ミオの隠された能力
「ねぇ君アマネを助けにいくらしいじゃん」
男は真剣な目つきで俺に聞いてきた
なぜこいつ俺がアマネを助けに行くことを知っているんだ?それに国のお姫様をアマネと呼び捨てする点も気になる。
とりあえず探ってみることにした
「どうしてそうゆう風に思うんだ?」
「どうしてでしょうかねー」
男はさっきの目つきは一転少しふざけた口調だった。
「お前何者だ?」
俺は男に名を訪ねたすると
「俺はペガサス アーキュリーこの国の神とされているペガサス家の次男だ。」
ペガサス家はウェスタード神話の中でこの国に重大な危機が訪れた際この国を救った伝説の一族の祖先として君臨している一族だ。
ウェスタード王国の民で知らない人はいないだろう。
「どうしてあの有名なペガサス家がこんなところにいるんだ?」
ミオは気後れせずに聞いた
ペガサスは笑いながら
「それはこっちのセリフだね。俺の許嫁であるアマネに関わる庶民とはとんだお笑い話だな笑」
ミオは顔を歪め
「許嫁?」
それもそうだ。ミオはアマネの事が好きなのに目の前にいきなりアマネの許嫁がいるなんて信じがたい事だった
ミオが沈黙しているとペガサスは高々と笑をあげながら
「残念だったねー?アマネは俺の妻になる人なんだよ?お前みたいなしょぼい庶民がアマネといい関係になるなど..まあ諦めろアマネは俺が頂くよろしいかなぼ、う、や?」
ペガサスはミオを小馬鹿にしてさらに屈辱的な事を言ってるミオを挑発した
ミオは拳をぎゅっと握りしめ
「あんたささっきからふざけた事抜かしてるなよ?アマネがお前の物?何勝手に決めんだよお前みたいな人間のクズがアマネと結婚するなんてふざけるな!」
ミオは完全にキレていた自分のプライドを根底から覆すような言い回し何よりもミオが許せなかったのはこんな男とアマネが結婚してしまうかもしれないという考えだった
ミオの言葉を聞くとさっきまで笑っていたペガサスの表情が変わった
「あ?庶民ごときが俺に刃向かうてのか?おもしれーかかってこいよ?」
ペガサスの言葉を聞き
「じゃ遠慮なく。」
そう静かに言いミオは右の拳をペガサスの腹にクリーンヒットさせた
しかし悲鳴をあげたのはミオの手だった
「ぐっ......」
ミオの手から殴った衝撃で血が流れ出した
それを見るやいなやペガサスが顔に手をやり高笑いしながら
「なんだよーーさっきまでふざけんなとかほざいてたやつがこのざまかよ!ははアマネが聞いたらどんな風に思うだろうな?」
そう言いながらペガサスはミオの頭に靴の乗せ自分の体重をかけミオの顔を地面に叩きつけた。
「ほらほら?さっきまでのアマネ助けますって意気込みはどうしたんだよ?」
さらに体重を乗せ足の力を増やした
「ア、マネ、、」
ミオは頭をペガサスに踏みつけられながらアマネの事を考えた
その時ミオの頭によぎったのは出会った時の事やいろんな事だった
「始めてアマネにあった時はびっくりしたないきなり国のお姫様が俺の雑貨屋に来たんだもんな...そこから二人で一緒に逃げる事になって..それで俺の力の 不甲斐 なさのせいでアマネは捕まってしまった...」
その間もペガサスは高笑いをあげながら
ミオの頭を踏みつける
「それで必死に修行を重ねてやっとここまできたんだよな...全てはアマネを助けるために
こんなところでこんなクソ男に負けていいのか?負けたらアマネはこんな男と結婚する事になるのか?そんなのは嫌だ...」
ミオの中でアマネが本当に大切な人だから..
その思いが覚醒した
「な、なんだ!?」
ペガサスが驚いた表情で声をあげた
ペガサスが見た光景はミオの体全身が光さっきまであった自分がつけた傷がどんどん修復されるところだった
その時ミオは不思議な感覚にとらわれていた
さっきまで痛かったいろんな箇所の痛みが消えペガサスの動作のひとつひとつがとてもゆっくりに見えた。
「ば、ばけものめ!」
ペガサスが走って逃げて行くしかしミオには
「あいつを逃さない....」
その感情だけがミオを支配していた
アマネがミオの隠された能力のトリガーを引き徐々に能力が蓄積されここに来て一気に解放したのだ。
そして人間とは思えない瞬発力で走って逃げるペガサスを捕まえ
「いいか次にアマネの事を許嫁なんて言ったら殺すぞ?」
「わ、わかりました!!」
ペガサスは泣きながら言っていた
ミオはそれを聞くと
「よかったそれなら....」
そう言い残し気を失った
ペガサスはミオをどけ急いで逃げていった
気を失ったミオを見る一人の少女がいた。