表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/22

千里05


 だけど、その前にアリスちゃんに渡瀬(飼い主)さんの事を聞いた。


 時間がないので手っ取り早く特に喜びそうな事を中心に。


 実はアリスちゃんは、れっきとした血統犬で我が国では数匹、世界でも百匹いるかいないかという珍しい種類だそうだ。ピンクとか珍しいもんね。


 だけど一見、雑種に見えるので雑種に間違われる事が多いそうだ。そうなんだぁ〜。


 それを初対面で間違わずに血統犬である事を見抜ける人の(オダ)てには弱いそうだ。ヘェ〜。


 それがどんなに分かりやすい煽てでも。ホォ〜。


 だけど素直になれなくて口では憎まれる事を言うみたいだけれど内心は満更でもないそうだ。なるほど!


 アリスちゃんに近付くと渡瀬(飼い主)さんに警戒された。そりゃそうか。


 私は自分が人からどういう風に見えるか分かっているので、それをフルに利用した。これも(ヒナ)ちゃん達に教えてもらったからなんだけどね。


 平均よりほんの少しだけ低めで四捨五入して自称150cmの身長と父譲りの童顔なせいか中学生、下手すると小学生に見られる私は笑顔で話し掛けると大抵の人には警戒されないらしい。いろいろあって小さめだけど成長期だから、まだまだ伸びるハズ……。


 これをすると、なんでも保護意欲を掻き立てるらしいのです。


 だからか、それをすると渡瀬(ワタセ)さんの警戒が少しだけ和らいだ気がした。


 この気を逃すものかと話し掛けた。


 「可愛い(ワン)ちゃんですね! 名前は何て言うのかな? 今まで、いろんな犬ちゃん達に出逢ったけれど珍しい種類ですね!? 実は私、可愛い犬ちゃんと一緒に撮った写真をアップしているんです。だから、このチャンスを逃すと二度と出逢えないかもしれないので写真撮らさしてもらったらダメですか?」


 言い終わると素早くポケットから携帯を出して保存している写真を見てもらう事にした。


 私の勢いに押されつつも私と携帯を交互に見ていた。


 「クーンクーンクーンククゥーン(ママの機嫌良いよ! ち、千里(チサト)ちゃん)」


 照れながら私の名前を言うアリスちゃんは、とても可愛かった。


 「ぇえ、良いですわよ」


 そんなアリスちゃんを見て渡瀬さんは写真を撮る許可を出してくれた事にアリスちゃんにメロメロになっていた私は全く気付かなかった。


 始めは渡瀬さんの腕の中にいるアリスちゃんと写真を撮ろうと思っていたけれど、アリスちゃんが私の方に来ようと暴れていた。


 まるで小さな子供が、ぐずっているように見えた。


 「あら……」


 普段は、そんな行動をしない大人しい性格のアリスちゃんが普段とは違った行動をしたので渡瀬さんは驚いていたみたい。


 だけど、すぐにアリスちゃんの好きなようにさせていた。


 結果アリスちゃんは今、私の腕の中にいる。フワッフワだ。


 顔が、にやけそうだ。すでに、にやけているからっていう声は聞こえないよ!?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ