箱舟 成の始まらなかった奇蹟03
まだ異世界に行く前の話は続きます
異世界に行く前の話をある程度した方がこっちの
世界にも愛着をもってもらえるかなと思ってます
中学3年生の冬、つまり受験シーズンの追い込み時期ラストスパート
おれ箱舟 成も例に漏れず高校受験のため受験勉強をしている受験生である
普段からダラダラしているおれだが、ここで手を抜くと家から遠い高校に行く事になるかも
知れないから、家から近い高校に受かるためにも今日も勉強だ....
「正直だるい......。」
おれは逃げる事にした
来週から冬休みに入るし、それまではちょっと休んでも良いかな?
と個人的には思い始めてしまった....冬休みからまたやれば問題ないんじゃない?
冬休み最高かよ(唐突)
これは別に勉強が面倒臭いとかではなく、純粋にそう純粋に
いくら受験生でも毎日毎日勉強なんて詰め込み過ぎるのは良くない偶には息抜きもしないと
人はパンクしてしまうと最近アニメで見たので問題ないし、実際なんか聞いた事あるフレーズ
なので何か大丈夫な気がしてきた
「よし、今日はラノベ読むかぁ」
「いや、なる君なに言ってるの?」
みんなは、どんなスタイルで本を読むだろう
好きな曲を流しながらか?それともアニメを見ながらだろうか?
まぁみんな各々集中して読むスタイルがある事だろう
みんな違って良い、別に正解は無いしね
おれ?おれは無音の中で読むのが好きだ、光量もあまりいらない
ぼんやり明るく静かな中でゆっくり読むのが良い
「もしも~し!」
何か明る過ぎたり、音がすると集中出来ないんだよね
集中力が無いだけかもしれないが、一度集中してしまえば割と問題ない
「なる君!]
てか、周りの事とかマジで分からなくレベルで集中出来るのは個人的には凄いと思ってる
こうぼんやり明るく静かな中で一人黙々と好きな事をすのが良いんだよな...
家に居るのが好きな人は分かってくれると思う、分からない奴は家好きじゃない(偏見)
「お~い、なる君」
「駄目だ、顔が死んでる...」
うん?おぉ居たのか、てか
「失礼な奴だなぁ」
「でも、事実だよ?だんだん顔が死んでいってた」
こいつ、なんて失礼な奴なんだ
「違うぞ桜花」
「うん?何が?」
まったく、こいつときたらもう結構長い付き合いなのに
おれの事を全く分かってないとは嘆かわしい、おれは悲しいよ
「別に顔は死んでいってない」
「そうかな?」
「あぁ、これがデフォルトだからな」
「.....まぁ、そうだね」
こいつも理解してくれたようだな関心関心
「と、とりあえず帰ろうかなる君」
「うん?もうそんな時間か?」
「...なる君、後半ずっとぼけ~っとしてるだけだったもんね」
「ぼけ~っとしながら考え事してたんだ」
「否定しないんだ....」
もう、そんなに時間が経っていたとは気付かなかったな誰か教えてくれてもよかったのに
まぁそんな友達いないが
「じゃあ、帰るかぁ」
「うん、帰ろ」
「桜花、友達と帰らなかったのか?」
「帰ろうとしたんだけど、なる君微動だにしないでずっと座ってるから気になってね」
おれがぼーっとしてるのなんか何時もの事なのに何て良い奴なんだ.....
「この受験で大変な時期に何もしないで何してるのかな~と思いましてね」
うん?
「気になって近づいて見ても、ぼけ~っとしてるしね」
「それで、何か言ったと思ったら」
うん?うん??
「ラノベ読むとか言ってるの、なる君?」
「.....はい」
「帰ろっか」
「はい........」
厳しい桜花さんマジ厳しい、このおれに凄い圧力を掛けてきている女の子は、何を隠そう
おれ箱舟 成の幼馴染の十山 桜花さんである、おれより少し年上だ桜花は4月生まれで、おれが12月生まれであるから年上だけど同じ学年だ
少し流した前髪に、少し長めのお下げの髪型で地毛の茶髪
幼馴染のおれから見ても可愛らしく大人しそうな顔立ち、背は確か150センチちょい位だった気がする
そんな細かいところまで分かる訳ない、大体だこんなの、発育は良い方だったと思う我が妹が言っていたので確かな情報だろうアイツ凄い顔してたし、着痩せしてる感じだと思う制服だと体系分からんよ
まぁ将来は可愛い系美人にでもなるのだろう
うん、幼馴染として期待しておこう
まぁそんな桜花さんに圧力を掛けられながら
おれはただ桜花さんに付いて行く、連行される犯罪者の如くただ付いて行く
今のおれの背中哀愁感凄いと思う
ここから始まる
おれが描くはずだった奇蹟
箱舟 成の始まらなかった奇蹟
その物語