ゼミメンバー集結
「失礼します」
暫くして研究室に講義を終えた那彩が戻ってきた。
「やあ那彩さん、もう講義は終わったのかい?」
「はい。今日の講義は全て終わりました」
「良かった。これで皆揃ったね……一応最後にきた那彩さんを紹介しておくよ。彼女は医学部の御面那彩さん。丁嵐君と同じく中学生からの飛び級だよ。お父さんは何と未来党の御面誠也さんなんだ」
「あ~、なる~。だからセンセが名前で呼ぶんだね。アタシは3年の目茶川瑛奈! 気楽にエーナちゃんって呼んでね。ナーヤちゃん、よろしくぅ!」
「オ、オレは脳機工学科の丁嵐友親です。那彩殿とは同い年になるので、どうぞよろしくお願いします」
「瑛奈さんに友親さんですね。こちらこそよろしくお願いします」
こうして研究室に大君、宙光、那彩、瑛奈、友親の5人が集合した。
「宙光、もしかしてゼミメンバーってこれだけか?」
「ウチは少数精鋭なんだ」
「な~んて言って、殆どのメンバーをFHFに吸い上げられちゃって泣いてたよねセンセ」
「そうなんだよ! 確かにお爺ちゃん復活に必要な研究を手伝ってくれた超優秀な人材揃いだったんだけどさ~……優秀過ぎるメンバーも考えものだよね」
「そそ。むしろそれじゃあ残されたアタシは何なのって感じ。たはは~」
「目茶川さんはお爺ちゃんのカウンセリングにどうしても必要だったんだ」
「たっは~! 君が必要とかキタコレ。オウフ、トモチーの口調が移ったでござるよ」
「エーナさん、オレもうそういうのホント止めるんで。勘弁してくださいよ」
「知ってる? 人の口調が移るのって、その人への好意の表れなんだよトモチー?」
「え!? さ、左様でござるか?」
「ででで、でたーーーーー!!」
瑛奈は腹を抱えて笑い出した。
「えっと、友親さんに、瑛奈さん。仲が良いんですね」
「たはは~、ま~ね~。でぇも~、ホントに良い仲なのは~……」
瑛奈は溜めを作ってから一気に大君を引き寄せて抱きしめた。
「やっぱヒー君っしょ!」
「「えっ!?」」
那彩と友親が驚きの声を上げた。
「ち、違うんだ那彩ちゃん、これは……」
「え? ヒー君もしかして、彼女できたってナーヤちゃんのことだったの!?」
バッと勢い良く大君から飛び退く瑛奈。
「ナーヤちゃんゴメン! 知らなかったの! 冗談! 今のは冗談だからね?」
「そ、そうですよね……いくら何でも、付き合ってまだホンの数時間で浮気とか、流石にある訳ないですし……」
「「う……」」
「オウフ。いわゆる良いとこのお嬢様キタコレですな」
「なになに? お爺ちゃんと那彩さん、もう付き合うなんて話になってるの?」
「違うんです宙光さん。これには訳があって、実は仮のお付き合いなんです」
「なぁんだ~! じゃあやっぱアタシとヒー君が仲良くしてもオッケー、みたいな?」
「え……もしやエーナさん、本当に大君殿のことを……?」
「うんっ! アタシ、ヒー君メッチャ好き!」
「えっ! だ、だ、駄目です瑛奈さん。仮とは言え、今は私の彼氏なんですから」
「え~、いいじゃん仮なら~。アタシにちょ~だいよ~」
「いくら先輩でも、それは駄目です」
「おいおい、俺は物じゃな……物だった」
「これは混沌のカオスでござる」
やんややんやと研究室は大いに賑わった。
「君たち……発足直後にゼミを崩壊させないでおくれよ……?」
ゼミメンバーの盛り上がりに反比例し宙光の顔は徐々に引き攣っていった。






