追っ手が来ました!
「ねぇいつまで私たちここに入られるかな」
アマネが机を拭きながらミオに言った
ミオは頭をかきながら
「わからないでもいつまでもここに居られるわけじゃないよな」
外はもう暗くなり満月が空に昇っていた
「でも、多分もうその時はくると思う。」
アマネは窓を開けながらなごり惜しそうな顔をしていた
「まあそんなこと気にしてても仕方ないもしもの時は俺を置いていって逃げてもいいぞ」
ミオが半分笑いながらアマネに言うと
アマネは下を向きながら
「そんなことできないよ、、ミオが私に自由という名の幸せを与えてくれた。ミオは私にとって特別な存在だよ。」
ミオは心の中で
「それってどうゆう、、」
ミオがアマネに聞こうとしたその時
ドンドン!
誰かがドアを叩いてきたのだ。
二人は愛想笑いをしながら
「あ、私が出るよ」
アマネがドアを開けるとそこにはシェフィが慌てながら
「アマネさんを拘束しに来たという兵士さんたちが来ています早く逃げてください!」
二人の予想は早くも当たってしまったのだ。
アマネとミオは荷物の整理をして逃げる準備をした。
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「ここに私どもの国の姫がいるという話を聞きましたのでこの店の中を調べさせてください」
ウェスタード王国の兵士たちがアマネのことを探しに来たようだ。
しかし店の店員たちはアマネが姫ということを知らないため
「そんなの知らないよ他を当たってくれますか?」
店の店員たちはこの一点張りだ。
だがこうなるとお分かりだろう。余計に事態がこじれてしまった。
すると店長がシェフィに
「シェフィここは私たちでなんとかするからあんたはアマネさんたちを逃がしてあげな!
裏の橋を渡っていけばいい。」
シェフィはうなずきそして最後に
「私アマネさんたちと一緒に逃げるってことだよね?」
シェフィが涙を流しながら店長に言った
すると店長はにっこり優しく笑いながら
「あんたも私の裏のメッセージ分かるようになったじゃないか随分成長したね。ほらおいきまたどこかで会おうじゃないか。」
シェフィはそれを聞き大声で泣きながら2階へと走っていった。
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「そんなことがあったのか。」
村から2キロ離れた森でミオがシェフィの話を聞き肩を落としていた。
なんとか兵士たちからは逃げられたようだ。
重い空気の中シェフィが座っていた木から立ち上がりミオとアマネに
「これからよろしくお願いしますね!私店長からの任務を精一杯やり遂げますので!」
「ああ」
「よろしくね!」
その晩は森で野宿することにした
ミオが寝る準備をしているとアマネが大きな石に座りながら月を見ていた。
ミオは気になったのでアマネに話しかけた
「どうしたんだ?こんなところで」
するとアマネは空を見上げなから心情深い表情で
「私てっきり城の外は楽しいことばかりだと思ってたいろんな景色いろんな人間模様
でもすべてうまくいくわけじゃないんだね」
その重い言葉に返答はできなかったただ
人はいくつもの別れ、出会い、辛いことや楽しいことを通して成長していくそれだけはこの世界ではっきりしていることだ。
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