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#4 解読



グレイ隊長を後にして、俺と流星と朱里は上の階に上がった。


そこはまだ壁や格子が保たれていた。


ゆっくり足を進めると、女性の声がした。



 「誰かいるの?」



俺たちはその声の元に向かう。




端から5番目の牢の中にいたのは俺らより年上に見える女性。



俺たちは格子をあけた。



 「もう出ても大丈夫です。僕たちもさっき出てきて、この辺を移動しても何もないことは確認してるので。ここが開くってことはあなたも大丈夫です」


 「あなたたち名前は?」


「粟田黒です」


 「響流星だ」


 「島原朱里」


「黒、流星、朱里ね。私はルイス瑛愛。」




女性の右手も血で汚れている。白い煙でナイフが発現した人だ。首にチョーカーもついている。



女性は朱里に目線を合わせた。



 「君もこの建物に閉じ込められてたの?」


 「うん」



女性はふと、朱里のチョーカーに手を当てた。



 「これ、認識番号が付いてる。自分のは見れないから初めて気づいた」



俺たちも朱里のそれを見る。



「BB58?」


流星が聞く、


 「俺のは?」


流星のチョーカーを見ると「BB64」と書いてある。

お互い確認して俺が「BB65」、瑛愛さんが「BB47」であることがわかった。



 「これ、なにか規則的な番号ね」



すると、流星がふとこのフロアの牢の数を数え始めた。




「なにかわかったのか?」



 「確証はないけど。最後の一桁は端の階段から数えた部屋の番号だ。瑛愛さんは7番目。朱里は部屋がすでに崩壊してたからわからないけど、僕と黒が連番なのもつじつまが合う。」



「なるほど」



さすが入隊試験トップ生だと思った。


 「あと、下二桁目の数字はおそらく階数かな。同じフロアにいた俺たちが同じ数字。一つ階段を上がるごとに数字が一つ減る。それを踏まえると2文字目のBは」



「…地下?」


 「おそらくな。B6、B5、B4…と続いてるならきっとB1まであるぞ。」


 「もしかして一文字目のBは棟の番号?」


「だとしたらA棟やC棟があるってことか。」


 「可能性はあるな。」



瑛愛さんは俺たちに聞いた。


 「B6、B5には他に人はいないの?」


「…下の階に一人いる。ただ、連れてこれなかった」


 「とりあえず俺たちだけでこの建物の全貌を掴もうと思って」



もう一つ、と流星が瑛愛さんに聞いた。


 「こっち側の壁、他の所と雰囲気がちがうんですけどなんだかわかりますか?」



流星が指をさしたのは階段がある端の反対側の壁。

たしかに俺たちがいたフロアと違って扉のような作りになっている。


 「普通に監視する人の出入り口だと思うよ。いつも監視の人はそっち側からくる。」


 「どうする黒。行くか」


「A棟への入り口か…」


 「それかC棟かもな」




思わずため息を吐く。

ダンジョンのような建物のような構造に嫌気がさした。そもそもこの建物と俺たちが囚われている理由はなんだ?



 「瑛愛さん、朱里を頼む。俺と黒で隣を見てくる」


流星が俺のことを見た。


「分かってる行くよ」


 「そう来なくちゃ、じゃあいこう。瑛愛さんなにかあっても大丈夫だよね?」


流星の問いかけに瑛愛さんがふっと笑った。



 「私これでもニューリドルでメッセンジャーやってたの。お姉さんをなめないで」


「メッセンジャー?」


 「もしかしてあなたたちリドルの人じゃないの?たしかに見たことない制服ではあるけど」


 「僕たちニューダイブの出身で」


 「ニューダイブも被害に遭ってたのね。知らなかった。まぁこっちは任せなさい。」


心強い仲間を後に俺たちは未知のA棟?C棟?に向かって行った。





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