一話の「私」
「私」は、発達障害を持っています。
アスペルガー症候群
いわゆる、知的障害を伴わない自閉症の事です。
自閉症スペクトラムともいいます。
アスペルガー症候群を持つ人の主な特徴は
こだわりが強く、コミニュケーションが苦手で
想像力と創造力を持つ事が苦手という事だそうです。
ここでは、「私」が実際に持っている特徴や
困っている事、経験した事を書き記します。
ーーそしてーー
アスペルガー症候群と、一概にいっても
一人一人様々な特徴・特性を持っています。
「私」がそうだったからといって必ずしも
他の人達もそうであるかというと違う事もあります。
実際に「私」が同じ障害を持つ人と接していても
ここは「私」とは違うな。と感じる事はあります。
「私」は、アスペルガー症候群以外の特性も持っているので
これは、この障害には当てはまらないな
と感じることもあると思います。
その上でお読み頂けたら幸いです。
まず、「私」が小学生だった頃のお話をします。
「私」は、成績は普通よりちょっと上くらいだったのですが
体育はそこはかとなく苦手でした。
まず、逆上がりができませんでした。
これは、普通の人でもできない人はいると思うのですが
逆上がりをするための補助器具?というか
上り坂みたいになっている物を使っても
一度しかできた事がありません。
その時は、先生がそれはそれは褒めてくれたものですが
それ以降、これまでに至るまで
一度もできたことがありません。
それから、家庭科も苦手でした。
みんなと同じ作り方を見てみんなと同じ様に
他の子に教えてもらっても
みんなと同じ様には作れませんでした。
ティッシュケースカバーです。
「私」は、小さい頃からとにかく不器用だったみたいです。
忘れ物も多く、その度に怒られて泣いていました。
無くしものだって数えきれないくらいしました。
「私」は、そんな自分が嫌いでした。
走り方もおかしかったみたいです。
よく男子にからかわれました。
「私」が走っているのを見て笑うのです。
自分の外見にも頓着しませんでした。
シャワーも浴びずに学校に行っていました。
歯だってあまり磨きませんでした。
全く気にならなかったのです。
かなり変な子だったと思います。
クラスでも軽くいじめられていました。
その時は、かばってくれる友達がいました。
だから、何も気にしませんでした。
今から思えば「私」がいけなかったのだと思います。
常識とか、マナーとかルールとか知りませんでしたから。
もちろん、いじめた側も悪いです。
そこを庇うつもりはありません。
「私」は運動オンチで、よく転びました。
何度も何度も転んでは、膝や手に擦り傷や切り傷を負いました。
ついには、転んで手をついて骨折までしました。
複雑骨折でした。
痛かったです。
しかし、今にして思えば
こんな痛みは痛みのうちにも入りませんでした。
この数年後に「私」はこれ以上の
痛みを経験する事になるのです。
それも、毎日のように・・・
それは、また後で語るとして
次に中学生の頃の話をしましょう。
「私」のこれまでの人生で最も辛く苦しかった時期の話です。
「私」は、中学でもいじめを受ける事になりました。
そりゃあ、思春期の多感な時期に
「私」みたいな存在がクラスにいたら
いじめたくもなるとおもいます。
だって、未だに「私」は、
自分の外見に頓着しなかったからです。
「私」は、小学生の頃よりは少しは
マシになっていたと思いますが、
それでもやっぱり、
シャワーを一、二日浴びないのは当たり前でした。
いじめで、きつかったのは
小学生の頃より容赦なかった事です。
それから、陰口も叩かれる様になった事です。
小学生の頃は割と純粋で、
目の前で言われる事が多かったのです。
「私」は、鈍感なので遠まわしに言われる事が苦手です。
相手がどんな意図で言っているのか分からないからです。
それに、影でコソコソ言うという
その根性も気に食いませんでした。
悪口をいうなら堂々と言え。と思いました。
そうでなくては、反論もできないではないですか。
とはいっても、半分「私」自身が悪いのだから
反論も何もないのですけどね。
という訳でクラスにも馴染めないままで、
勉強も中学に入ってだんだんと難しくなり、
ついていけなくなっていきました。
他にも色々辛い事があり「私」は不登校になりました。
その理由の一つには朝起きられなくなった。
というものがあります。
これが、厄介なモノで本当に起きられないんですよね。
あまり学校に行きたくないというのも
あったにはありましたが、
本気で体が動かせなくて起きられませんでした。
その後、色々あり「私」は現在支援学校に通っています。
アスペルガー症候群だと診断されたからです。
「私」は、特別に支援してもらい
ようやく学校に行くことができます。
体調の悪い時には、起き上がる事ができず
学校を休むこともあります。
学校に行って、動けなくなり
しばらくその場で休んだ後、先生に見つけてもらって
早退する事もあります。
遅刻したり、早退したり、休んだりしても
退学になる事はありません。
単位もとらなくていいです。
その代わり高卒の資格はとれません。
ですが、今の「私」には
この学校が一番合っていると思います。
きっと、私立の学校に行っていたとしても
「私」は、そのうちダウンしていたでしょう。
少し暗くなってしまいましたが
これが、「私」のありのままの過去と現在です。
「私」は、不登校になった後に
アスペルガー症候群だと分かりました。
もっと、早いうちに療育を受けられていたら
もっと何かが違ったのかもしれません。
「私」も、もう少し自己肯定感を持てたのかも知れません。
ですが、そんな事を言っても後の祭りです。
ですから、「私」は書き記します。
自分の過去を、現在を。
そうして、未来へと生かすのです。
それができたら良いと、そう思います。
きっと、自分の特性を受け入れる事は
難しくて、時間がかかると思います。
でも、もう後悔したくないから。
だから、もう少し
発達障がいを持つ「私」の話に付き合ってください。