桃花の巫女
春になると数百本の紅桜が咲き乱れ一面真っ赤に染まる【鬼桜町】。この町外れの山麓にある神社、【桃花源神社】には神に与えられし特殊な力を持つ1人の巫女と3人の巫女見習がいる。力の名は「カンナギ」、万物に宿り様々な災いを人間に齎す邪悪な精霊「鬼」と戦うことのできる絶対的な力である。
巫女の名は【桃花 鬼愛】。彼女は古来より【鬼退治】を生業としてきた巫女の血族であり、この鬼桜町を守護してきた桃花家の末裔。その実力は計り知れず、その強さもまた未知数。唯一、鬼愛の戦う姿を見た巫女見習いの1人は言う。「禁忌を犯し受け入れた者」だと。鬼を愛すると名付けられた女子が鬼を退治するとはなんともおかしな話だ。
そして桃花 鬼愛に仕えし3人の巫女見習い。彼女達もまた鬼愛と同じく鬼と戦う力を与えられた選ばれし人間。彼女達はまさに宿命のように出会うべくして鬼愛と出会い、なるべくして巫女見習いとなった。愛を誓いし者。正義を誓いし者。忠誠を誓いし者。それぞれが鬼愛に誓いを立て、【巫女見習い】として鬼と戦う使命を背負う。
鬼愛は言う。「誰が為でなく己の為に戦え。例え神に仇なし、自身が鬼となろうとも、己の信念を貫き戦い抜け。それが桃花源の巫女だ。」と。
忌み狂い咲き続ける物語が幕を開ける。