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赤子の雪
虚空を漂う白き幻想
目に映る世界は
穢れ無き純白の世界
その純粋さは
僕らの心に穢されず
どこまでも澄み渡っていて
目を奪われてしまった
それはまるで
赤子の心の様に
希望の光を煌めかせる
けれど
一体どこに
ずっと純白な心が
絶対に穢れぬ雪が
在ると云うのだろう
降りしきる雪は
何時しか道を覆った
そこには
大きな靴跡
誰かに踏まれて
純白の輝きは消えて逝く
そして
透明な輝きは
穢れた色を宿した
大人達の欲望が
赤子の心に染み渡る
雪が激しく降りつける
赤子の心の如く
光を振り撒いて
純粋無垢な白さを輝かせ
輝かしい未来を夢見て
汚れ等無関係だと信じて
天高き空から堕りてくるのだ
それを僕らが穢してゆく
泥にまみれたその足で
泥沼の様な欲望で
雪は降り続く
光は溢れ続ける
そうやって
地上の仲間を隠してゆく
赤子は心を隠して
汚れた部分を覆い隠して
それでも再び
僕らに汚されて
また隠す為に降って・・・
終らないイタチゴッコは続く
止まずに降る雪は
溢れ続ける心の光は
穢れ無くなる方法を
足掻いている様に思えた
赤子の雪は踏まれる
今日も誰かに
その純粋さを犯されながら
穢れ無き自分を夢見てる