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冬と星空

頭上を支配する闇と

中央に鎮座する月や

浮かぶ宝石の輝きは

息を止める程に美しい


澄みきった空気は

痛い程に冷たい


透き通る様な

純粋な冬の夜空には


自己主張の乏しい星々

それは

消えてしまったかもしれぬ

過去に生きる光


自己主張の甚だしい月

それは

きっと永遠に地上を照らす

夜の太陽


たったこれだけが

浮かんで輝き


煌めく星光

白銀の月光

たったこれだけが

闇に沈む地を照らす


止めていた息を吐いて

浮かぶ言葉は唯一つ


「綺麗だなぁ」


言葉と吐息は

光を浴びて

夢の様に消えていく



広がる吐息の中に

星々が収まる

それは儚い一瞬



浮かぶ月は

手の平に収まりそうで

傲慢な僕は

月に従う星々も纏めて

手を伸ばして掴もうとする



どれだけの距離と

どれ程の大きさが

在る事を知っていながらね



出来ない、そう解っているのに



虚空を彷徨った手に

冬風が纏わりつく

強欲な僕を罰する様に

その透明な身を

溢れんばかりの寒さで埋めて



でも、どうしようもないんだ

ちっぽけな僕が

遥か彼方の輝きに憧れるのも

小さく見えるだけの宝石に憧れるのも


それは


僕らの中の二重螺旋に

深く深く刻まれた本能さ



伸ばした手を引っ込めて

かじかむ指先をほぐして

白く儚い幻想に向かって呟いてみた


「夢の中で、お前達を貰うよ」


星空は何も語らない


でもその無音が

「夢の中ならいいよ」

そう言っている様に聞こえたんだ





「憧れるだけなら自由さ」


降り注ぐ夜の光が僕を包む

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