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発達障がいを持つ「私」  作者: 「私」
6/10

六話の「私」



 支援学校を卒業してだいぶ経つので、記憶があいまいになりつつありますが、なんとか思い出しながら語りたいと思います。


 「私」が支援学校を忌避していた理由。それは中学校、地域、家庭で障がい者が差別されていたからです。


 明確な悪意もあれば、無意識な物もありました。身体障がい者や視覚・聴覚がい者、重度の知的障がい者はかわいそうな子。中度の知的障がい者は近付きたくない迷惑な存在。軽度の知的障がい者や精神障害者はバカやキチガイ。


 そんな風に多かれ少なかれ思ったりしていたように思います。特に子どもは遠慮が無いのでズバズバ口にします。「私」も当時は同じような事を思い、周りに合わせて口にした事もあったと思います。


 家族は「私」の障がいが分かっても受け止められず、障がいを否定して怠け病と言ったり、家に障がい者で不登校の引きこもりがいるのが恥ずかしいと言ったりしました。


 家族の一人は支援学校に入ってからもしばらくは「私」に障がいがある事を認められませんでした。


 「私」も知り合いのいる所には行けなかったし、偶然会ったとき凄く嫌だったし猛烈に恥ずかしかったです。知らない人に世間話で通っている学校を聞かれるのも苦痛で嘘をつきました。


 そういう環境で、それまで一度も支援学級に入った事が無かった人間がいきなり支援学校に入る。それはとても勇気のいる決断でした。


 というか決断も出来ずなし崩しに入る事になった。と言う方が正しいのですが……


 「私」の家は裕福では無く、私立の高校もいくつか見学に行きましたが入学は現実的ではありませんでした。支援学級にいたり、同じく不登校だった知人が私立の高校に入る中、私は公立の支援学校に行くしかありませんでした。


 諦めて受け入れて、支援学校に行くと言ったのは自分です。ですが本心では"普通"の学校に行く人が妬ましかったし、嫌々でした。仕方が無いから行く。そんな状態で、入学に前向きになれた日より落ち込んだり後悔した日の方が多かったです。


 今でもある程度親しくなった人か自分に全く関わりのない他人になら、きちんと偽らずに自分の出身校が言えますが、それ以外の人にはなかなか言えません。


 金銭的に余裕があれば支援学校には絶対に行かなかったし、私立の高校に入学していたでしょう。


 けれど当時の「私」は、体力、体調、睡眠のリズム、精神の安定、不登校時代の勉強、そのどれもが足りないどころか全く無い状態で。一般の学校に入学したとしても一月も持たなかったと思います。だから今は後悔はしていません。


 差別を怖れたあの三年間は決して無駄ではなく、今の新しい高校生活の為の準備期間だったと心からそう思えます。


 普通の高校は支援学校と違って自由で、代わりに支援は受けられないのですが(合理的配慮はあります)、勉強は面白い物も苦手な物もありますがやりがいがあって。


 大学受験も出来て。支援学校は比較的新しい学校というのもあって、ほとんど進学実績が無かったので……


 でも、それもこれも支援学校の充分な支援環境で、素晴らしい教師陣に恵まれてあらゆる面で夢の後押しをしてくれたからです(ちなみに今もたまに勉強を教えてもらったりしています)


 支援学校の職業訓練的な授業で身に着けたとある技術で、高校に入ってから小さい賞を取ったり成績の役に立ったり。


 支援学校時代に教師陣全面バックアップで取った、高卒認定試験の単位認定で取らなくて良い授業大量発生させたり。


 とまあ今回はこの辺りにしておきます。


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