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研究成果を見る弟

「…………………………」




「………………どうだ?」




ども、ルークだ。


兄の自由研究の一週間が終え、今それを俺に見せている。


さて、研究成果のことだが、このノートに書いてあるものに俺の開いた口が塞がらない。




何故なら――




「まとめると……火は送り込んだ空気を燃やすのだ。」




「兄上よ、蝋燭の火とかどう説明するんだ?吹いたら直ぐ消えるんだぞ。」




「うーむ、それについてはこう考えてある。火が空気を燃やしてるのならば、空気のない場所では燃えないのではないか?と思ってな。ステファンからグラスと使い込まれて小さくなった蝋燭を借りたのだ。」


 


「うん、それで?」




「それで火の付いた蝋燭をグラスで蓋したらどうなったと思う?火が消えたのだ!それで思い至ったのだ。火は空気無しでは燃え上がらぬと!」




そんな実験もしてたのか……


興奮気味に説明する兄がちょっと怖い。


正しくは酸素がないと燃えないだけど……ま、いいか。




「なので蝋燭の火が吹いて消えるのは風の押す力による、火そのものを飛ばしているのではないか?と考えている。」




「おっ…………おお…………」


「どうだ?」




どうだ?と言われてもここで正解を言ったら「どこでそんな知識を?」って聞かれそうだし、説明するのめんどくさい。


正しくは燃えるための蝋が吹き飛ぶと急な温度低下で蝋が気体に変化しにくくなるためだ。




「じゃあ、訓練所に行くか。」




「む、反応は無いのか?」




「無いも何も…兄上の魔法のための想像力を上げさせる研究なんだから、魔法でそれ示さないと……」




「それでも何かあるだろう?」




拗ねた顔までしてなんなんだ?




「良く出来てると思うよ。うん、良く頑張ったと思う。」




気になる点はあるけど中世時代の世界で生きる人間に全てを説明して見せろ!なんてのは傲慢だし、寧ろ誉めるべきだ。


そう思うと、うちのお兄ちゃんは天才なのだろうか?と思えてくる。




「ふふ……そうか!」




兄上にそう言ったら元気良く書庫から出て行った。


…………本当どうしたんだいったい?





◇ ◇ ◇






さて、訓練所に来たわけだが……周りに人がいないな。


今は昼間過ぎてちょっとだから、この時間帯だと騎士たちも屋敷周りの見回りかな?




「さて兄上よ、魔法についてだが俺は何も教えられないぞ。本で知っていても経験したわけではないからな。」




前世も含めてな。




「うむ、そこは良い。6歳の貴様が魔力とはなにか知らないのは当然だ。この際、貴様も俺の魔法を観察して『自由研究』するといい。」




自由研究ってワード気に入ってるのか?




「そうさせて貰おうかな。」




「うむ…………………………」




なんだ?人をジッと見て……




「…………近いぞ。危ないから離れてろ。」




「おっと、すまん。」




俺は12歩ぐらい離れる。


そして兄上は離れた的の前で集中し始めた。




「……行ゆくぞ!…………炎よっ!そして風よっ!」




おお……この歳で詠唱破棄。


うちのお兄ちゃん、マジで天才なのかもしれん。




「っく!…………っつ!くくっ!」




顔がやり辛そうにしている。


火の玉ファイヤーボールを丸めようとしてるがちょこちょこ形が崩れたり、球体に戻ったりしている。




「…………くっ!……うわ!」




ドガン!




っ!!!


魔法が爆発して兄上が吹っ飛んだ!




「兄上!」




俺は急いで吹っ飛んだところに駆けていった。




「無事か!?」




「…………っつつ……ああ、何ともない。」


「まだやるか?」


「うむ、もう一回やれば出来そうだ。」


「分かった。」




少々かすり傷あるがまだやるらしい。相変わらずだ。


俺は改めて離れる。


兄上も離れた的と再び対峙する。




「………………ふぅ。行ゆくぞ!……火よっ!そして風よっ!!」




再び魔法を発動する兄




「っく!.....くくっ!………………き!」




まだまだ大変そうな顔している兄上。


だが、火の玉も形が少々歪だが一回目より球体に見える。




「ウオオオオ!!!火の玉ファイヤーボールウウゥゥゥ!!!」




火が完全な球体になった…………あれ?あの感じ圧縮されてるような…………まさか!




「待て兄上ェ!」


「いけぇええ!!!!」




ドギャアアアンンッ!!!!




うわああ!!!


やっぱりあれは空気の膜作って、中の炎を無理やり圧縮していたんだ!


中の炎も大量の魔法で生み出された酸素を燃やしながら乱回転してるから明るいオレンジ色のシャボン玉の見た目になってたんだ!




魔法耐性のあるはずの的が消えて、爆心地だけが残ってる!


マズいマズいマズい!!!




「……な!……なっ!?」




兄上も何が起こったか分からなくて戸惑ってる!




「ル、ルーク?」


「………………」




逃げる!




「なっ!?待て貴様ァ!!!」


「うわ!足はっや!?」




こいつ!あんなに離れてるのに一瞬で詰めたのか!?




「ええい、HA☆NA☆SE!!!」


「誰が離すか!貴様がこれを教えたのだから貴様も同罪だ!!逃げるな!!」


「俺の嫌いな言葉は連帯責任だあああ!」


「黙れ!絶対に離さぬぞおおお!!」




「何ですか!今の爆発音は!?ってアッシュ坊ちゃま!?それとルーク坊ちゃま!?」




「「セッテ!?!?」」




その日は兄弟仲良く叱られたのであった。




私わたくし、ルークからの一言。




魔法の訓練は大人と同行して行って下さい。




地獄見ますので。




まる………………



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