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MOROHA『MOROHA Ⅳ』(2019年)

●MOROHAの音楽は苦手だけど大好きだという感情、そして僕は泣いた


MOROHAを聴き、心たぎらせ、夢に燃えていた時もあったけれど、今聴いてみると、息苦しさを先に覚えてしまって…。MOROHAは自身にとんでもない量の努力を課しているでしょう? 僕もMOROHAみたくありたいと努力を自分に義務付けなければいけない気分になってしまって…。


僕も頑張れる人になりたかった。だが、頑張り過ぎたら精神を病んでしまった。一回目の入院は受験勉強を頑張っていた時、二回目の入院はバンドを掛け持ちして頑張っていた時…。夢に燃えていた時期もあったのだけど、今の僕は燃えカスです。MOROHAは大好きなんだけど、聴くと辛くなってしまう。頑張りたいのに頑張れない自分…。


この感情のせいで、MOROHAの新譜を聴きたいのにしばらく聴けていなかった。


頑張る姿を人に見せる曲の負の側面だと思う。僕が好きな神聖かまってちゃんやセカオワやうみのてやふくろうずは、頑張っている感が曲に出ていない。本人たちは頑張っているのだけれども、曲にはその感じがないと思います。まあ、神聖かまってちゃんには苦しんでいる感が曲に出ているのだけど、MOROHAの頑張っている感と違って、そこは共感できるんだよね。


そんな感じで5月29日に新譜がリリースされても、今日まで聴いていなかったのだ。そして今日、僕はMOROHAの新譜が気になるという感情を抑えきれなくなり、新譜を聴いてみたんだ。


そして、僕は感動のあまりに泣いてしまった。


エモーションを直に伝えてくるようなUKのアコギの音色。前作からのアコギで鳴らすパーカッションは#1「ストロンガー」において更に進化している。


変わらず頑張っているアフロのラップ。その歌心はリスナーに情景を伝えてくる。本作は故郷と上京にフォーカスを当ててラップしているが、子供の頃から住所を転々として故郷を持たず、大人になる頃には関東圏に住んでいたために上京したこともない僕にも、刺さる真心の音楽。


ラストの曲「五文銭」の軟派な私小説ソングを退けるようなこの凄み。アフロとUKのライフストーリーと生き様が魂の判を押すように刻まれている。‬


本作はユニバーサルからのメジャーデビュー作品であり、売れるための決意や意欲が伝わってくる。最終的にMOROHAが言っていることは、売れるために頑張るということなのだが、家族や元カノに向けた愛情もひしひしと伝わってくる。


特に、#5「拝啓、MCアフロ様」に感激した。元カノの愛のあるセリフ、それをラップするアフロの感情のこめ方。バンドマンになって売れるという僕の夢は叶わなかったけれども、アフロとUKの夢は叶ってほしいと心の底の底から願っている。夢へ向けた頑張りを歌うMOROHAよりも、身近な人への愛を歌うMOROHAが好きなので、本当に売れてほしい。


Score 8.0/10.0

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