雪遊び
コタツに入って
ミカンを食べながら
曇った窓ごしに
銀世界を見つめてみた
外から微かに聞こえる
子供達のはしゃぎ声
寒い外界で
その楽しげな音が
温もりを作っている気がして
「なにやってんだろ」
気になって
温いコタツから出て
窓に張り付く水を拭って
「冷たいな」
苦笑いする
曇りない窓に映った景色は
子供たちの遊び
積もった雪を
丸めたり
重ねたり
そんなことをしながら
浮かぶ笑みは温かく
周りとの差を見せつける様で
その笑顔が
どうしようもなく
僕の心を惹き付ける
急いで服を集めて
「防寒対策バッチリ」
独り呟いて外に飛び出した
目に写る雪達は
見る僕を凍てつける
けれど、その中でも
子供達の遊び場だけが
温もりを放っている
駆けて行って
「一緒に遊んでいいかい?」
子供達に尋ねてみた
一瞬止んだ喧噪は
笑顔と共に戻り始めた
「いいよ」
「一緒に遊ぼうよ」
温もりが僕の心に
雪投げ
当たると雪の冷たさが
体に染み渡る
けれど、その温度さえ
子供達の温もりが消してくれるのだ
楽しい時間にも終焉は来る
雪は止まずとも
空に闇がかかる
子供達は名残惜しそうに
「ごめん、家に帰らないと」
「怒られちゃうんだ」
そう言って
「ばいばい」
「また、遊ぼうよ」
無邪気に純粋に
そう語るのだ
「そうだね、また遊ぼう」
叶うならば
この時間が毎日続くように
そんな祈りは
雪降る世界に溶けて行った