忘れられない物語
ねぇねぇおばあちゃん、なにかお話して?
いいよ、お膝にいらっしゃい
少女はその膝に座った。
これはね、遠い遠い昔の物語で忘れてはいけないものなんだよ
かつて私達は魔法を使ったような文明を築いていました。ですが、人々は仲良くする訳でもなく、いつも争いばかりしていました。肌の色が違うから。隣りの国を自分たちのものにしたいから。そんなくだらない理由で人々は争い、世界を巻き込む争いが3度起こりました。3度目の争いが起こった時、人々ある恐ろしいものを使ってしまったのです。それはそこにいるすべての生き物をころしてしまうようなもので、世界の人は3分の1になり、多くの緑を無くしてしまいました。
わーこわい!その人たちっておばかさんね!
ふふ、そうだね。とんだおばかさんだ。
それでもその人たちは争いをやめようとせず、その小さい土地を自分のものにしようと争い始めようとしました。それを見ていた神様はもう我慢できないと、人の前に現れ、人々の中からその恐ろしいものなどの人を傷つけるものやその心、魔法を使ったような文明を取り上げて封じてしまいました。もう、話し合いでやめてもらうのは無理だと思ったのです。
だから、あなたも人を傷つけようとは思わないでしょう?
うん、人を傷つけるなんておばかさんがやることだもの!私とってもいい子なんだから!
ああ、とってもいい子だ。私の自慢の子だよ。
それから神様はなくなってしまった緑を戻し、独特な生態系を作り上げて、帰っていきました。それから人はその環境に馴染みながら、そのおばかな歴史を忘れぬようにと物語や歌にして残したんだよ。
へー!面白かった〜!それじゃあ、私も妹にそのお話してあげるね!
ああ、話してあげて。忘れてしまったらいつでもここにいらっしゃいな。
そこには巨大な木の根に座っている少女の姿があった。