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召喚されたッ!?  作者: Sir.G
第1章 王国編
12/26

10.邂逅

帰ってきたZE☆

それにしても疲れました……

一週間徹夜はキツい(汗

昼間に睡眠は取ってるけどキツいことには変わらなかった……

 さて城下町に出てきたのはいいが……


「ギルドってどこにあるんだ?」


 目立たないことを考えていたせいか、すっかりその事を忘れていた。森に行く時もギルドの場所を聞くのを忘れてたし。


「しょうがない……また適当に歩くか」


 そう思い、歩きだす。

 まぁ初めてゆっくりと城下町を巡るいい機会だろう。お金は爺さんから少し貰って来たから買い食いなんかもしていいかも。

 そう言えばお金の単位をもう一度復唱しておくか。前の世界と違うしな。

 確か、お金の単位が銅貨、銀貨、金貨、白金貨の四つ。

 銅貨が最低で白金貨が一番高いと。んで、10銅貨で1銀貨。100銀貨で1金貨。1000金貨で1白金貨。白金貨は普段の買い物などには使えない。普段の買い物は基本銀貨まで。金貨は武器など高価な物を買う時だけ。白金貨は主に国同士のやりとりなんかで使われる。


 こんなもんか?

 まぁ覚えやすいな。一つ位が上がっていくごとに、必要量を10倍するだけだしな。

 そんなことを考えながら歩いていると路地裏の方面に来ていた。

 ありゃ? 無意識下で歩きすぎたかな?

 後悔しても遅いので、今さっき歩いてきた道を戻ろうとする。そんな折、今いる場所の先の方から怒鳴り声と少女の声が響いてきた。

 はぁ……仕方ない、行くか。

 見ていなければ何も思わないのだが、一度発見してそれを無視するほど人間を捨ててはいない。こんなことなら平行思考マルチタスクを使っていたら良かった……



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


~side 謎の少女~


「くっ、離してよっ!」


 なんでこんな事になっちゃったんだろ……

 この路地裏を通れば、北の町の出口に近いからって通って来たのが間違いだったなあ。案の定、こんな場所定番のチンピラに絡まれるし……


「別にいいじゃねぁか。なぁ? 俺達といい事しようぜ?」


 ゲヒた笑いを浮かべた3人のチンピラは私の手を掴んで引っ張る。力じゃ私は敵わない。

 大の大人、それも男性に、まだ成人もしていない少女が力で敵う筈もない。

 魔法は使っちゃ駄目だしなぁ……

 魔法を使える人間が、魔法を使えない人間に魔法を使うと捕まる。

 まぁ、魔法の使えない人間からしたら、魔法はナイフなんかよりも凶悪な武器になる。それでも、魔法を使えない人間が暴力などを振るってきた場合は、これは例外として魔法を使用しても構わない。

 どうしよ……魔法が使えないし、力でも敵わない。自分の身に危険が迫ったらどうにかなるんだけど……


「おい、聞いてんのかよっ!?」

「無視はよくないんじゃねぇのか?」

「だぞだぞ?」


 三人のチンピラは私がさっきから無視していることに腹を立てているようだ。

 こういう輩は無視されることを嫌う。案の定、


「このアマがっ!」


 一人が私に向かって拳を振りかぶる。

 来たっ! これで魔法が使える!

 相手が殴りかかって来たことにより、正当防衛で魔法が使えるようになったのだが、そこに一人の乱入者が現れた。


~side out~


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「何やってんだ?」


 どっからどう見てもチンピラにしか見えない三人の男と、それらに取り囲まれている少女。漫画やアニメでしかお目にかかれない場面に出くわした。

 少女は俺よりも少し年下の感じで、背が低く150cmにも満たしていないだろう。体の発達も同じようで、まだまだ未発達という感じだ。

 それでも美少女には違いなく、金色のウェーブの掛かった髪が肩の上で切られており、眼はクリクリとして小動物を思わされる。しかも服装はこのような所を通る者の物ではなく、どこか高級品のような綺麗な仕立てとなっている。


「あぁ!?」

「誰だテメェ!」

「黙っとくんだな!」


 三者三様の返し方をされ、思わず言葉を発する。


「うるさい。三人話さなくても別にいいんだ、一人だけ話せこの馬鹿ども」


 とりあえず言ってみた。まぁ反応は予想できたもので、


「はぁ?」

「調子にノってんじゃねぇぞ、坊主!」

「どっかに行くんだな!」

「ちょ、キミ!」


 なんか少女が言ってるけど気にしない。


「とりあえず口を閉ざしてそこの女の子から手を離せ。んな汚い手で触れたら女の子が汚れるだろ?」


 その言葉とともに俺は女の子とチンピラの間に割って入り、チンピラの手に手刀を入れる。男の呻き声が聞こえるが無視。

 それから女の子を抱えて少しチンピラ達から距離を取る。


「あれ、え?」


 女の子はいきなり自分が見える風景が変わったことに驚いている。


「何か嫌な事はされなかったか?」

「え? えと、はい」

「そっか」


 抱えているのを降ろし、俺はチンピラの方に向き直る。


「か弱い少女を大の大人が数人で囲んで脅すのは感心しないな」

「テメェッ!?」

「人として終わってんだよ、この屑ども」


 その言葉を皮切りに、チンピラが俺に向かって拳を振り上げてくる。そんな光景を見て、少女は俺が殴られると思ったのだろうか、眼をキツく閉じていた。


「死ねや、オラッ!」


 最初の一人が殴りかかってくる。

 俺はそれを左手で払い、カウンターで右手で顎先を軽くぶつける。ただそれだけで人間は脳が揺れ、失神してしまう。

 それを見た残りのチンピラは恐怖に駆られながら俺に突撃してくる。


「あぁあああああああ!」

「うわぁああああああ!」


 今度は二人同時に殴りかかってくるので、それを一人目は首を横に倒すことで避け、足を引っ掛け転ばす。転ばした男を無視してもう一人の男が向かってくるのを、先ほどと同じようにして気絶させる。残った一人はもはや半泣きになっていた。


「はぁ……そんなにビビるんなら最初からこんなことをするなよ」

「ひぃっ!?」


 そんなに怯えられると少しショックなんだが……

 まるで俺が悪者みたいな構図になってしまった。


「今度からはこんなことをするなよ? もししたら―――」


 俺は近くの壁を殴りつける。

 気で体を強化し、皮膚を硬質化したもので殴りつけたため、壁は砕け散る。


「これをお前らの顔に叩きこむからな?」

「は、はいぃぃぃ!」

「なら行け。あぁ、そこに倒れてる二人も連れてけよ?」

「わかりましたぁぁぁぁああ!」


 叫びながら倒れてる二人を担いで去っていくチンピラ。

 少ししたらその姿は消えていった。

 さて……

 俺はこの場に残っている少女に向き直る。少女は俺が眼を向けると少しビクッ、と体を震わせる。

 ……俺ってそんなに怖いのか?


「えっと……大丈夫だったか?」

「ひ、ひゃい!」

「…………」

「////」


 モロ噛んだな。


「まぁ見た目何もされてなさそうだし、俺は行くぞ?」


 俺はこんな所で時間を潰している暇はない。

 早くギルドに行って城に帰らなくては、レイラやアイリさんの機嫌が悪くなってしまう。

 何でかは知らないけど……

 何故か去ろうとしているところに声がかかる。


「あ、あの!」

「何だ?」


 俺は忙しいんだぞ?

 要件があるなら早く言ってくれ!


「助けてくれてありがとうございました!」

「ん、まぁ声が聞こえたからきただけで、もし声が聞こえてなかったら来なかったんだからそこまで言わなくてもいいぞ?」

「それでもです!」


 おおぅ?

 急にハキハキ喋り出したな。


「魔法は使えるんですけど、一般人に魔法を使うのは犯罪で困ってたんです」

「へぇ」


 てか、一般人に魔法を使うことが犯罪って初めて聞いたわ。

 まぁどう考えても魔法が使える方が有利だもんな。


「それで何かお礼したいんですけど……」

「別にいらねぇよ、お礼目的で助けたんじゃあるまいし」


 人助けにお礼を求めるのが間違っている。

 まぁ人によってはお礼を求めるんだが……


「何かないでしょうか? あ、時間はありますか? 今の時間なら夕食を奢らしてもらいますよ?」

「あ、別にいいって。どっちにしろ時間ないし」

「そうですか……」


 あぁ、そんな落ち込むなよ。

 何かメチャクチャ俺が悪い感じがするだろ?


「はぁ……なら一つ頼んでもいいか?」

「え? は、はい!」

「はぁ、この町のギルドの場所って知ってる?」


 とりあえず何かしてもらわなくちゃいけないんなら、今一番困ってるギルドの場所に案内してもらおう。


「ギルドの場所、ですか?」

「あぁ、この町は初めて来たからギルドの場所が判らなくて困ってたんだよ。んで、知ってたら教えて欲しいんだが……」

「それくらいならお安いご用です! ギルドまで送りますよ!」

「あ、あぁ……」


 別に教えてくれるだけでよかったのに……



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「へぇ……あんなに強いのにギルドに登録するのは初めてなんですか?」

「まぁな……てか言うの忘れてたけど、俺の名前は一也 御薙だ」


 何かテンパってて自己紹介するの忘れてたな。

 しかも相手の名前も知らねぇし。


「あ! そういえば、自己紹介してませんでしたね! 私はフィルファール・リリン・スカールズです。名前は長いんでフィルって呼んでください!」

「フィル……ね。俺は一也って呼んでくれてかまわないから」

「はい、一也さん!」


 さっきから何かテンションおかしくね?


「そういや何でフィルはあんな場所に居たんだ? 普通の女の子ならあんな場所は通らないだろうに」


 普通あんな場所通るか? 俺でも通らないぞ。絶対誰かに絡まれるだろ。


「えっと……あの場所を通ると町の出口に行くまでの近道になるんですよ。それで少し急ごうと思って通ったらあんなことに……」

「はぁ……でもいいのか? 急いでいたんならギルドの案内は別に無理しなくても……」

「全然大丈夫です! ……もともと少し早めに学園に帰ろうと思ってただけで、無理してまで早く戻る必要はなかったんです」


 なら最初から通るなよ……


「ふ~ん…学園? どこの学園?」


 もしかしてレイラ達と同じ学園だったりして?


「えっと、ルイス学園ですけど……知ってます?」


 ビンゴだった!?


「まぁ……な」

「一也さんはどこかの学園に通ってるんですか? 私より年上だと思うんですけど」

「俺は行ってない」


 まぁ、もう少ししたら通うことになるがな!


「そうなんですか……」

「まぁな。んで? ギルドはどこなんだ?」


 あんまり雑談する時間も残ってないんで、とっととギルドに登録に行きたい。


「もう少しですよ? 後数分もあれば辿り着きます」

「あいよ」


 それから二人とも無言で歩いていく。

 周りは町の人の声で賑わっており、少しうるさいが活気があってほどよいBGMとなっていた。そうして歩く事数分、すると俺の目の前にはすこし大きめの建物が眼に入って来た。


「あれがギルドです」

「あれか……」


 大きさは少し大きめのアパートと言ったところか。

 二階建てになっており、なかなかの人数の人間が出入り出来る造りになっている。


「一階でギルドの登録や仕事クエストの受諾などが出来ます。二階は主に休憩所になっていて、軽い食事や情報交換などが主になっていますね」


 軽い説明をしてくれるフィル。


「助かった、もうここまで来れば大丈夫だ」

「いえ、私の方こそ助けていただいて本当にありがとうございました」


 わざわざ深くお辞儀する。

 そこまで気にしなくていいって言ってるのに。


「気にするな。俺もギルドまで連れてきてもらったんだ。これでお相子だ」

「そう……ですか?」


 フィルは首を傾げる。

 俺はそんなフィルを見ながらギルドの扉に手を掛ける。


「そうだよ。……まぁ次いつ会うかわかんないけど、またな」


 多分すぐ会うことになると思うけど……


「はい!」


 俺はその言葉を聞きながら扉を閉じた。



「……いつかまた会いましょう」


 そんな言葉は空へと吸い込まれ、消えていった。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


~side フィル~


「かっこいい人だったなぁ~」


 私はさっきまで一緒に居た人の事を思い浮かべる。

 漆黒の髪。高い身長。細身ながらも引き締まった肉体。眼は少しキレ長で怖そうに見えるが、どこか優しい感じがする瞳。どれもが最上で、同じ人間とは到底思えない。


「はぁ……あんな人が同じ学園に居てくれたらな~」


 そうしたら、夢見る学園生活だって過ごせるかも知れないのに……


「学園に居る男子はまともな人が少ないからなぁ……」


 基本的にルイス学園はトップランクの人間が集まってくる。

 しかし、それは才能があれば入れるのであるのと同義で人間性に問題があってもなんら構わないということだ。

 ルイス学園に入るために必要なのはただ一つ、優秀であること。

 そのため、自分が一番正しいと思っている人間やナルシストみたいな人間が集まってくる。そういう人間に限って、何故か優秀だったりもする。


「一也さん……か」


 もう一度あの人の名前を呟く。

 それは魔法の言葉のように、自分の胸を満たしていく。


「一目惚れ……かな?」


 私ってこんなに惚れやすい体質だったのかな?


「違うよね……」


 多分あの人だからこんな気持ちになるんだろう。


「もう一度会いたいな……。でも学園に帰らなくちゃ……」


 はぁ……

 ここにいれば一也さんにまた会えるのに……


「まぁしょうがないよね? また学園が休みになったらここに来ようっと!」


 そんなことを思いながら、学園に帰っていく。

 その胸の内には一人の少年のことを思い浮かべながら。


~side out~


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「すいません」

「何か御用でしょうか?」


 俺は受付嬢であろう人物に話しかける。


「これを……」


 爺さんに貰った紹介状を渡す。

 渡した途端、受付嬢が驚いて、


「これ「よっと」ふむぐぅ!?」

「あまり大きな声を出さないでください」


 俺は叫びそうになる受付嬢の口を塞ぐ。少しジタバタしていたのもすぐに落ち着く。

 そのため周りからは怪しまれずに済んだようだ。


「あまり目立ちたくないんで……」

「失礼しました。少しお待ちください」


 そう言い残し、受付嬢は奥に消えていった。

 少し暇になったため、俺は周りを見る。

 見た感じ、近接戦闘が得意そうな人が3人、魔法戦闘が得意そうな人が2人くらい居る。魔法が得意そうな人は一番大きな魔力持ちが、大体レイラより少し大きいくらいか。

 まぁ、爺さんクラスやリーク爺さんクラスがそうホイホイと居る訳ないか。

 周りの強さを確認していると、奥に行っていた受付嬢が戻ってくる。


「お待たせいたしました。これがギルドカードになります」


 渡されたカードには自分の名前とランクが記入されていた。

 本当にAランクから始まったな。


「これはギルドの所属している証にもなりますので失くさないよう注意してください。もし失くした場合は再発行致しますが、少々のお金とランクが1ランク下がるため注意してください」


 お金は分かるがランクまで下がるのか……


「それではギルドについての説明を少しさせて頂きます。まず、ギルドにはランク「そこは連れに聞いたんで大丈夫です」そうですか? ならそこは飛ばさせて頂きます。次はランクの上げ方について説明致します。ランクを上げるには、基本は自分と同ランクのクエストを15回受けることで1ランク上げることが出来ます。他には自分より1ランク高い場合は10回、2ランクなら5回、3ランクなら1回となっています」


 なるほど……なら俺の場合はAだから………SSSかよ!?

 さっそく最大級になるとは……


「御理解頂けました?」

「はい」

「次はクエストが失敗した場合のことを説明させて頂きます。ご自分が受諾なさったクエストはランクの上下に係わらず、5回失敗することでランクが1つ下がりますので注意してください。しかし4回失敗していても5回失敗する前に1ランク自分のランクを上げることが出来ましたら失敗のカウントは帳消しとなります」


 まぁ失敗はしないだろうからここは大丈夫と……


「ここも大丈夫です」

「分かりました、では次の説明に入ります。次の説明はギルドの建物についての説明になります。まず一階がクエストを受諾するスペースになっています。そこの壁に貼り付けられている紙がクエストの依頼書です。それはランク毎に分けれているので、自分のランクにあったクエストを探してください。そして受けたいクエストを見つけたら私の所に持ってきてください。それでクエストを受諾した形となりますので、後は依頼書に書いてる内容を遂行出来れば完了となります」

「なら魔物討伐系統のクエストなんかどうやって報告するんですか? 採集系統なんかは目的の物を持ってきて呈示すれば大丈夫ですけど……」

「そういうクエストの場合は、その対象となっている魔物の部位を持ってきてもらう形になります」


 へぇ、ドラゴンとかなら牙とか鱗を持ってくるんだな?


「なるほど」

「次の説明に入ってもよろしいでしょうか?」

「頼みます」

「わかりました。次ですがクエストが終わる度にギルドカードを私に渡してください。それによってギルドカードに色が入るようになっています。その色が溜まって発光すれば1ランク上がることが出来ます。

ちなみに色はGは灰、Fは青、Eは緑、Dは黄色、Cはオレンジ、Bは赤、Aはピンク、Sは水色、SSは白、SSSは黒となっています。一也様の場合はAランクなのでピンクですね」


 へぇ……


「それに伴って、ギルドカードの枠の色は、自分のランクの色と同じになっていますのです直ぐに確認出来ます」

「お、本当だ」


 そう言われるので、自分のカードの枠を見る。

 見ると言われている通り、枠はピンク色をしていた。


「次は二階の説明です。二階はギルド員専用の酒場となっています。ギルドカードを提示することによって食べ物や飲み物を頼めるようになっていますので、クエストが終わったらそこで食事することをオススメします。普通の店より安いですし」


 俺の場合は城に帰って食事しないと、何故か怒られるような気配がする……


「まぁギルド員じゃなくても入れますが、ここに来る人のほとんどがギルド員なのであまり関係はありません。後、2階はいつも人で賑わっているので情報の交換なども出来ます」

「なるほど」


 情報かあ……

 確かにこの国の情報も欲しいけど、それよりも先に一般教養くらいの知識の習得の方が先になりそうだな……


「説明はこのくらいですね。何か質問はありますか?」

「特に……あ、一つだけいいですか?」

「何でしょうか?」


 笑顔で俺の質問を聞いてくれる受付嬢。


「名前を教えてくれますか? 名前が分からないんで呼べないんですよ」

「クスッ。そんな質問をする人はあなたが初めてですよ?」

「そうなんですか?」

「えぇ。でもそんな人だからこそ名乗る価値もあるかも知れませんね。

では改めて自己紹介をさせて頂きます。私の名前はサレス・フェルスタンと言います。気軽にサレス、と呼んでいただいて構いませんよ?」

「サレスさん…ですね」


 受付嬢―――サレスさんは直ぐに名前を教えてくれた。


「それじゃサレスさん、今日のところはこれで帰ります。また明日来ると思うんでその時はよろしくお願いします」

「わかりました。では」


 別れの挨拶を言い残し、ギルドの扉から出る。

 外はもうそろそろ太陽が沈む時間になりそうだった。


「少し急いで帰りますか……」


 体を気で強化し、少し駆け足で帰る。

 そんな俺に対しても、町は変わらずに賑わっていた。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


~side サレス~


「珍しい人でしたね……」


 私は先ほど出ていった少年の事を思い出す。

 いきなり私の名前を聞き出した稀有な人。初めてギルドに訪れた人で、最初から私の名前を聞こうとする人なんて初めてだった。


「それにしても……」


 そんなことより気掛かりなのは、この国の王国魔導隊隊長、クレウィス・アスカルド・ペリオン様からの紹介状。

 書かれていた内容は簡潔で『名前は一也 御薙。この少年をAランクからクエストを始めさせてほしい』との事。まぁもっと詳しく書いていたのだが、ここは簡潔に纏めた。


「クレウィス様からの紹介状なんて……あの少年は何者なのかしら?」


 少年が出て行った出口を見やる。

 もうそこにはいないというのに見てしまう。


「まぁ明日にまた尋ねるって言っていたし、その時にでも聞きましょうか」


 私はそう纏め、ギルドの仕事に没頭していく。

 しかしその頭の中には、やはり先ほどの少年の影がちらついていた。


~side out~

人物設定


フィルファール・リリン・スカールズ

身長 148cm

体重 ?

スリーサイズ ?


体の発達はまだまだ未熟で凹凸が少ない。

それでも美少女には違いはない。

金色のウェーブの掛かった髪が肩の上で切られており、眼はクリクリとして小動物を思わされる。

一也に一目惚れした模様?



サレス・フェルスタン

身長 162cm

体重 ?

スリーサイズ ?


ギルドの受付嬢。

髪は茶髪で腰くらいまであるのをポニーテールで纏めている。

眼は翡翠色で細長く、知的なイメージがある。

一也に興味を持っている。




皆さん、散々待たしてスイマセンでしたッ( TДT)ゴメンヨー

今日より復帰です!

今日からはまた一日一話更新が出来る!……筈www


そういや新作はバカテス物でもうpしようかと思ってます。

とりあえず数話うpしてみて反応待ちにでもしようかな?


まぁとりあえず、本日からまたよろしくお願いします!

では!


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