03 異変?
今日も変わらない家での生活、
何も変化のない学校生活を送っていた
でも、ある日ある時、その瞬間が突然やってきた
アリス「あれ?どうしたんだろう?
周りが急に動かなくなったんだけど」
周りの時間が止まった
音のしない世界である
なぜかアリスだけは動けた
動けたと言っても、アリスの姿をしたものは動かない
アリスの霊体?もしくはエネルギー体だけが動けた
アリス「わからない? 何が起きているの?」
すべてが止まった世界
自分だけが動いている世界
アリス「考えられるとすれば、誰かが時間を止めた?
そんな特殊能力を持った人がいるかもしれない?」
ここは超能力の世界
十分に考えられる
アリス「いったい何の為に? 誰が?」
その答えの一つは、すぐにわかった
人らしきエネルギー体が近づいてきた
音は聞こえない
光も止まっているので、可視化できない
ただ人に感じるエネルギー体として認知できた
少女のエネルギー体である
アリスはじっとしている
少女はアリスに気づいていない
そのまま通り過ぎて行った
その後、すぐに動き始めた
時間の流れが元に戻った
アリス「なに? なんだったの?
でもわかったことがあるわ
時間を止める超能力者がいる
上には上がいる」
アリスはニコって笑った。
アリス「私が動けたということは、
私も時間を止められるかも」
アリスは少し楽しくなった
つまらない生活だと決めつけていた生活が少し楽しくなった
アリス「今度、時間を止める練習をしよっと」
でもあの少女は多分動ける
注意しないと
夕焼けが町を覆う
アリスは帰って寝て、また次の日が来る
ある日、渋谷の交差点を歩いているとき、多くのエネルギー体の中に、あの少女のエネルギー体を感じた。
アリス「どこ? どの子? いっぱい居過ぎてわからない」
あの少女のエネルギー体の感じが無くなった。
アリス「くそー。でもまたチャンスはきっとある
そんなに遠くに住んでいないことがわかったから」
アリスは、時間を止めるメリットを考えていた
なんのために?
アリスには、時間を止めるメリットは無かった
時間を止めても何も世界は変わらないから
アリス「超能力者にはまだ上がいる
上の超能力者はいったいどんな超能力が使えるのだろうか?
知りたい」
アリスは超能力の可能性に興味があった
自分の可能性に
アリス「時が止められるなら
タイムワープ、タイムリープ、タイムトラベルも可能かもしれない
瞬間移動、転移、異次元に行くことも
錬金術も簡単だね
私は何がしたいのだろうか?
世界征服?
世界征服して何か変わるの?
生活がよくなる? 興味ない
偉くなる? 興味ない
お金持ちになる? 興味ない
んーーーーん
ワクワク ドキドキ したいな」
幾日か過ぎて、図書館で本を見つけた
超能力に関する本だが、教科書に書いていないことがあった
学校の教科書に載っている超能力は
テレパシー:他人の思考や感情を読み取る、または意思を伝達する能力。
テレキネシス:意思で物体を動かす能力。
予知能力:未来の出来事を予知する能力。
透視能力:物質の障害物を通して見える能力。
瞬間移動:瞬時に場所を移動する能力。
治癒能力:傷や病気を自己または他者に対して治癒する能力。
気功:気やエネルギーを操作して様々な効果を生み出す能力。
などである
つまり、時間を止める超能力は教えてもらえない
(上級生には時間操作程度の授業はあるけどね)
タイムトラベル系も同様である
アリスはその本を熱心に読んでいた
すると表面上の友達が話し掛けてきた
表目上の友達「何してるの?珍しく本なんか読んで」
アリス「次元廻廊の本を読んでいるの」
表面上の友達「何それ?」
アリス「異なる次元や現実を結ぶ仮想的な通路やポータルのことだよ。異なる次元間を移動するためのゲートや、異なる現実世界を繋いだりできるんだよ」
表面上の友達「そんなのSFやファンタジーの世界の話しじゃない
実際にはありえないわ」
アリスは知っている
時を止める少女がいることを
実際にはありえない
でもアリスは体験してしまった
じゃ、異次元を行き来することもできるに違いない
アリス「わからないわよ
偶然にできちゃうかもよ
私は最近流行りの勇者召喚で能力低くて捨てられた転移者みたいに、知らない世界で自由に暮らしたいな」
表面上の友達「学年トップの成績者の考えてることなんて、私にはわからないわ」
アリスは笑みを浮かべて、熱心に本を読んだ。
結果、次元廻廊の理論は書いてあったが具体的にどうやって発生させるかまでは書いて無かった。
理論的には可能ということらしい。
きっとできる超能力者はいる
その人に聞くしかない
アリスにも希望ができた
それが嬉しかった
また今日も終わる
渋谷の地下広場を歩いていると、また少女のエネルギー体を感じた。
アリス「今度は逃がさないから」
伊達に超能力の授業を受けてはいない
この頃には、追跡能力の使い方をマスターしていた
監視カメラの映像を脳がハッキングして、頭の中で映像化できるようになっていた
アリス「よし捉えた」
ピンクのティーシャツと赤いスカートの派手な子で、とても可愛いかった。
アリス「この子なのね」
年齢は14歳くらいの幼い感じだが、実際に見るとエネルギー体との違和感を覚えた。
アリス「なんだろう? この違和感は?」
後をつけて、代々木公園に向かう途中で見失った
監視カメラの映らない死角で消えていた
突然だった
アリス「もしかして転移したの?」




