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私はスナイパー!!!

作者: 箱庭

私は裏の世界じゃ少しは名の知れたスナイパー。

こなした仕事は数知れず、狙った獲物は逃がさない。

それが私の信条であり、自信だった。そう、一年前のあの日が来るまでは……。



その日、私は仕事のついでで訪れた日本で友人に呼び出されていた。どうしても私にらせたいものがあるとのことだった。

自分の腕に自信があった私は、以前から親交のある友人の頼みを二つ返事で引き受けた。

あの日は風もなく、目標ターゲットと私の間に遮蔽物も存在していなかった。

それなのに……、私は弾丸を外した……。

しかも一発だけでなく、用意された弾をすべてだ……。

友人は私の失敗をあざ笑うだけあざ笑って帰っていった。

あの日、撃ち砕かれたのは目標ターゲットの頭ではなく、私自身のプライドと実績だったわけだ。



友人が言うには、リベンジの場は一年に一度、夏のごく限られた時期にしか現れないという。

それから今日までの一年、私は以前にもまして狙撃の訓練をこなした。

時折来る仕事をのぞいて、寝食以外の私生活全てを訓練に費やしたほどだ。

ある大国の要人やテロの首謀者、マフィアの幹部を撃った時だってこれほど訓練を繰り返したことはない。

私にとってこれはそれほどの大勝負なのだ。



そして現在、私は再び目標ターゲットと対峙している。

一年前のリベンジというわけだ。

渡された銃にはスコープが付いていなかったので、普段自分が使っているスコープを急遽取り付ける羽目になるというアクシデントは起きたが、ここまでは順調といっても差し支えないだろう。

目標との距離は十分にとった。

『一流のスナイパーは自分が銃を撃つ瞬間を誰にも見られてはいけない、狙撃するときは全てにおいて妥協するな』私に狙撃を仕込んだ人は口癖のようにそう言っていた。

だからいつも私は銃を撃つ瞬間を誰にも見られないように気を使っているし、もっとも狙撃に適した環境を心がけている。

おそらく向こうから私を視認することは難しいだろう。


あの時と同じく風もない。

大きく深呼吸して息を整える。

このとき私はいつも自分自身が銃と一体となった感覚を味わう。

ひとしきり心を落ち着け、スコープを覗き込み、トリガーに指をかける。

狙いは完璧だ。外すはずがない。

そう確信してトリガーにかけた指に力をこめる。


パン・・・


空気の抜けるような間抜けな音が周囲に響く。しかし、それだけ。


(ちっ!外した?)


激しい自己嫌悪に陥りながらも二発目、三発目と続けて撃ち続ける。

全弾撃ちきった後もスコープ越しの標的ターゲットが倒れることはなかった。

その直後だった。

私の背後に誰かが立ったのは……。


「お客さん。またこんな遠いところから狙って……。去年も同じことしてたね〜。縁日の射的用銃じゃこんなとこからじゃ絶対あたらないよ。あ〜、へんなもの付けちゃって」


その男は私からひったくるように銃を取り上げた。

日本語のわからない私には、男が何を言っているのかわからないが、なんだか呆れたような表情をしているのはわかった。

きっと一年前の友人のように全弾はずした私に呆れているのだろう。

いいわ、いつかきっと見返してやるから。


私は裏の世界じゃ、少しは名の知れたスナイパー。

敵は夏の〈エンニチ〉という日に現れる。

来年こそは、来年こそは必ず当てるんだから!待ってなさい!


くだらないオチでごめんなさい(泣)

見切り発車、ノープランで書いた結果、途中でガス欠感漂う作品になってしまった感満点です(号泣)

『勢いも大事だけど、多少のプランも大事ね』という教訓を教えてくれた作品でした。

最後まで読んでくれた方、どうもありがとうでした つー;

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