千里01
この物語はフィクション(作者の脳内ルール)です!!
動物など現実世界では普通にしてはいけない事を出来るかのように書いてありますが、それらを信用して実際に行わないで下さい!!
物語上、造語や動物などを人として記載したり寿命など事実とは異なる事も多数ありますが、それらの件についてのコメントなどは受け付けていませんので悪しからず。
大切な事なので二度言いますが『この小説はフィクション(作者の脳内ルール)です!!』
人物・団体等とは一切関係がありません。
年が明けてから数日。
今日から新学期だ。
眠い目を擦りながらゆっくりと動き出す。ふぁ〜。
あらかた支度をしてから下に降りダイニングに行くと既に雛ちゃんが家に来て椅子に座っていた。
そこは家での雛ちゃんの指定席だ。
「ちーちゃん! おはよ〜!」
「雛ちゃんおはよう……朝から元気だね……」
アクビをしながら言うと雛ちゃんが笑った。
「ちーちゃんは相変わらず寝起き弱いよね〜。昨日、眠れなかったの?」
「いつもと変わらないよ」
いつもと変わらない返事をしながら、朝ご飯を既に食べ終わってコーヒーを飲んでいる父とキッチンで何かを作っている母にも挨拶をした。
時計を見たら家を出るには少し早かったけれど、雛ちゃんに待ってもらっているからと思い何も食べずに学校に行こうとした。
すると「ちーちゃん! 朝は、きちんと食べなさい! はい、座った座った〜」と自分の座っていた横の椅子を引きながら言う。
『私の母親か!?』と心の中でツッコミながら席につく。
ちなみに、そこは私の指定席である。
雛ちゃんに逆らうと怖いから従っているのだが何故か良い笑顔を向けられるので笑ってごまかした。ブルッ。
だけど、これらも毎度の事だから慣れたもので、そんな私達の会話を聞きながら父も母も笑っていた。
そして私の前にパンとコーヒーを置き、雛ちゃんの前にもマグカップを置いた。
多分いつものホットミルクだろう。
そして、いただきますをしてから食べ始めた。
雛ちゃんのお陰で家では笑いが増えた。
◇◇◇
雛ちゃんこと麻生雛ちゃんは私と同じ市内の国立高校に通う一年生だ。
4月生まれの17歳である。
雛ちゃんの家から私の家までは道一本隔てた所にあるご近所さんだ。
だから寝坊助な私をいつも迎えに来てくれて一緒に学校に行っている。
もちろん帰りも一緒。
そんな寝坊助な私の名前は一ノ瀬千里。
だから皆には「ちーちゃん」と呼ばれてます。
ちなみに3月生まれだから、まだ16歳である。
雛ちゃんと私の出逢いは今から約10年前から始まる。その頃の私の記憶は曖昧なんだけどね!?
私達一家三人は、それまで自然があまりない建物や人が密集している所に住んでいた。
だけど自然あふれるココに引っ越して来た。それは私の人には言えない、ある秘密が原因だったんだけど……。
引っ越ししてからの私は一日中ずっーと家の中にいた。
もちろん学校も行ってなかった。----というより行けなかったんだけどね……。
何故なら、そのときの私は家から出れなかったからだ。
もし一歩でも出ようものならば父の俊明か母の美和が一緒じゃないと出れない状態だったのだ。主に精神的に……。
そんな私に怯む事なく接してくれた一人が雛ちゃんだった。
だから私は今、一人でも外に出る事ができるようになった。
本当に雛ちゃんには感謝してもしきれないよ。ありがとう雛ちゃん。