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夢のプレゼント(インジュン版)Ver.2
天の落し物が頬に触れる
それは冷たい何か
下向けた顔上げて
隠した手を伸ばした
僕の見る世界を染めて
手の平に堕ちたのは
穢れ無き白い雪で
僕の温度が
儚い水溜りに変えた
僕が息をかければ
消し飛びそうなのに
何故かその水面に
溢れんばかりの光を写す
それを見て
ふと思い出したのさ
今日は聖夜だなぁ
そう呟いてみた
聖夜の今日
路上には
人工の光と
人々の笑顔が
溢れんばかりに輝いて
雪を染め上げる
その希望の色で
まばらな雪々は
その仲間を増やして
まるで流星の如く
希望を滲ませ
彩りを放つ
道行く人々の
言葉は消えた
歩みは止まった
そこに在るのは
天を望む人々の群れ
「綺麗だなぁ」
誰かがそう呟いた
それは
希望の流星に染みわたる
「祈ろうぜ」
誰かがそう言った
行く人々が手を合わせ
目を瞑って何かを願う
それは美しかった
人々は繋がって
願いを込める
そうやって
希望の輪が生まれた
それは
音を忘れるほどに美しいのさ
そうだね
僕も祈ってみようか
聖夜の空に
純白の雪に
この一瞬を止めてくれよ
人々が繋がったこの一瞬を
願いを呟いてみて
止めた歩みを戻して
笑ってみる
叶えばいいな
聖夜の幻想は
希望の雪に融けてゆく