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⑭学園寮



 レイモンドに連れられて、俺たちは寮棟に到着した。


 ニナ先生が居ない事で、こんなに心細くなるとは...


「さあ着いたわっ。ここが、この学園の寮よっ!」


 その説明を聞きつつ、俺たちは建物を見上げた。



 すごいでかいな。おそらく八階まであるだろう建物が二棟横に並び、その二階までが一体化している。


「じゃあかわい子ちゃん達っ、中に入るからついてらっしゃい!」


 その掛け声に、仕方なくついていった。できることならついていきたくない。おそらく皆同じ気持ちだろう。しかしそんな気持ちも、寮の中に入ったら吹き飛んでしまった。


「「「「おおっ...」」」」


 思わずみんなが感嘆の声を漏らすほど、中の作りは素晴らしかった。


 いかにも高級な調度品がふんだんに飾られており、ふかふかの絨毯が敷き詰められた床は踏み心地が堪らない。向かって左側のカウンターらしき場所では、この寮の管理人らしき人が笑顔でこっちを見ている。美しいロビーを明るく上品に照らしているのは、天井に吊るされている、豪華なシャンデリアだ。


「すごいでしょ。王都にしかないランクAホテル相当のつくりをしているのよっ!」


 そう言いながらレイモンドは、服の上からでもわかるほどバキバキの筋肉がついた胸を張っている。


「すげ〜!」


「Aランクのホテルで暮らせるって事!?」


「サイコーなんだけどっ!」


 これからの学園生活を、ここで暮らすことができると分かり、みんな大喜びだ。ま、ここもバカみたいに高い学費を考えれば、当然の作りだろう。


「は〜いっ、みんなその辺で黙らっしゃいっ!寮について説明していくわよっ。」


 そこからは普通に説明が行われた。レイモンドは見た目に反して仕事はしっかり行うタイプのようだ。


 男女で居住場所を分けるために、寮は二棟に分かれている。


「門限は夜の十二時よっ。破ったらアタシが直々に仕置きしてア・ゲ・ルッ!」



 ...背筋が凍りそうだ。きっと誰も門限を破ることはないだろう。ある意味最強の寮長だな。そして門限があっても、寮棟の中には色々な設備がある為、さほど不自由ではないだろう。


 他にはマナー等々の説明が行われ、最後に部屋の鍵をもらった。


「ちなみに、アタシの部屋は201号室よっ。何か悩みとかがあればいつでも気軽に訪ねてらっしゃいっ。」


 レイモンドが最後にそう言って、解散となった。訪ねる人、いるんだろうか。


「アンタ部屋、何号室なの?」


 アイナは、いつも急に話しかけてくるな。


「やあアイナ。僕は705号室だよ。」


「そ。じゃあまた明日。」


 そう言って彼女は帰って行った。



 なんだったんだ...


 まあ気にしても仕方ないか。とりあえず俺も部屋に帰ろう。


 七階を目指し、階段を昇った。

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