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1/1

古明地さん上

あちらでフラフラこちらでフラフラそんなこいしちゃんが記憶を取り戻しに行くよ

1

私は……誰だっけ。

わかんない。

でも…お姉ちゃんなら知ってると思う。

お姉ちゃんは何処だったかな?

そうだ、誰かに聞けば良いんだ。


『そこの方、ちょっと良いかしら?』


…私の方を向いてくれない。

私が居るのは当然で、誰も見向きもしない。

…路端の小石がそうであるように。

認識してくれない。





2

『あれ、お姉ちゃんどうしたの?私は誰?』

気が付いたら目に留まった姉と思われる少女に話し掛けてみた。

彼女は私以外の何かに驚きつつも答えてくれた。

「貴女は私の大好きな………よ」

えっ?今なんて言ったの?私は聞き返した。

「古明地こいしよ」

『故意死?私は生きてるよ?』

「あのねぇ…古 明 地 こ い し、よ」

『へぇ』

……というよりどうして私を認識してくれたんだろ?

まぁ、この際どうでも良いや。

『お姉ちゃんの名前は何だっけ?』

「あっえぇそんなことも忘れたの?さとりよ」





3

『さとり…かぁ…あ、思い出したわ覚妖怪ねー?』

「そうね、その通りだわ この瞳で心を読むことが出来るのだけど…こいしの心は全く見えないわ」

私も覚妖怪な筈だから…覚妖怪同士だと見えないとか?それは…無さそうだしー…

『……何で?』


気が付いたら話してる。気が付いたら動いてる。

それこそ疑問符が黒い帽子の上でくるくる回ってる。

あれ、何話してたんだっけ。

「こいしが私の持ってるような瞳を閉ざしてしまったからよ。」

ああ、そうか。そうだった。その話だ。

『そういえば確かにさっき…?会った?人間の心は見えなかったわ』

「それで意識が読めなくなり無意識で行動しているに他ならないの。」

私の疑問符が意識の外に飛んでいった。成る程ね。分かったわ。

『うふふ、そうなの。それで此処は何処?』

自分の考えに付いて行けない、どうして?

地霊殿(ちれいでん)、私達のお家よ。疲れたでしょうしお部屋で休んだらどうかしら。」

『そーね、そうするわ』

さとりと名乗ったお姉ちゃんと別れた。





4

うーん…広い。広すぎるわー。

あんなカリスマの欠片もないお姉ちゃんのお家ならそこまで広くないと思ったのに…どうやって屋敷のお姉ちゃんの部屋まで来てたのか…

時々動物さんに会うけど攻撃してこないしなつかれてるのは何でかしら?

お姉ちゃんは動物の飼育員なのかしら?

屋敷が広い中一人は寂しいとか?


そんなこんな考えながら歩いていたら…目の前に金色の装飾のついた大きな扉が私の目の前に立ちはだかっていた。

扉の位置おかしい!なんだってこんな高い位置にあるのよーっ!

もう!跳んで届かないかしら…っ



…ふわっ



あれ?跳んで…いや、飛んでる?しかも普通に届くし…

カチャっとな…





5

うぬぬ…入った瞬間に分かる埃っぽさは何かしら……

「そこが貴女の部屋よ」

背中に声を掛けられた。

誰だろう?私は振り向く。

『あれ、お姉ちゃん?何で此処に… というかなんでこんな扉なの?』

「…昔、貴女がかっこよくて大きい扉が良いって言ってたのよ」


心の読めない私にも、これは嘘だって分かる。

『外側から鍵が掛けられるようになってるしお姉ちゃんは掃除してないし…』

「…ごめんなさいね、本当のこいしの部屋に案内するわ」





6

“本当の”私の部屋?

あれは偽りの部屋?

何かピースが足りない。

足りないのは何だろう。

大切な何かを忘れていると思う…お姉ちゃんを見てから思ったけど何で?

「どうしたの?」

『…お姉ちゃんには言える訳ないよ』

「あら、そう…」

お姉ちゃんは悲しそうな目で私を見た。

恐らく悲しそうで虚ろな目には私の事なんてはっきりと映ってないんだろう。

でも私は何処に向かってるんだったかな。

怖い所だったら嫌だな…



「此処がこいしの部屋よ」

茶色に黄色い高級な装飾がされたその扉は、あの大きな扉を小さくしたようなものだった。

『そっか、そういえば見たことあるかも』

そう言って私は“こいしの部屋”と呼ばれた重い扉を開き……


ギギギギギ……


そこには二つ尾を持った黒猫が居た。可愛い。

私のことが見えてるのかな。

それにしても埃一つ舞ってない。

扉の模様が一緒なのに中は対照的ね。

「お燐、いつも掃除ありがとね」

お姉ちゃんは猫に話し掛けたけど…もしかしてこの猫さんが掃除を?

そんなこと出来ないよね…


「此処がこいしの部屋。全部そのままにしてあるわ。掃除はしたけどね」

『ふぅん…猫さんが掃除してたんじゃないの?』

カマを掛けたつもり。

どうせお姉ちゃんの照れ隠しだ。

お姉ちゃんはきっとそういうことをすると思う。

「私は(本書いたり読んだり)忙しいから…猫がしっかり掃除してるわ」

『えっ?本当に?』

「ほら挨拶しなさい。」





7

にゃーん。

猫が鳴くと猫の周りには眩い光が…私は思わず目を手で覆う。

〔もう大丈夫ですよ、こいし様。会えて嬉しいです、さとり様に聞いてます〕

『ん…むぅ……誰?』

目をぱちくりさせながら私は猫が居た場所を見た。

でもさっきの猫の代わりに目がぱっちりした猫耳の少女がそこには立っていた。

〔お燐って呼んでください。〕

『ふーんよろしくねお燐。』

そう言いつつ私は結構驚いている。

嘘つきのお姉ちゃんが居るくらいだから私も嘘つきなのかも?

得意気な顔をしてお燐の猫耳を撫でた。

〔ふえ…やめてくださいちょっと……〕

反応がとっても面白い。猫なのに気分屋じゃないなんて面白い。

『ふふんやめないわ』


そして何刻か時が流れ。


『あー疲れたー面白い猫はもっと知りたいわー』

〔こいし様ってば………話を戻させて頂きますね…〕

やりすぎて嫌われちゃったかな?まぁ良いや、話を聞いてみよう。

〔…忘れてしまった過去についてですが…〕

…えっ忘れちゃった?なんのこと?名前も全部分かったし……嫌われてた訳じゃないの?

「やめて、それ以上は私から説明するわ」

お姉ちゃんが静止する……ってことは欠けていたピースはこれかしら?

驚きよりも探求心の方が遥かに高い私にとって自分を知ることはとっても大切な筈だわ。

ただ、ただ一心に私を知りたい。

『早く説明して』

我ながら知りたさにどす黒い声で言ってしまったものね。

照れ隠しも嘘も何もなく、教えて欲しいわ。

――例え、現実がどんなに醜くても私は知りたい。





8

お姉ちゃんは私を椅子に座る様に促した。

…これが私の部屋の椅子…ねぇ

もちろんお姉ちゃんも座る。

お姉ちゃんは何かを覚悟したように一息付いた。

私も固唾を呑まずには居られない。

「私が嫌われていることは覚えてるかしら」

『嫌われてるのは……あれれ?』

お姉ちゃんはいつも笑顔だった筈…

「嫌われている理由が“心を読めるから”なのよ。その頃こいしはその瞳を開いていたわ。同じ覚妖怪だもの。」

私をお姉ちゃんの方に身を乗り出し探偵ごっこ(…いや、推理ごっこと言うべきかな?)をすることにした。

どうせ推理しなくても教えてくれる、それは分かっていた。

それでも私は自分を予想したいし想像したい。





9

気がつけばお燐は部屋から退室していた。

私にすら気付かれないなんて対したものね。

でも気付かないのも無理はないかも知れない。

一字一句危機逃さぬようにお姉ちゃんの言葉に耳を傾けているのだから。

「ちょっと近いわよ…それで、こいしは自分が嫌われていたと思う?」

『もちろん覚妖怪で目が開いていた(心 が 読 め た)のなら嫌われてたんじゃないの?』

「……それがね」

如何にも深刻なことを言うかのようにゆっくりと口を開いた。

何を言われるのだろう。

怖い。


でも、私は現実を受け止める。

幻想なんかに縛られたくない。

そう私は決めたもの。

『それがどうしたの?』






10

「…こいしを嫌われ者にしたくないからって思って……私はあの大きな扉の部屋に何十年も、何百年も…閉じ込めていたのよ。」

そういえば…あの部屋には外側から鍵が掛けられて内側からは鍵が無いと鍵が掛けられなかった筈……

監禁部屋だったとは私としても予想外だったわ…

でも待ってよ。

『お姉ちゃんだけが嫌われる必要なんて…』

「良いのよ、でも…扉越しに“お屋敷の中を歩き回ってみたい”だとか、“もういっそ殺して”だとか“ペット達なんかよりもお姉ちゃんなんかよりももっと大切な人がいる筈”なんて貴女は思い続けていたわ。」

お姉ちゃんのことを唯一覚えて居たのはもしかして恨んでいたのかしら…?

『私は…扉越しにお姉ちゃんの気持ちに気付けなかったの?』

「こいしには必ず笑顔で接していたつもり、それだから扉の向こうの感情との差がありすぎて分からなかったのかも知れないし…それとも、こいしの感情が強すぎて既に周りが見えなくなっていたのかも知れないわね。でも私には何も分からなかったわ。」

私に恨まれて周りの人から嫌われて………お姉ちゃんにはきっとペット達しか居なかったんだわ…お姉ちゃんは悪くないのに…

「でもこいしは自分を責める必要はないのよ…」

私の心が見えるかのようにお姉ちゃんは私の帽子を取って頭を撫でてくれた。

初めてされたような気持ちになった。

もしかしたらお姉ちゃんは思い詰めていてこんな事をする暇がなかったのかも知れない。


『…それは此方の台詞よ』

「そんなことないわよ、お姉ちゃんは強いつもり……だったんだから」

話を続けるわ、お姉ちゃんは付け足した。

でも今のお姉ちゃんはとても辛そうで倒れるかも知れない。

心配すればするほどお姉ちゃんは強がると思うし……私は何もせず一通り話してもらおうかな。


『…分かったから…話を続けてよ』

「…えぇ、言われなくても。ある日私は、何時ものように“こいしの大部屋”に昼食を届けに行ったわ。何時ものようにその部屋これと同じ机で一緒に食べたのよ。」

ソファーが一つに背もたれのある丸い椅子が二つ。

その間にある木の机。

少し大きめの机は二人では少し寂しい気がした。

広い場所に行きたかったその頃の私にはそれでも小さかったんだわ。

寂しいのは変わらないけれどお姉ちゃんはきっと頑張ってくれたんだよね。


「そこでペットの話なんか色々していたわ。猫がマタタビ以外に反応示さなくなって大変だとかね。それは良いのだけれど…

こいしは突然『裁縫に挑戦してみたいわー』って言ったのよ。その時の私は、中で殆ど何もせずに過ごしていて退屈なんだなと思ったの。」

『きっと私に裁縫箱を貸してくれたんだよね』

「えぇ。昼食後に持ってきて裁縫を分かるだけ教えたわ。――でも、こいしは一人でやってみたいと言い続けていた。お姉ちゃんに見られないところで、とね。」

私はお姉ちゃんに何かをプレゼントするつもりだったのかしら?

だけどそんな恨んでるような人に…

『それでお姉ちゃんはどうしたのかしら?』

「自分の部屋に戻って本を書いていたわ。あの部屋は隣だったからこいしの心がよく聞こえるの。プレゼントを勝手に聞くのも野暮だと思って聞かずに楽しみにしていたの。」

え、隣の部屋だったの…なんであんなに迷っていたのかしら…気が付いたら歩いてるから仕方ないよね。

…もしかして一字一句を意識したらそういうことがないとか?

「それでも少しの心は聞こえていたのだけれど急に貴女の思考が止まった。私は嫌な予感がしたわ。」



私はどうして記憶が無くなっちゃったのかしら?


どうして私は何も考えなくなったのかしら?


お姉ちゃんは本当の事を言っているの?


怖い。やっぱり怖い。


でも私は知らなきゃいけないの。


自分に言い聞かせても怖いものは怖いのね。


『嘘つきお姉ちゃんは誰かを守る為にしか嘘なんて吐かなさそうだもんね。』


私は声に出して自分を勇気付けた。





11

「信じて貰えないならそれで良いわ。」

『…なんでもないから続けてよ』

大事なただ一人の……が倒れる前に記憶を取り戻さなければならない。

「慌てて部屋を出てあの部屋の扉を開けると――」

やめて。やめて。よく分からないけど私も嫌な予感がするわ。

「目の前には変わり果てた部屋。部屋が紅かったのよ。その中に貴女が横たわっていた。」


『…え?』

「…6本あった瞳のコードの内の4本は切断されていて、その証拠として手に裁ちバサミを持っていた。瞳を糸で縫い合わせてあった。きっと縫い合わせてから切ったんでしょうね……」

語るお姉ちゃんの目には光がないような…?

そんなによく覚えていたのかしら…私なら怖くてすぐに忘れちゃうのにね…

そういえば…お姉ちゃんのコードは6本あるのに私は2本しかないわ……

それに目は乱雑に縫い合わせてある…

もう少しお姉ちゃんに習っていればせめて縫い目が綺麗だったのかも……ってそうじゃなくて!

覚妖怪でなくなる賭けだった?でも私の賭けは失敗してしまっている………


「私は怖かったわ。さっきまで笑ってた妹が倒れているんだもの。」


「そして赤かった瞳が失血によってどんどん青ざめていった」


あれ、青いのは元からじゃないの?

もしかしてこの瞳はただの邪魔?

でも捨てたら…覚妖怪ではなくなっちゃうかもしれない。

お姉ちゃんにも道端の小石のように認識されないかも知れない。

それは嫌だ。嫌だ。


「何を思ったか私は血を洗い流す事を考えてしまった、動かすと危険だと分かって居たのに。」


お姉ちゃんはその日から自分を責めてるんだ。


「そしてペットにこいしを地上に捨ててくるように頼んだの。怖かった。怖かった。後から思うと何故そんなことをしたのかは分からないわ。閉じ込めたりしなければ……」


その日からじゃなくてずっと自分を責めていたのかしら…

「私はあの部屋に戻った。こいしが居なかったことにしようと思って後に残ったコードを捨てたの。でも家の猫はこいしを忘れられなくて食わえて持ってきてしまった。」

それならお庭で見つけた灼熱地獄に放り込めば良いのに。

「灼熱地獄に捨てても鴉が持ってきてしまったわ。」

あんな所にもペット?

「私は気が付けば貴女のコード(欠片)をペット達の餌に入れてしまっていたの。」

『え、お姉ちゃん馬鹿?さっきの悲しみ返して?ねぇ?』

気付いたら怒ってる私って本当なんなのかしらね…

「…猫は気分屋でなくなり鴉は物忘れが激しくなり…食べた妖精達は皆一回休みになったわ」

『そういうことじゃないわよ!なんでよ!!』

「・・・」


「それ以来あの部屋には入って居ないわ。汚れていたのはきっとそのせい…………」






12

はぁ…もう…お姉ちゃんの馬鹿…

「それで帰って来たときは本当に驚いたわ…私はただね、こいしの心を知りたいのよ…」

『私も読みたいけど馬鹿で嘘つきなお姉ちゃんに読まれるのはなんかなぁ…』

と言いながら私は瞳の糸に手を掛ける。

『一瞬でやれば痛くない…筈……っ!!!!』

何これ痛い…全身が痛い……お姉ちゃん………

「こいし…っ!大丈夫?!(私のこいしが瞳を……ぁぁ…もうお別れかしら…)」

痛む瞳でお姉ちゃんを見るとそんな思考が伝わってくる。

お姉ちゃんは何かを悟ったように席を立つ。

「このコードでお別れよ、ありがとうね(こんな醜い心を覗かれて私は正気で居られないわ)」


   ギュッ


あれ、なんで?なんでお姉ちゃんはコードで自分の首を圧迫してるの?

「楽し…かったわ…あふふ…はは……」

青白くなってきた顔で此方を見ないで。どうして笑って居られるの?


…ねぇ…好きよ……あっが…………

倒れちゃった。どうしてよ………






13

ガチャガチャ…キイィィィ…


後ろから光が差し。扉が開いたみたい。

こんな時に…「誰よ!!」

〔さとり様!さとり様!!何してるんですかこいし様!さとり様が倒れているんですよ!〕

『…あぁ!もう…お燐ったら覚妖怪じゃなくても私の気持ち分かるでしょ!!二人で居させてよ!』

お燐は表裏が無い。空気も読めない。邪魔。早くどっか行ってよ

〔…分かりましたよ…無くなれば報告くださいね…?〕

哀しそうな目をして出ていったお燐を空っぽの目で見送った。

これからどうしよう…お姉ちゃんのコードも千切っちゃおうかな…それは可哀想だし…でも罰をあげよう。

私を閉じ込めて自殺にまで追い込んだ挙げ句、地上に捨てて最後には自分が自殺するんだもの。

死んじゃいそうなことをするのは勿体無いわー。嘘つきは泥棒どころか殺人の始まりよ。

瞳は私が縫って仕舞おう。そしてベッドに拘束して看病するの。

目が覚めたら存分に痛めつけてやるのよ。

ふふ…お姉ちゃんもきっとこんなこと考えたんだわ。

考えたことを実行される気分はどうかしら?

そんなお姉ちゃんが愛しくてたまらない。


『おりーん?さっきはごめんね、お願いがあるのよ』

〔別に…気にしてなんかいませんから…(怖かった……)それでお願いとは何でしょうか?〕

『そうよね、怖かったわよねぇ?お裁縫箱と消毒液を取ってきてくれるかしら?』

あぁ…お顔が想像で蕩けてきちゃう。

〔…怖かったです。裁縫箱は…確か監禁部屋に放置してありましたね…(嫌な予感)〕


埃っぽい針を刺したら哀れですもの。嘘つきの血を持った私も殺人が始まっているのだけれど。





14

〔確かにお持ちしましたー〕

『ありがとおりーん 戸棚の猫缶食べて良いわよー』

あるかは分からないけどこれでお燐は部屋から“消えてくれる”。


針を糸に通して消毒液に浸ける。

それをガーゼで拭けば大体許される。

許されるも何もないけどね。

はぁーふぅー…

涼しめの部屋とは反対に私の鼓動が高まり興奮している。

深呼吸しなきゃね。

はぁーふぅー…

『お姉ちゃん、痛かったら言ってよね?』


…ブツリ


お姉ちゃんは起きない。ふふふ…

『ちっくちっくしゃえば何も痛くないわよ?いつの間にか時が経ち私に紅くされちゃうの…』


このくらいで良いかしら???

ドキドキしちゃう。

あら、お姉ちゃんから血が出てきちゃったぁ…ちゅう…んはぁ…お姉ちゃんの味は格別ね…

ちょっと血流悪くなっちゃった?ごめんねー…


でもそんなお姉ちゃんが大好きよ




*今から電話をするから出てね*

…深秘録欲しいなぁ


歪んださとこい大好きです

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