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ファースト女友達

「なるほど。ハハ、仕返しねぇ。ずいぶんと派手なことだ」

「やり過ぎでした。その節に関しては謝罪いたします」

 ダズは理江に昨日彼が襲われた理由、美里が仕返しをしようとしたこと、六人の超人が動いていたこと、廉華を利用してダズと戦わせたことを説明した。

「良いって。これくらいは覚悟の上だったさ。超人ってやつに関しては倉橋に聞いていた」

「倉橋?……理事長ですか!?」

 理江は倉橋の名前が出た途端大仰に驚いた。

「ああ、そうだが」

 理江は深く息を吐いて、改めて姿勢を整えた。

「理事長が連れてきた人物でございましたか……。これは多くのご無礼をば、どうかお許し願いたい」

 急によそよそしい態度になった。ダズはそれに驚く。

「どうしたのさ、急に。というか前々から思ってたけど、もっとフランクに良いんだよ。言葉は難しいし…。いっそダズって呼んでくれよ」

「は?……いや…しかし」

 ダズは肩をすくめて顔を左右に振った。

「丁寧な言葉遣いってのは大事かもしれないが、相手と距離を置きすぎるしゃべり方はアメリカ人としては理解できないね。敬語も面倒だからやめてくれ」

 理江は一瞬考えるような動作をしたが、すぐに顔を上げてダズに言った。

「わかった。これから宜しくだ、ダズ」

「うん。それが良い」

 理江の話は終わったようだったが、ダズはまだ聞いていないことがあったのを思い出した。

「そういえば超人は何人くらいいるんだ?思った以上にいるみたいだな」

「ああ、そういった事は確かに教員関係からでは聴かんだろうな。私が教えよう。……まず、超人の人数。これは新学期開始時で私を含めた11人だ」

「む。意外に多いな。5人程度と予想していたんだけどな」

「それぞれが中心となって、派閥を形成しているのがこの学園の現状だ。私が大部長を務める「部活連」。傘下に二人の超人を保有している。我々と対立しているのが、立花美里率いる生徒会。超人は美里一人だが、下の風紀委員に塔子が居るから実質二人だな」

「対立?俺を陥れる為に結託してたじゃないか」

 理江は申し訳なさそうな顔をして、一時的なものと説明した。

「この二つの派閥が最も勢いのある勢力だが、『情報部』を筆頭とした文科系部活動連合にも3人。そしてどっちつかずが4人。そのうちの一人が廉華だ。彼女は超人として高い運動能力を持っているために、一人にあって派閥の一つとみなされている。残りの3人は内2人が新入生であるため、特に問題はない」

「かー……。ごっちゃごちゃしてるなー。覚えるの面倒臭い。もう会ったときでいいか」

 説明をしてくれた理江は、ダズの投げやりな態度を不快に思うでもなく、楽しそうに笑い返した。

「ふふ、まあいい。兎に角、この学園に一刻も早く慣れることを祈るよ。では、そろそろ私は退散させてもらおうかな。何かあったら体育館の練習場に来てくれ」

 理江は立ち上がって、補充の湿布を棚から取り出しダズに手渡してくれた。

「ありがとうね。じゃあ握手シェイクハンドしようか」

 理江とダズは廊下で友人として握手を交わし、それぞれ別れたのだった。

近々、作中で出てくるプロレス技を解説するだけの話を挿入しようと思います。きっとつまらないでしょうし、内容にはほとんど関係ないと思われるので読むかどうかはご自身の判断に任せます。一章の終わりに挿入する予定です。

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