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召喚されたッ!?  作者: Sir.G
第1章 王国編
13/26

11.vs色王『白』

昨日は人物設定しか投稿出来なかった……

不覚っ!

 さて今日はギルドの仕事をしようと思うんだが……

 昨日サレスさんに言ったことだし……

 え? 昨日はどうしたかって?

 別段問題はなかったさ。

 帰ってきたらレイラとアイリさんに少し怒られたけど、他は特に何もなかったよ。ただ、何で怒られたかは未だに判らないけど。

 まぁちょっと怒られた後に夕食を取って、風呂(そういやここの世界の文化に風呂があるんだぜ? 地球凄ぇと思った瞬間でした)に入った後、早めの就寝を取りました。

 昨日は早く寝られて体調も万全。

 体も動かして、いつでも戦闘準備OKになったんで、早速ギルドに行ってきます!

 にしても早朝だけど開いてるのか?



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「こんにちわ~」


 言葉と同時にドアを開く。

 ドアの前で誰かいないか確認すると、一人だけいたので普通に開ける。


「あら……」

「おはようございます、サレスさん。約束通りちゃんと来ましたよ?」


 微笑みばがら挨拶する。

 そうすると向こうも微笑んで返してくれた。


「おはよう。でも来るとは言っていたけど、いくらなんでも早すぎませんか?」

「まだ駄目でした……?」


 それは困った。

 わざわざ早朝から出てきたのに無駄足を踏んだか?


「別にいいんですけどね? それとギルドは朝の4時からで終わるのが夜の10時で基本的に休みはなし。二階の酒場は夜遅くまで開いていますよ?」

「そうなんですか……」


 俺はホッとして辺りを見渡す。

 今日はクエストを受けに来たので、昨日は見れなかったクエスト欄を見ていく。

 ん~、いまいちいいのがないな……

 自分のランクより上のクエストを探すも、短時間で終われるものがない。

 出来れば昼頃には帰れるクエストがあればいいんだが……


「どうしたんですか?」


 そんな俺を見かねてサレスさんが声を掛ける。


「えっとですね、余り時間が使えないんで昼頃くらいまでに終わって、なおかつ高ランクのクエストを探しているんですけど……」


 そうでもしないとアイリさんやレイラが怒ってくるだろう。


「そうですねぇ~……」


 そう言い残すとサレスさんは奥に消えていった。

 俺ももう一度クエストを見ていく。


「ないな……」

「これなんでどうですか?」


 奥から戻って来たサレスさんが俺に一つの紙を渡す。その紙を見ると、


「ジェネシックウルフの討伐?」


 ジェネシックウルフって何だ?


「サレスさん、ジェネシックウルフって何ですか?」

「ジェネシックウルフって言うのはですね―――」


 サレスさん曰く、

 この世界が生まれたころからいた原初の魔物。

 幼体でも下位の竜種を殺すことが出来、その体長は幼体でも4~5メートル、成体にもなると10メートルを超す巨体もいるらしい。

 毛並みが白銀で“色王”の一角を担う存在。知能も高く、中位の魔法まで使用してくる。が、一番怖いのはその巨体からは考えられないくらいの俊敏さと、剛腕から繰り出される爪の一撃らしい。一撃でも食らうと大抵の人間なら即お陀仏。

 白銀の毛並みは、並みの攻撃も魔法も通さない。その為、その毛は高額なレートで市場に出回るらしい。もちろん他の部位も最高品質だが、毛には一歩劣る。


「なるほど。それと“色王”って何ですか?」

「“色王”って言うのは、名前の通り、見かけがその色を表していて、尚且つ最高クラスの強さを持つ魔物に与えられる名です。その強さはギルドランクで言えばSS~SSSクラスと考えても遜色はない筈です」

「へぇ、他にはどんな奴がいるんですか?」

「そうですね。“白”はさっき言ったジェネシックウルフ、“紅”がフェニックス。それに“蒼”のリヴァイアサン。“琥珀”のレイジングタイガー、“翡翠”のナウスナーガ、“黒”のグロリアスダイダロス、そして“金”のセラフィムと“銀”のクロノドラゴンよ。特に最後の二匹は別格で、最早伝説上の魔物となってるわ。まぁ“金”や“銀”、それに“蒼”と“紅”は知能が人間以上で、滅多に悪い事なんかしないんですけどね」

「なるほど……」


 それにしてもフェニックスって言ったら不死鳥か?

 それにリヴァイアサンって言ったら海竜神だろ?

 セラフィムなんか最上級の天使じゃねぇか。知名度だったらミカエルなんかに劣るけど、地位で言えばセラフィムの方が高いんだぜ?

 ホント何でもありだな……


「それの“白”の討伐ですか……」

「あら、自信がないんですか? クレウィス様の紹介だったから大丈夫だと思って持ってきたんですけど?」

「…………」


 はぁ、これ完全に挑発されてるよな?

 最初のクエストで、しかも初めての戦闘だから軽い奴が良かったんだが……

 しょうがない……か。


「わかりました。そのクエストを受けます」

「それじゃ…はい」


 セレスさんが俺にクエストの受諾書を手渡す。

 内容が、


            ~ジェネシックウルフの討伐~

 場所 アルティウス王国のジークレインの高原

 内容 ジェネシックウルフの討伐。成体にはなっていない様だが、それでも体長は5メートルを越している。知能は低めで、手当たり次第に周りに被害を与えているので、早めの討伐を願う。討伐の証拠としては牙を持ってきてくれるだけでいい。なお、毛などの採集品はクエスト受諾者が貰ってくれて構わない。

 報酬 500金貨


 と書かれていた。

 ふむ……500金貨か。大体日本円に換算すると……5000万ね。

 まぁなかなかの収入か。


「サレスさん、ジークレインの高原ってどこですか?」

「えーっとね、ここの南門から出て、東に向かった所にある高原ね。普通の馬車なんかで向かったら数時間で着くと思います」

「馬車で数時間……」


 俺なら1時間もあれば着くか?

 そう思い、俺は討伐の準備を始める。

 まぁ準備と言っても、殆どすることがないので討伐の方法を考えることにする。

 さっきのサレスさんの話からすると、下位、中位クラスの魔法は通らないと思ってもいいか。まぁ上位がどの位の威力かは知らんけど。

 あれ? そう言えばレイラが俺の火の玉出した時に上位クラスの威力って言ってなかったっけ? ということはあの位の魔法はダメージが入るのか?

 ま、無理だったら気で身体強化を最大にして接近戦でもしたら大丈夫だろ。

 俺は考えが纏まったので、サレスさんに一言告げギルドから出ていく。セレスさんは何時の間にか来ていた、他のクエスト受諾者の相手をしていた。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


~side サレス~


 大丈夫なんでしょうか……

 先ほどギルドから出て行った少年のことを思う。

 いくらクレウィス様の紹介があったからと言っても、“色王”の討伐は間違っていたかも知れない。他のクエスト受諾者の受け答えをしながら考える。

 出来れば怪我をしないでほしい……

 それは無理なのはわかっている。

 相手は“色王”

 魔物の中で最強と言われている王達。そんなもの相手に怪我なしで勝てる筈がない。

 それでも―――


 ―――生きて帰ってきてくださいね。


 願ってしまう。


~side out~


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「ここが南門か……」


 ギルドから出て、やっと南門に辿り着いた。

 この時間帯になると町は活気づくようだ。門からは引っ切り無しに人が出入りし、町の人達は声を上げ喋っている。

 ここから出て東だったな……

 俺は門から外に出る。外は草原地帯のようだ。薄い緑が大地の果てまで続いて、周りには森なども目に入る。

 それじゃ気で強化して走りますか。

 体を気で強化する。自分の気の3分の一くらいの量を使い強化。そうすると一気に体が軽くなり、力が湧いてくる。

 んじゃ行きますか!

 俺は走る。その速さは走ると言うよりも駆けると言った方が正しい。いや、この表現でも足りないだろう。なんせ軽く残像を残して走っているのだから。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「あれ……か?」


 数十分くらい走っただろうか。

 体を強化しているために視力なども強化されている。現状は数キロ先までなら注視すると見える。その一、二キロ先に明らかに体が真っ白で、それでいて周りの魔物を食っているやつがいる。

 俺はどうしたかって? そんなもん無視してきたに決まってるだろ?

 俺の走りについてこられる魔物なんていなかったし。

 俺はそんな惨劇を繰り広げている場所へと近づいていく。一分も経たない内に、その惨劇の場所が眼に入った。


「グルルルゥゥゥ!」

「えらくいきり立ってるな」


 俺の目の前には6~7メートルくらいの白銀の狼。

 どうやらこいつで間違いなさそうだな。


「お前がジェネシックウルフか?」


 一応話しかけてみる。サレスさんが言うには知能は少しあるらしいし。


「ガァァアアア!」


 どうやら交渉は決裂のようだ。

 完全に敵と認識されてしまった。

 俺まだ何もしてないのに……

 少し寂しい気持ちになったが、そんな気持ちを切り替える。

 ここからは命の取り合い。殺すか殺されるかの生物の原初としての本能。


―――さて、俺はコイツに勝てるのか?


 少しだけ不安に思う。

 いくら魔力が無限でも、気の量が増減したとしてもこんな戦いは初めてだ。


―――いや、違うな。


 俺は闘気を漲らせる。

 そんな俺の様子に、ジェネシックウルフも戦闘状態に入ったようだ。四肢に力を漲らせ、何時でも跳びつける体勢になった。


―――こいつ如きに負けるようじゃ、俺はこの世界で生きていけない!


 影桜を引き抜き正眼に構える。

 そして―――


―――いざ、勝負!


 影は交錯した。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「チッ!」


 予想以上に最初の突撃が早かった。

 怪我は負ってないが、タイミングがずれて斬りつけれなかった。俺は一度距離を取り、頭の中で魔法をイメージする。そんな俺の様子に危険を感じたのか、ジェネシックウルフは俺に突っ込んでくる。

 想像するは火の矢。数は数百。

 頭の中で完全にイメージし現実に再現する!ジェネシックウルフとの距離が10メートルくらいで俺の魔法が炸裂する。


「“魔法の射手 連弾 炎の500矢”!」


 俺の手から炎の矢が次々と飛んでいく。

 制御も完璧で全段ジェネシックウルフに着弾する。


 え? なんでネギまの魔法かって? イメージしやすいんだよ!

 あの漫画なんだよ。魔法世界行ってから能力のインフレ起こり過ぎだろ?

 まぁそのおかげでイメージの固定は簡単だからいいけど……

 少しすると炎の矢が着弾した時に出た煙も張れる。

 そこには少し焦げてはいるがダメージは負っていないジェネシックウルフが立っていた。


「マジかよ……。あれでノーダメージですか。流石だな、最強種」


 俺は感心すると同時にジェネシックウルフの攻撃を避ける。

 剛腕から繰り出される攻撃をバックステップや跳躍などで避けながら考える。

 さて、どうする? 魔法で攻撃するか、近接戦闘に変更するか……

 相手も俺の攻撃を読んだのか、フェイントを混ぜて攻撃してくる。流石にそんなことを予想していなかった俺は咄嗟に刀で防御する。防御はしたが、防御越しから少しのダメージが入る。


「グッ! えげつない威力だな、オイ」


 そして俺は目の前のジェネシックウルフを見る。

 すると―――


「なっ!?」


 ジェネシックウルフの体が突如消え去った。


「どういう、ッ!?」


 後ろから衝撃。

 まともに背後からの強襲を食らい、吹き飛ぶ。


「ゴフッ……カハッ」


 内臓や骨が数本やられたらしい。

 気をちゃんと練れてなかったのと、消えるということで少し注意力が散漫していたようだ。

 どういうことだ? 消える?

 もしかして幻影魔法……? いや、そんな魔法があるのか?

 それ以上に幻影魔法って高等魔法っぽしそうだし。

 なら―――


「―――光の屈折、または熱による陽炎……ね」


 糞がッ! 狼風情がそんな知恵を付けているとは。

どうやらジェネシックウルフは炎の魔法による陽炎、または光の魔法で屈折を起こしていたようだ。


「俺も弱くなったな……」


 気持ちを切り替える。こっからが本番だ。


「潰してやるよッ!」


 俺は気の強化、密度ともに最大にする。

 そして影桜を腰より後ろ側で構え突撃する。そんな様子にジェネシックウルフはカウンターを狙っているようだ。その場から動かず、回避行動に移らない。

 だが!


「その考えが甘ぇんだよッ! ―――天凱流 攻式参之型 流星」


 カウンターをしようとするジェネシックウルフの腕を避けるように俺の刀を動く。そして手足を一息の間に斬り飛ばす。


「グァァァアアアアアアアア!」

「これで終いだッ!“神の鉄鎚”!」


 突撃する間にイメージしておいた魔法を炸裂させる。

 その突如、ジェネシックウルフの頭上から土で出来た巨大な鉄槌が落ちてくる。


「―――潰れろ!」

「ギャン!?」


 まともに頭からその攻撃を受けたジェネシックウルフは少しの間痙攣していたが、それも収まり動かなくなった。


「死んだ……か?」


 俺は緊張の糸が切れない内にジェネシックウルフの容体を調べる。


「一応死んだみたいだな……」


 俺は保険のためにジェネシックウルフの心臓を突き刺す。

 これで完全に死んだだろう。


「なかなか疲れたな……」


 初めての魔物との戦闘は辛くも勝利で終えた。

天凱流 攻式参之型 流星

三個目の攻撃の型。相手の防御、またはカウンターを避けながら相手を斬りつける斬撃方式。

斬撃自体の威力は低めだが、防御を抜いてダメージが入るので予想以上のダメージを与えられる。




久しぶりの戦闘描写(汗

何か変な感じがするんですが大丈夫でしょうかね?

一也の愛刀―影桜は一也の気を込めると、それに伴って切れ味が増すという設定です。

何と言う妖刀仕様ww


では、また次回でお会いしましょう。感想など待ってます!

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