四月二十四日、今日も田中君は遠山さんに盗撮を気づかれていることに気づけない
今日はどうやら天気には恵まれていなかったらしく、窓の外は大雨が降っており、いつもならうるさいぐらいに感じる掛け声などは一切となかった。
静かなおかげか、雨の音の心地よさか。前を見てみれば少し髪の毛の崩れた遠山さんが机に腕を枕にして寝ていた。
「珍しいこともあるものだ」
普段からバイトや家の手伝い、そうして成績を落とさないようにと勉強もしている遠山さんが、疲れたから、や眠いからと委員会中に寝ることはなかった。
別に誰か人が来ることもないし、ましてや半年以上委員会中にドアを開ける音を聞いたこともないし。
勿論寝て行けない、なんてことは言ったことはないし、遊んでいてもいいとむしろ言っているぐらいだ。
だけど。男女二人でいる部屋の中で無防備に寝られるとこう、特別な空気が流れて変に緊張するというか。
僕はそれを誤魔化すためにいつもの日課をすることにした。
スマホを持って席を立てばおもむろに本棚へと向かい、何気なしに適当に本を取った。
そしてそれを読みやすいようにと席へと向かい。
「ここだな」
遠山さんが綺麗に撮れる場所まで移動した。
スマホのカメラを起動して画角に納めてみれば、やはりそうだ。
遠山さんの綺麗な黒の長髪から覗ける苦連れ切った無防備なその顔、スタイルが良く引き締まったそのウエストと、それを強調するようにブレザーから見える豊満なそのお胸。
スカートを椅子に敷いていることで張って見れるようになったお尻の造形はまさに美しい形だ。安産型でもなく、小ぶりでもなく、日本人であれば丁度いいと言えるその臀部。
極めつけは黒の二―ソックスとグリーンとブラウンのチェックのプリーツスカートの織りなす絶対領域。明るめのグリーンのスカートだというのに、それでも遠山さんの太ももは白く美しく見え、とても情欲をそそらせてくる。
シャッターマークを押せば改造を施しているのすあーた音などはならず、ブレなどもなく綺麗に映った。
これで記念すべき五十枚目。フォルダに溜まる遠山さんの写真にどことなく現れる高揚感と絶対的な全能感に進まれて幸せだ。
勿論これは盗撮で、犯罪に該当する行為だと知ってはいるが、どうしても止めることなどできるわけでもなく。
……とりあえず今日は、大人しく本でも読んでおくか。
後々やってくる罪悪感にやるせなくなり、スマホをしまうと大人しく読書を始めた。
四月二十四日、今日も田中君は遠山さんに盗撮を気づかれていることに気づけない。




