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三十路から始める撞球道  作者: 想々
第一章 ビリヤードを始めよう~C級編
15/52

沙樹ちゃん視点、とあるJKの撞球道

悩んだ結果、沙樹ちゃん主人公のシリーズを同時進行ではなく、本編の合間にちょくちょく番外編的に、沙樹ちゃん視点の話を挟む方向にしました。


 私の名前は古賀沙樹、現在17歳。小さい頃から叔父さんの経営するビリヤード場に出入りしていたので、ビリヤードというスポーツは身近だった。

 中学生の時、叔父さんの知り合いの女子プロのレッスンを受けた、すごくカッコいいと思った。

だからそれからも時々叔父さんにビリヤードを教えてもらっていた。

 長期休暇の時は叔父さんのお店でバイトもしている。店の常連さん達にはまだまだ敵わないけど、自分でもそれなりに上手くなってきたと思う・・・


「やっちゃった・・・かな?」


 そんな大好きなビリヤードを友達と共有したくて、仲のいい友達二人とビリヤードに行った。カラオケに行くのと同じノリで、最初は皆はしゃいでいた。

 

しかし、少しプレイすると解ってしまった。


「レベルが全く違う」


 もちろん予想はしてたので、「こうしたら上手く行くよー」とか「もうちょっと入るようになれば面白くなるから」とか懸命にフォローするが、友達二人は明らかにドン引きだった様に思う。


 私のランクは「B級」、それも女子なのでキュー切れとかも大したこと無くて、常連のおっちゃん達に比べると、明らかに力で劣っている。


 問題は常連のおっちゃんの上手い人や、叔父さんは「男子のA級」だって事、そもそも比べる対象がおかしかったのだ。


 と言っても同じようにビリヤードをする女子とか聞いたことないし、いっそ学校にビリヤード部とかがあれば良かったんだけど当然そんなものも無し・・「偶然知り合ったビリヤード好きの女の子4人で、ビリヤード部を結成する」ような展開とか無いですよ?念のため。


 ただ部活では無くても大会とかには出てみたい。ただ流石に大人の男の人が大勢出る大会に一人で乗り込むのは勇気が出ない。まあ、あと大会の有るお店は家から遠いし。


 バイト中、お客さんの相撞きの相手をする事は良くある。そういった人とビリヤードをするのは楽しい。年齢的にはお父さんと同年齢位、みんな優しいおじさん達だけど公式戦とかには興味ないみたい。


 また別の友達を誘ってみようかな、中には一人くらいビリヤードが好きになってくれる子が居るかも知れない。


___________________________________


 夏休みになったので、また叔父さんの店でバイトを始めた。最近珍しく「日吉さん」と言う新しい常連さんが来るようになった。若い(と言っても私より一回り以上上みたいだけど)お兄さん、、おじさん、、うーん微妙な所。

 相撞きをしたけど、やっぱりまだそれほど上手ではないみたいで、2ゲームやって、結果は4-0、4-0で私の勝ちだった、変に手加減するのも違うと思うし。

 こういう時、相手の男性のタイプによっては、「女の子だから手加減してやった」とか言い始めたり、あからさまに機嫌が悪くなったりする人も居るけど、日吉さんはそう言うタイプでは無かった様だ。


 普通に終了の挨拶を笑顔でした後、失敗したボールの配置を黙々と練習し始めた。


 うーんあれは相当悔しがってる。でも「女に負けた」とかいう変な悔しがり方では無くて、「自分の下手さが情けない」って感じ?


 しかも言い訳せずに即反省会で練習とかカッコいいじゃないですか。


 こういう人は絶対上手くなる。


 練習している日吉さんを見てちょっと嬉しくなった。


________________________________



 数か月後、日吉さんがマイキューを買った、30万円のTADだって。


 流石に大人の男の人は、趣味に本気になった時のお金の使い方がえげつない。私のバイト代、何か月分だろう?


 でもそれだけ本気だって事だと思う、私が使っているキューも叔父さんから貰ったというだけで、値段的には同じくらい、もしくはもっと高いかもしれないので人の事は言えない。


 翌日、日吉さんが叔父さんに「公式戦に出る」と言っているのを聞いた。


 日吉さんが出るならC級戦だ、C級戦とB級戦は確か同じ会場の筈だ!


「私も出ます!!」


 思わず口にしていた。


 ハウストーナメントとかだと終了時間が深夜になってしまうため、両親からストップが掛かるだろう。流石に私も大人の男の人ばかりの場所に、深夜2時まで一人で居るのに身の危険を感じないほど子供ではない。


 しかし公式戦なら、遅くても19時位には終わるだろうから問題無いはずだ。


 学校にはビリヤード部が無い、だけどビリヤードの大会に出て上を目指してみたい、そんな私に千載一遇のチャンスが巡ってきた。


 日吉さんは、あっさりOKしてくれて、車も出してくれるという。なんてありがたい、行き帰りの交通費まで浮いた。大人なら交通費の分何か出したりするんだろうけど、ここは素直に甘えておこう。



 同年代女子のプレイヤーはまず居ない、それでも私はビリヤードがしたい!


 できれば女の子同士で部活みたいに盛り上がれたらよかったのかもしれない。だけど私がやりたいスポーツはオッサンの巣窟だった(我ながら酷いW)でも、だったらしょうがないよね。


「是非も無し。」


 身長140cm、見た目中学生の女子高生。男らしくオッサンだらけの大会に参戦す。


___そんなJKの撞球道___






あれ?最初から沙樹ちゃん主人公で、「ビリヤード大好きな女の子が、オッサンたちの中に混じって大会に出て奮闘する」ストーリーの方が、一般受けするんじゃないか?と思いました。

まさか、「ラノベなんだからヒロインっぽいポジションの女の子が居た方がいいだろう。せっかくだからJKとか出してみるか」とか適当に出したキャラに自分でこんなに愛着が沸くとは・・・

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