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#8 ()ラストピーズ




 「みんな、BB3に3人いたよ。とりあえず一か所に集まろうと思って連れてきた。」


階段を下りながら名前を聞いて、青髪の女性がダン、俺たちをナイフで遮った男が蘭、そしてもう一人一緒にいた男がシュウということがわかった。



三人を率いる様に指示を出していた蘭はBB4にいた8人を見てとても驚いた顔を見せた。


そして蘭は俺に尋ねた。



 「下にいる人を合わせて12人と言ってなかったか?一人足りない」



「それは…」



 「BB5、ここの一個下に僕たちの…というか黒の上司がいる。もっとも、力のセーブができないって人とかかわることを拒んでいるけどね」


流星が続けた。



 「僕と一緒なんだ。まぁ気持ちもわからなくもないけど。こっちに引き入れなくていいのか、黒。」



ベルさんが俺に尋ねた。



「とりあえず、BB1を見てきます。行こう流星」



あそこまで力強く拒んできたグレイ隊長を今の段階でこちらに引き入れられる自信がなかった。



俺と流星は階段の方向へ引き返し、BB1へ向かった。



さっき、蘭に出会いがしらで殺されかけたからか、道中俺たちが話すことはなかった。


フロアの入り口まで来てナイフが飛び出てこないことを確認して、俺と流星は目を合わせフロアを覗いた。




「…ここもか」



まっさらにされたフロア、転がっている木材と鉄の格子。


このフロアにもパワー系の力を発現した人がいるのか、いたのか。




 「黒、あそこに人いるぞ」



フロアの中央に二人、倒れている人がいる。

俺と同じ年位の女性と、年下っぽい男の子。



 「生きてるのか…?」



俺と流星はゆっくり近づいた。




「息は?」



流星がかがみ、女性に顔を寄せた。



 「わぁっ!」



すると横たわっていた女性はあっという間に体勢を変え、流星の上にまたがった。



 「お前ら誰だ。」



この人、眠っていたんじゃないのか?



 「歩いてくる気配がしたから待ち伏せたんだ。さっきから突然人の気配が増えた。何をしてる。」



「ちょっと…!」



 「お前ら誰だって聞いてる。」



女性は器用にナイフを30センチほどだし流星の首に近づける。



 

 「僕たちも、ここに囚われている者だ。」


 「じゃあチョーカーは」


 「それが僕にもわからないんだ。そっちを見てみろ」



殺気に満ちた目で女性が俺の方を見た。


今にも流星の首に刃が当たりそうだった。


おそらく、ここにいる誰よりも強い。


何か、この人を信じさせることは…




「何の証明になるかわからないけど…」





一旦腕の力を抜いてからぐっと集中した。




…きた。



右腕を振り下ろした。



女性は俺の右腕から出たナイフを見ていた。




 「お前もあの白い煙の」


「あぁ、ちなみにお前の下にいるそいつはあの煙を吸ってから今日まで一度も起きてこなかったんだ。俺たちとは違う何かの力があるんじゃないかな」




―――――「凛奈ちゃん!なにやってるの!」




声の方を見るとさっきの青髪の女性、ダンが一二三さんと蘭と一緒に上がってきていた。




 「ダン?」


 「その人は大丈夫だよ。下に仲間もいっぱいだよ」


 「仲間って」




一二三さんが続けた。



 「蘭が黒と流星以外の音がしたっていうから3人で来たんだよ。」


「音で?」



蘭たちがいたBB4からは3階分の距離がある。そんな音が聞こえるのか。



 「凛奈ちゃん、その人から降りてあげな」


 「…でも」


 「大丈夫だよ」



さっきまで流星のことを殺してしまいそうな雰囲気まであったその人は流星からおりた。


ダンは凛奈と呼んでいるその女性に抱き着いた。



 「凛奈ちゃん生きてたんだね。よかった。まぁ凛奈ちゃんに限って死なないか!」



解放された流星は一息ついて隣の男の子の息を確認する。



 「大丈夫、眠っているだけだ。」



 「そしたらいったん降りよう。みんな心配する。その子は僕が担いでいくよ」



階段は上に続いてはいない。ここが最上階だ。



これで二人増えて、グレイ隊長を入れて17人。さすがにこれで全員なのだろう。




閉じ込められ、人以上の能力を植え付けられた俺たちに、これから何が待っているのだろうか。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 物語が、閉じ込められた場面から始まり展開していくのは臨場感がありますね。 続々と人が集まってきて、これからどうなるのか楽しみです! ナイフが身体から現れるという発想も面白いですね。 […
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