北海道の怪談話「恐怖!震える街」第10話「支笏湖」
支笏湖を深夜、ドライブ中のカップルがいた。
初めは会話も弾み楽しげだったが、疲れてきた彼女が助手席でウトウトし始めた。
しかし彼女がハッと気づくと、彼氏の方はドンドンスピードを上げて車を走らせる。
カーブも近づいて来て、たまらず彼女が彼に声をかけた。
「ちょっと!スピード出しすぎだよ!ブレーキ踏んでよ!」
すると彼氏が泣きそうな顔で彼女の方に向けてこう言った。
「オ、オレの…足元見てくれ!」
彼女が彼氏の足元を覗き込むと、
しわがれた顔の老婆が彼女の方を見て、ニンマリ笑いながら
彼氏の足の上に手を押し付けて、アクセルを踏ませていたのだった。
支笏湖にはまだまだ謎めいた話があるはずだ。
昼間に観光で行くのは構わないが、夜のドライブはくれぐれも気を付けて欲しい。
そう、何かが起こるかもしれないのだ。