02 いつもの学校?
アリスは朝起きて、学校に行く
いつもの学校生活が始まる
アリス「学校。前と何か違う
そうか。会話がない。学生も教師も誰も喋らない。
みんなはテレパスしか使ってないからだ」
ここは超能力の名門校である
すべての生徒が超能力を使えて当たり前の学校なのである
アリス「学校って、
同じレベル、
同じ歳、
同じ貧富、
同じ地域
の子供によって成り立っているよね
子供同士で比べ合うことが日常なんだよね
アイツとコイツの差は何?
優劣をつけたがる大人たちがいるの
先生にも優劣つけるかな?でもそれはないよね。
大人の社会だから
傷つくのはいつも生徒の方」
ここは超能力の世界
生徒同士の優劣も超能力の強さで決まる
アリス「上位成績者は常に超能力が強い生徒である
自分の超能力をいかに上げるかで学校での生活が変わるの
超能力の強さでスクールカーストのピラミッドが決まるの」
ここは超能力の世界
すべての授業は色々な超能力を引き出すために存在する
アリス「超能力別に授業がある
またそこで優劣がつけられる
ひとつひとつの超能力別の優劣がつけられる
すべての超能力の総合値が高い生徒が頂点となれる
頂点に立てば、今後の選択肢も増えてくる
例えば、
行く大学、就職する会社がすべて超能力で決まるの」
アリスは先生に聞いた
アリス「先生。超能力ってそんなに偉いんですか?」
アリス「見えない。見えないの。自分の居場所が
どこ。どこに行けばいいの?自分が行くところはどこ?
探さないと。もう遅いかな。
探しているけど見つからない。
探せない。
自分の存在価値っていったいなんなんだろうか?」
アリス「先生。
ダメな生徒は悪い生徒?
できない生徒はいけないの?」
見えない。見えないの。探すべき目標が見えないの。
アリス「学校って。
学校って、生徒を選別するところでしょ
入った時から選別されてる
出ていく時も選別される
学んでいるときも選別される
学校。学校って何?なんのために存在するの?
聞こえない。聞こえないのよその答えが
見えない。見えないのよなんのために学校があるのか」
アリス「前は、私にとって学校はそういう場所だったの
そんな私が超能力でトップ
学校の成績がトップ
先生も生徒からも羨望される
スクールカーストでトップ
私は何も変わらないのに
変わってないのに
国語、英語、数学、社会、理科
どの成績も変わらない
自分の性格も変わらない
前までスクールカーストでワーストだった
どん底にいる気持ちを知っているの。私
前と今は何が違うの?
ここは超能力の世界だから?
ただそれだけしか変わっていないのに
それだけで判断されてしまうの?すべてが?
学校。学校って、そういうところよね
私は学校が嫌い
前も今も学校が嫌い
学校ってそういうところって知っているから」
この世界は超能力の世界
今までの学校の生活を走馬燈のように読み返す
アリス「見えない。聞こえない。感じない。
私には諦めしかないから」
アリス「超能力で学校を吹っ飛ばしてみようかな?
今の私はそれほどの超能力を持っているの
評価されるのだろうか?
批判されるのだろうか?
ここは超能力絶対の世界だからどうなるかしら?」
見えない。聞こえない。感じない
私にはわからない
アリス「誰か。誰か教えて欲しい
先生って教えてくれる人じゃないの?
なぜ? なぜ先生は教えてくれないの?
先生ってそういう人だよね」
アリス「私にも親友がいたのよね
小さな頃から遊んでいた親友がいたの
今のクラスにその子はいるけど、
今はもう親友ではないの
親友ってなに?
自分で思っていただけだったの?
すべてが私の思い違いだったの?
学校。私にとって学校ってそういうところだった」
アリス「夕日が校舎を包む前に、みんな帰宅するの
私は家では学校の話しはしないの
家の空間は、学校とは切り離れた別な空間だから
私にとって学校だけが特別な空間なの
転生しても変わらなかった。
学校への思いは変わらない
学校。学校ってどういうところなの?」
何度も何度も聞き返すけど
答えは見えないの。
答えは聞こえないの。
もう何も感じないの。
夜、遅い時間
アリス「寝たら何か変わるかな?
寝て起きたら、世界は変わっていないかな?
でも、朝起きても何も変わっていないの」
アリスは朝起きると、また学校に行く