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平成ベストアルバム 10位~1位(邦楽)

前回に引き続き、今回は10位から1位までカウントダウン!


【10位】 フジファブリック『CHRONICLE』(2009年)

スウェーデンで録音したスウェーデン趣味の音が優しく丸っこく響く。ステレオタイプのロック的な潔さとは真逆の優柔不断な精神性が曲をドライブさせていて、それがロックとしては珍しい。志村さんは一曲の中で答えを出さずに、ただ悩める自分自身を描いている。志村さんの実存が最も感じられる彼の遺作です。


【9位】SEKAI NO OWARI『EYE』(2019年)

聴けば聴くほどに、そのディープさに泥沼のようにハマっていく一枚。打ち込みとバンドサウンドのバランスがとても現在的に感じる。鋭い狂気と音楽への深い愛に、目(耳)を見開かされる。


【8位】RADWIMPS『アルトコロニーの定理』(2009年)

それまでの思春期の青春的音楽から脱皮し、大人になって冷静さを増したアルバム。冷静と情熱の間を表現するような楽器のアンサンブルが最高です。 彼らの音楽の文学性に救われた人は僕だけではないはず。


【7位】くるり『図鑑』(2000年)

くるり『図鑑』は、日本のみならず世界の叙情的ギターロックの一つの到達点だと思う。ギターロックにエクスペリメンタルな要素を持ち込んだ過激なアルバム。注ぎ込まれる感情も禍々しいまでに過剰だ。


【6位】100s『世界のフラワーロード』(2009年)

中村一義率いるバンド100s。100sの最高傑作を問われた場合、多くの人は『OZ』と言うかもしれないが、僕は本作を推す。これ程安定した善意はここでしか聴けない。冴えわたるソングライティングも、程良くサイケなサウンドも最高。


【5位】うみのて『21st CENTURY SOUNDTRACK』(2015年)

時代を切り取り、聴く者に忘れられない爪痕を残してきたうみのてが、"活動完結"前に放ったラストアルバム。音と音が交わり、美しく残響する。 終わりの先のどん詰まりのようなダークさを感じる一枚。しかし、終わりだからこその一抹の清々しさも感じる。叙情的でリリカルなロックの決定版。


うみのて率いる笹口さんの音楽はとても良い。製品的な感触とは異なる、極めて生々しく肌に触れるようなリアルな手触り。僕はうみのての作品で笹口さんを知りました。これからも、笹口さんや彼のバンドを応援したいです。


【4位】ふくろうず『砂漠の流刑地』(2011年)

震えるほど優しく、たぎるように熱いアルバム。僕の考える「いい歌」とは、本作の収録曲のように、ポップでありつつ、生き方の一つを教えてくれる歌だ。


このアルバムこそ、アート! アートとは、心の中で消えない灯火、または鑑賞者の心のドアをノックすることだと僕は考えていて、このアルバムには神に通じていく祈りのような灯火やノックがある。僕らは誰もがひとりだ。だけど、誰かと温かく心を通じ合わせることができる。


【3位】スピッツ『ハチミツ』(1995年)

大文字のポップでありつつ、インディー的な繊細さもあるのがスピッツの中期以降の音楽。本作は、大文字のポップが満開に開花し、繊細さも精緻の域に達している傑作です。本作の曲「ロビンソン」を中学生の時に聴いて音楽にハマった身としては、本作はベストアルバムから外せない。


大文字のシーンとインディ的なシーンの二つのシーンの橋渡しができるスピッツのようなバンドが増えたら、もっと音楽シーンは面白くなると思います。こういうバンドを仮に「橋渡しバンド」と呼ぶとしたら、僕は橋渡しバンドを支持するし、大文字とインディの両方のシーンの活性化を望みます。


【2位】中村一義『ERA』(2000年)

中村一義はアルバム単位で表現することに長けたアーティスト。傑作である本作も一枚通して聴くと見えてくる光景がある。


みんなが推す『金字塔』は、芸術性の極まりみたいなアルバム。しかし、『金字塔』よりもメッセージ性の結晶のようなアルバムである『ERA』を推したい。『ERA』に突き動かされるようにして、今まで僕は生きてきた。凛としている優しさや、まっすぐな救いが中村一義の音楽にはある気がします。


【1位】神聖かまってちゃん『友だちを殺してまで。』(2010年)

鬱々としているのだけど、退廃的でありつつ、熱量にあふれている。ボコーダーで高い音域に変えた歌声の質感も、ジャンクで混沌とした手触りの音も僕には新しかった。この熱に感化されたおかげで、今も音楽好きをやめないで済んでいる。


彼らの歌詞とサウンドのように、自意識の表出を厭わない表現は、プロフェッショナルの流儀ではないのかもしれないけれども、僕はそういう表現に惹かれる。神聖かまってちゃんはまさに自意識の露出狂みたいな音楽だ。の子という人間を身近に感じられる。


露出された自意識には、醜さも美しさも潜んでいる。神聖かまってちゃんこそ、醜さの中に美しさがあることや、皆が美しいと思うものは実は醜さを抱えていることを暴いてきたバンドだよね。誰かがかまってちゃんを聴いて不快だと思っても、心をえぐるような衝撃は、他の誰かの傷口を癒していく。



★今野よーよーが選ぶ平成のベストアルバム★

【1位】神聖かまってちゃん『友だちを殺してまで。』(2010年)

【2位】中村一義『ERA』(2000年)

【3位】スピッツ『ハチミツ』(1995年)

【4位】ふくろうず『砂漠の流刑地』(2011年)

【5位】うみのて『21st CENTURY SOUNDTRACK』(2015年)

【6位】100s『世界のフラワーロード』(2009年)

【7位】くるり『図鑑』(2000年)

【8位】RADWIMPS『アルトコロニーの定理』(2009年)

【9位】SEKAI NO OWARI『EYE』(2019年)

【10位】フジファブリック『CHRONICLE』(2009年)


【11位】Mr.Children『IT'S A WONDERFUL WORLD』(2002年)

【12位】毛皮のマリーズ『ティン・パン・アレイ』(2011年)

【13位】相対性理論『ハイファイ新書』(2009年)

【14位】BUMP OF CHICKEN『THE LIVING DEAD』(2000年)

【15位】転校生『転校生』(2012年)

【16位】GEZAN『Silence Will Speak』(2018年)

【17位】ASIAN KUNG-FU GENERATION『ワールド ワールド ワールド』(2008年)

【18位】NEW OLYMPIX『2020』(2016年)

【19位】MOROHA『MOROHA III』(2016年)

【20位】きのこ帝国『愛のゆくえ』(2016年)


【21位】ゲスの極み乙女。『両成敗』(2016年)

【22位】GOING UNDER GROUND『ハートビート』(2003年)

【23位】銀杏BOYZ『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』(2005年)

【24位】サカナクション『sakanaction』(2013年)

【25位】宇多田ヒカル『First Love』(1999年)

【26位】大森靖子『絶対少女』(2013年)

【27位】SAFETY SHOES『Big Smile』(2006年)

【28位】羊文学『若者たちへ』(2018年)

【29位】Hi-Standard『MAKING THE ROAD』(1999年)

【30位】チャットモンチー『告白』(2010年)

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