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三十路から始める撞球道  作者: 想々
第二章、B級アマナイン編
43/52

一夜明けて。


 一夜明けて、、


 昨日、飲んだには飲んだけどセーブして早めに寝た関係か、起きた時間は6時半過ぎ、飲みすぎた時は頭がボーとしていたりするけど、そんな事も無く眠気も残っていない。洗面所に行って顔を洗い、さっぱりするとテレビをつけて音量を絞る。


 部屋には「ご自由にお飲みください」と書かれたホテルオリジナルのミネラルウォーター(500㎖×2本)が有ったので、それに口を付けると、アルコールと寝汗で失った水分が体内に浸透していく感じがしてやけに美味しく感じられた。


 適当にチャンネルを弄って暇をつぶす、NHKとかはともかく、地上波の番組は地元と違った番組が多くて興味深い。天気予報とかも「県内の天気」と言って出てくる地図が普段と違うので変な感じがする、幸い今日の兵庫県は快晴の様だ。


いくらメインの移動が電車とは言え、駅からアルカイックホール迄はおよそ1.5㎞歩く。晴れてくれてよかった。


 そんな事を思いながらカーテンを開けると、まるで初夏の様な日差しが差し込んで来た。


 さて、いよいよ2日目最終日、天王山である。


 朝食の時間になるとほぼ同時に食堂へ、古賀さんにはあらかじめ連絡済み、相変わらずのバイキング形式の朝食、まだ人も少ない為手つかずの料理をじっくり吟味してトレーに乗せてゆく。


 昨日は洋食プレートっぽい取り方をしたので、今日は和定食にしようかな・・と言えばまずはご飯と味噌汁、焼き鮭は無かったけど鰆の西京焼きが有ったのでそいつをGET、出汁巻きと冷ややっこも忘れずに。朝定と言えば納豆と焼き海苔と言う人も居るけど、自分は納豆嫌いなのでそこはスルーして最後は杏仁豆腐でフィニッシュ・・・杏仁豆腐のどこが和食かと言う突っ込みには応じられません。

 飲み物は温かい緑茶をチョイスしたのだけど、食事前に一口飲んでマズかったので、緑茶は捨ててほうじ茶を注ぎ直す・・鮮魚系もそうだけど遠出する度「物によっては普段かなり良い物を飲み食いしてるんだな」と、地元の良さを再確認できるのも旅行の良い所だと思う。


 朝食のトレーをそのままに、ほうじ茶を持って席に向かう途中古賀さん達と合流した。古賀さんは自分と同じような和定食(焼き魚納豆定食といった所か)沙樹ちゃんはヨーグルトとフルーツのみ。年頃の女の子らしい朝食かと思ったら「気持ち悪い~、ご飯とか食べる気分じゃない、、かろうじて何とか果物なら食べられるかも」と言う色気の欠片も無い理由だった、二日酔いかよ。


「起き抜けでアンニュイな表情のまま、朝食を目の前に溜息をつく美少女」とか文章だけ見るとえらく色っぽい気がするが、目の前の娘さんは完全に「少女の皮を被ったオッサン」であった。



「うん、このホテルの朝食バイキングは外れが無くていい!」

 勿論和食なら和食に特化したような店の、出来立ての料理程では無いし「一口食べると感動して全裸になってしまう」と言うほど美味いわけでは無いが、とにかく味が安定している。


 味噌汁で口を湿らせてから、おかず・ご飯とバランスよく食べていく。あまり食べ過ぎると集中力が低下するので、腹7分目と言う所でデザートの杏仁豆腐。これなら会場に着いた辺りでベストの腹具合になっているんじゃないだろうか。


 沙樹ちゃんはフルーツとヨーグルトを少し食べた後、古賀さんの勧めでずっとお茶系の飲み物を飲んでいた。「今度からはもっと加減して飲みますー」とか言ってるけど、懲りずにまだ呑むつもりなのかよ!


 てっきり「もうお酒なんか飲まない」とか言い出すと思ったけど、「だってジントニック自体はとっても美味しかったから」とか「お酒って美味しいですねー」とかテンション上げた後、頭痛に顔を顰めていた、気に入ったのねジントニック。


それにしても見るからに調子が悪そうだったので、コンビニでキャベ〇ンかソルマ〇クでも買って飲むようにアドバイスをしておく。

 朝食を済ませて部屋に戻りチェックアウトの準備をしていると、なんだかんだで8:00近くなる。会場までは1時間かからずに行くことが出来るけど、電車の待ち時間やコンビニで買い物する時間を考えれば早目の行動を心掛けるのがいいだろう。


 チェックアウトを済ませると、昨日とは違いキューケース以外にも、スーツケースなどのすべての荷物を持っての移動。


 昨日も来たから道順はバッチリ、通り道の、巨大な歩道橋の様な遊歩道にあるコンビニに寄って、昼飯や、その他ドリンクなどを買い込んで会場に向かう。早目に着いたおかげで客席はまだ空いていたので、丁度良い場所に陣取る。


 さて、いよいよ2日目。体調もいいし朝ご飯も美味しく食べたけど、何か体がほぐれていない気がする。

 毎朝仕事前には朝礼とラジオ体操が有るけど、あれがもう染み付いてしまって、ラジオ体操やらないと目が覚めない様な習慣が身についてしまっているのかもしれない。


 流石に例の音楽を流し始めたりはしないけど、適当にいくつか体操や柔軟をやっていたら、やっと新しい朝が来た,希望の朝だ。


 現在ベスト16、つまりA級、B級、レディース全てを同時に行う事が出来るまでに絞り込まれている。つまり待ち時間は無い。9:30からの試合開始と同時に名前が呼ばれる事になる、そう思うと、時間が迫ると共に緊張感が増していく。


 既にキューは組み立てて用意してある、あと10分・・緊張を振り払う様にもう一度立ち上がり、念には念を入れて柔軟と深呼吸をもう1セット。


___________________________________



「・・・大変長らくお待たせしました、只今より・・・」



 開会のアナウンスが流れ始める、準備は万端、体調も良い。


「さあ、試合だ!」




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