書いたであろうと予測します。
だって他の人が書いたのなら文字があんなに稚拙ではなく、綺麗な字で書くでしょうから。
本当に凄い御人です。
私は改めて一也様の凄さを知りました。
「…………」
アイリ様はそんな手紙を無言で読み進めていきます。
最後まで読み切り、もう一度最初から読み直す。
そんな作業が数回あり、やっと私に手紙を手渡しました。
「……一也様と朝食を一緒に取れません」
第一声がそれ。
「まぁ昼食は取れそうですからちょっとした辛抱ではないでしょうか」
「アイリさんは昨日一也さんと一緒に朝食を取りましたよね?」
「うっ……」
昨日は一也様の鍛錬を御一緒した時に朝食を取りました。
あの時は確かにレイラ様も居なくて、至福の時でした。
「そ、それは……」
「う~、ずるいですっ!」
そんなことを言われても困ります。
そう思いつつも、昨日の光景が蘇ってきて顔がにやけてしまいます。
「う~、そんな顔して~……」
レイラ様が呻きますが私は気にしません。
レイラ様から私にライバル宣言をしてきましたから。私だって手を抜きません。
そんなことを思っていると、急にレイラ様の顔がにやけます。
「どうしたんですか?」
「えへへ……え? な、何でもありませんよっ?」
「そんな顔で何でもありませんと言われても信用出来ません」
「うっ……」
「さぁ、早く白状した方が身のためですよ?」
私はレイラ様に一歩一歩近づいていきます。
「わ、わかりました! 言いますから! 近づかないでください! 何か怖いです!」
「じゃあどうぞ」
「う~……えっとですね、その手紙があるじゃないですか」
「? ありますね」
手紙……ですか?
これに何か関係するんでしょうか。
「その文字です。それは完全に一也さんの文字です」
「……まぁだいたい予測出来ますけど。何で確信でッ!?」
ま、まさか!
「そのまさかですっ! 一也さんに文字を教えてのは、何を隠そうこの私なのです!」
「何て事を……」
いつか私が教えて差し上げようと思っていたのに、先を越されてしまいました……
「密室で、しかも二人だけの授業でした」
「う~……」
今度は私が呻き声を上げる番でした。
ずるいっ! 私もそんな甘々な時間を過ごしたかったです!
「体がくっつくぐらいの近さで文字を教える喜びと言ったらもうっ!」
「……私も教えて差し上げたかった」
「……でも一也さんは天才でしたからすぐに教えることがなくなりましたけどね」
いきなり暗くなるレイラ様。
ですが、やはりそこでも能力を如何なく発揮するんですね。
「ま、まぁ仕方ないんじゃないですか? あの人は天才ですし」
「それはわかってましたけど、やっぱりもう少し教えたかったです……」
ここで天才すぎるという問題が出てきました。
……あの人に出来ないことはないんでしょうか。
「私も予想外でした。数時間で理解されるとは思ってませんでしたし……」
「……その話はもう止めにして朝食を食べに行きましょう。そうでなければ私達が惨めです……」
「そうですね……」
私達は部屋から出て、王様達が待つ部屋へと足を進めます。
……一也様が帰ってきたら何かおいしいものを作って差し上げましょう。
私はそんな事を思いながらレイラ様と歩いていきます。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
~少女と少年の勉強会~
「なぁレイラ」
「なんです?」
夕食が終わり、今から自室に帰ろうとしたところを一也さんが引きとめます。
私は部屋に戻ろうとするのを一旦止め、一也さんの方に向き直ります。
珍しいですね。いつもは反対で、私が一也さんを引き留める側だと言うのに。何か用事でもあるんでしょうか。
「今から少し時間あるか?」
「時間…ですか? まぁ今日やらなくてはいけないことは終わっているのでありますけど」
どうやら私に用事があるようで間違いないようです。
何でしょうか。何かありましたっけ?
「そっか。なら一つ頼みごとを聞いてくれないか?」
「頼みごとですか?」
本当に珍しいです。
まだ一也さんと出会ってから数日しか経っていませんが、人に頼みごとをするような性格には思えませんでした。
どちらかというと、どんな事も自分一人で解決するような、そんな性格だと思ってました。それに頼みごとをするなら私じゃなくてアイリさんにすると思っていましたし。
「私が出来ることならぜひ!」
でもそのおかげで一也さんの手伝いが出来ます!
一也さんに頼られるなんて、ホント幸せです!
「それで頼みって何ですか?」
私は抑えられない気持ちを胸に、一也さんに問いかけます。
そんな私を見て一也さんは苦笑しますが気にしません。
「俺ってこの世界の文字の読み書きが出来ないだろ? だから教えて欲しいんだが……」
そういえば一也さんはこの世界に来てから、そういう一般教養のことは教えてませんでしたね。
それにしても、文字……ですか。
「それくらいならお安いご用です!」
ということは、部屋で二人っきりで勉強出来るということですね!?
これはチャンスですか!?
二人しかいないということはあんなことやこんなことや……!
「お~い、レイラ……聞いてるのか?」
「ハッ!? す、すいません……////」
あまりに幸せだったのでトんでました……////
恥ずかしいです……
「そ、それなら早速勉強しますか?」
「あぁ。出来るだけ早く文字の読み書きは出来た方がいいしな」
「わかりました。なら私の部屋で勉強しましょうか」
さりげなく……
「わかった」
ヤッタ!
「それなら勉強道具を取ってくるので少しだけ待っててください」
「ここで待ってればいいのか?」
「はい!」
「わかったよ」
「それでは行ってきます!」
一也さんは私を苦笑した顔で見つめますが気にしません。
初めて二人で何かするんです! ドキドキが止まるわけがある筈がないじゃないですか!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ここが私の部屋です」
初めて異性を私の部屋に自分から招きます。
今まで異性は苦手だったので、初めての試みです。
おかしくないでしょうか……?
少しの期待と大半の不安を胸に抱きながら、一也さんを部屋の中に招き入れます。部屋は綺麗に片付いていて、女の子らしくぬいぐるみなんかも置いてます。色調は明るい色で統一されていて、どこか安心出来る雰囲気が醸し出されています。
「へぇ……いい部屋だな」
「あ、ありがとうございます////」
褒められました!
好きな人に褒められるのは、こうも幸せになれるんでしょうか。
「それじゃ始めましょうか」
「おう」
私はそんな幸福を胸の内に秘め、一也さんをイスに座らせます。
もちろん私はその隣に座ります。一也さんは少しだけ驚きましたが、すぐに平常に戻りました。
もう少しドギマギしてもいいと思うんですけど……
私はそう思いながら、先ほどとってきた本を取りだします。
「それでこれがこの世界の共通言語の本になります」
「これが?」
私が手渡すのは、一般家庭でも使われるほどの出来のいい教科書です。
主に使用対象者は子供なんですけどね。
まぁ気にしません。
「ふ~ん……」
一也さんはペラペラと本を捲っていきます。
「基本は30の文字を使って意味のある文字を作ります。それを組み合わせることによって文になります」
「なるほど……」
「わかりますか?」
そういえば一也さんは頭はいいんしょうか?
武術や魔法は天才という言葉では片づけられませんけど、こういう教養の方はどうなんでしょう。
「ん~、大体……。レイラ、単語が載ってる本はないか?」
「これです」
私はすぐに一也さんに本を手渡します。
一也さんはそれを真剣に眺めていきます。
かっこいいです……////
そんな横顔を見ながら時間が過ぎていきます。そして一時間が経ったくらいに、
「レイラ、何か書くものはあるか?」
「はい」
また一也さんが言うので、またもや手渡します。
そうすると、一也さんは紙に文字を書き込んでいきます。
「えっと、文の体系はほとんど英語と同じで主語述語の順番で―――」
英語って何でしょうか。
一也さんがいた世界の言語でしょうか。
「んで違うところが目的語補語じゃなくて補語目的語の順番だけと―――」
そういえば一也さんが居た世界のことを聞いたことがありませんね。
一度は聞いてみたいですけど……あまりその話題を話したくありません。なんたって、私達が無理やりこの世界に呼んでしまったから。それなのに元居た世界のことを聞くなんてことは出来ません。
「大体わかったから一度なにかの文を書いてみるか―――」
せめて一也さんが話してくれるまで気長に待ちましょう。あの人は厳しい人ですけど、それ以上に優しい人ですから。
「レイラ、この文の書き方で合ってるか?」
「どれですか?」
どうやら一也さんは文を書いたようです。
それにしてもまだ一時間くらいしか経ってませんよ?
「えーっと、『私の名前は一也 御薙です』……。大丈夫です。というよりも完璧です」
「こういう書き方でいいのか……」
どうやらこっち方面でも天才のようでした。
文字はまだまだでしたけど、文の立て方は完璧です。
「後は単語の暗記か……」
そう言って、また単語が載っている本を黙々と読んでいきます。
その表情は真剣で、どこか楽しそうな雰囲気があります。
「どうしたんですか?」
そんな表情を不思議に思って私は尋ねます。
「ん? いや、知らないことを知るのは楽しいと思ってな……。やっぱり、人間は知を欲する生き物だと再確認したな」
「そうなんですか?」
「あぁ。俺の居た世界の偉人が言い残した言葉だ」
その言葉を皮切りに、また沈黙が続きます。
部屋に響くのは一也さんが捲る本の音だけ。それでも心地いい響きとなって音を奏でます。
「こんなもん……か」
パタン、と音を立て、一也さんが本を閉じます。
どうやらもう数時間も経っていたようです。
気付きませんでした……
幸せな時間は過ぎるのが早いと聞きますが、ここまで早く感じるとは驚きです。
「そろそろ就寝の時間だし戻ることにするか」
「そうですか?」
「あぁ。それに寝るのが遅いのは美容の天敵だぞ? せっかく綺麗な顔をしてるんだ。そういうことにも気を使った方がいいと思うぞ?」
「あぅ……////」
綺麗って言われました!
うれしいですけど、恥ずかしいです////
「そ、それならもう寝ることにしましゅ!」
噛んじゃった////
「クククッ、それがいい。んじゃおやすみ」
「あぅ……、おやすみなさい////」
笑われてしまいました。
恥ずかしいです////
そう言って一也さんは部屋から出ていきました。
そして部屋に残るのは私だけ。私はベットに飛びこむと、
「今日は幸せでした……」
どうやら思った以上に緊張していたのでしょうか。
すぐに瞼が落ちてきて、
「おやすみなさい……一也さん」
眠りにつきました。
そして今日一也さんに教えた成果はすぐに実ることを私は知りませんでした。
明日はちゃんと投稿出来るといいな。
今回は閑話だったから文字数も少なめだったし。
早く学園編に行きたいぜ。
けど最近ネタ切れなんだな~。