一歩進む
ルシオンの行動は平行線のまま一目惚れしてから半年が経ってしまった。
新米兵士は半年間の基礎訓練のち、部署の配属が決まり見習いになるのだ。
フェルディナンド=マゼランは自分の配属が何処になるのか楽しみにしていた。
どの部署に配属されても全力でするのは当たり前だが出来れば魔王陛下直属の第6部隊になりたいと考えていた。
エメラルドのストレートロングの髪に淡いピンクの瞳。
少し身長が高めで大人の魅力がある美人な魔王陛下。
そんな方の側で使えたいと思うのは新米兵士達の中では至極当然である。
ついに発表された配属先に狂喜乱舞する者、思わず項垂れてしまう者と様々だ。
フェルディナンドは歓喜で体が震えていた。
手渡された紙に書かれた先は
[フェルディナンド=マゼラン
第6部隊の騎士見習いの所属とす]
期待を胸にフェルディナンドは第6部隊の扉を開けた。
「やぁ、フェル。」
「ルイーズ!同じ部隊で嬉しいよ。」
「あぁ、そうだね。」
ルイーズ=セントラはフェルディナンドと同郷で[青薔薇の目]と言う特殊な瞳を持つ一族の青少年。
ルイーズはフェルディナンドと一緒で嬉しいが何となく複雑な予感がした。
その予感は見事的中するのだった。