#6 合流
―――――「君たちは?」
階段の方から声が聞こえた。男性が二人と女性が一人、そして少年が一人。
「黒さんじゃないっすかーーー!」
その少年は俺をめがけて走ってきた。
「黒、知り合いか?」
「誰だっけ?」
「ひどいなぁ、烈でっすよ。佐藤烈。国境警察訓練生でっす。北西支部に3日だけ実地研修に行ったときにお会いしたっすよ。」
片方の男の人が僕たちに聞く
「君たちはどこにいたんだ。上の階から音がして僕たちは上がってきたんだけど」
「俺たち隣の棟から来たんです。」
「そうか、僕は天野一二三。ニューリドルの人間だ。君たちは烈と同郷なんだね。」
「そうです。俺と、こっちの流星はニューダイブの出身で」
「私もよ」
一緒にいた女の人が口を開いた。
「それは、内部警察の制服ですか?」
「そう、有綺ベイカー」
有綺さんは手を差し出し、俺たちと握手をした。
「そういえば、お前も警官なら制服は?」
流星は警官の制服を着ていなかった。
「僕、ちょうど非番の日だったんだよ。寮が襲われたんだ。」
「俺もいいかな」
一二三さんの隣の男が話始める。
「カーゴ・ベルだ。」
流星が手を差し出すとベルはひょいっと腕を遠ざけた。
「すまないね、あのへんな煙のせいで力のコントロールができなくて、訳も分からないくらい強い力が出てしまうことがあるんだ。だから人に触るのが今は怖くて」
…グレイ隊長と同じだ。
「…話をしなくちゃいけないことはたくさんあるんですけど、とりあえず隣の棟で待ってもらってる人がいるのである程度人がそろったら情報を共有しましょう」
流星が話始める。
「この棟の下の階にはもう人はいないですか?」
「あぁ、ベルと烈は一個下の階から、俺と有綺さんはもう一個下の階から上がってきたんだけどこの建物自体はさらにもう一つ下の階があるんだけどそこはここみたいにがれきの山で人がいる気配はなかった。」
一二三さんのそのセリフで、僕、流星に加えてケイ・リブそしてベルさん、烈、一二三さん、有綺さんの8人は瑛愛さんと朱里が待つBB4に向かった。
向かっている途中後から合流した一二三さんたちのチョーカーを見るとABから始まる4桁の英数字が描かれていた。
あの棟はA棟だ。
8人の中でチョーカーをしていないのはリブと流星だけ。白い煙を吸ってから深い眠りについてしまうという共通点。いったいどういう事なのだろうか。