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エクジステンス  作者: さやき
第一章
4/12

僕の力

  翔

 秋間さんからもらったサンドウィッチを食べ終わった。

「今から俺たちの上司に会いに行く。これに着替えろ。」

 秋間さんから渡された服(白いワイシャツ、黒いパンツ、黒いベストと紺色のネクタイ)を持って近くの公衆トイレで着替えた。

「あの…ネクタイの締め方教えてくれますか…」着替えて秋間さんと拓也さんに聞いた。

 ネクタイの締め方が分からず、とりあえず感覚でやったが、間違っていることは一目見ればわかる。

 拓也さんが軽く笑いながら「今教えてあげる。」と言って締め直しながら教えてくれた。

「よし、完璧!」自信満々の笑みを浮かべながら拓也さんが言った。

 そして、秋間さんを先頭に特殊能力課の拠点に向かった。

「あの…ここから警視庁に行くためには電車を乗らないといけないですよね。僕お金も何もないし、どうすればいいでしょう。」横を歩いていた拓也さんに聞いた。

「ああ、それなら心配いらないよ。俺たちは警視庁を拠点にしてないから。」

「えっ、そうなんですか!なんでですか?」警視庁に向かっていると思っていた僕は不思議に思って聞いた。

「俺たちが担当する悪い子たちは俺たちを襲撃することが大好きだからさ。」笑いながら拓也さんが言った。

「襲撃⁈」

「大したことないさ。大体はすぐに逮捕されるから。」

「そうなんですか…あの、話が変わるのですか、特殊能力課はどのようなところなんですか。」

「そうだねー。まず、それほど警察っぽくないというか、めっちゃ緩い。あと人数は君で八人目。」

「少ないですね。」

「だけど、みんな強いから全然問題ないけどね。」

「そんなところに何もできない僕が入っていいのでしょうか…」

「敏美さんがいいって言ってるから大丈夫でしょ。敏美さんが知らない情報はほぼないからね。つまり、多分君の力はうちの主戦力になりえる力だよ。」

 敏美さん、たぶん秋間さんと拓也さんの上司だろう。

「そうですか…だけど、僕でも自分の力の詳細をわからないのに、これからどう使えるようになるんでしょうか。」

「言ったでしょ、敏美さんが知らない情報はない。君の能力の詳細も敏美さんが知ってると思うよ。着いたよ。」

 そう言って、秋間さんと拓也さんが立ち止まった。目の前には暗い路地があり、右には一軒家、左には煉瓦造りの建物があった。暗い路地を入って、左側の煉瓦造りの建物に入っていった。

「ただいま戻りましたー。」ドアを開けながら拓也さんが言った。

 ドアの周りは事務所のようだ。奥に部屋がもう一つあるようで、左側の隅にはドアがある。右側の奥にもドアがあった。部屋の中には男性が二人、そして女性が一人いた。秋間さんは女性の方へ行って何か話し始めた。

 秋間さんと女性が話し終わったら、その女の人は僕をみた。僕は何をすればいいか分からず、ただ立っていた。

「翔くんだね。ちょっと着いてきてちょうだい。」その女の人が言った。

 僕は頷いて、女の人についていった。応接室のような場所に連れて行かれた。女の人は僕に奥のソファーに座るように仕草し、近い方のソファーに座った。

「私は月見敏美、ここの責任者だ。」

 月見さんは責任者にしてはすごく若かった。まだ20代か30代前半ぐらいだ。黒髪のボブで、色白だ。

「私はね、人のあらゆる情報が視界に文字化して現れる特殊能力を持っているんだ。この特殊能力課は確かに強いが、人手不足でね、この仕事に向いてる人を探してたら君を見つけたんだ。」月見さんが言った。

「君はさっき初めて特殊能力を発動させたと聞いた。君は自分の特殊能力の詳細を知りたいんだって?」

「はい。」僕は答えた。

「君の特殊能力は、他の特殊能力をコピーすることができるものだよ。」

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