AFTER
寮前広場――――廉華が去った後には、美里、理江、亜矢音の三人の姿があった。
各々思うところがあるらしく、一人とて口を開かずその場で立ち尽くしている。理江がダズのラリアートによって窪んだ木の幹を、上から下へ指を這わせるように触る。その攻撃の跡は、それがどれほどの威力であったのかを一番わかり易く示していた。
「この破壊力……。我等超人であろうと、ひとたまりもなかろうな。あの廉華が歯が立たないとは」
美里が理江の近くに寄ってきて、廉華がもたれかかっていた所を見つめる。
「あいつは何者なの?こんなにも強いなんて予定になかったわ。あの音楽は何?」
「そういえば」
後ろで亜矢音が声を上げた。
「あの外人、プロレスラーが何だとか言ってなかった?」
「ふむ、私も聞いたな」
「はぁ?プロレスラー?……ふー……とりあえず一度、生徒会室に戻りましょ」
『PPPPP』
ケータイの着信音だけが鳴り響く、ここは放送室。
「はい、もしもし」
『ダスティンだ。……わかってるんだぜ。俺の入場曲を流すなんて粋な真似をしやがって。ついテンションがレスラー時代に戻っちまったろうが」
「アハアハアハ。強かったよ、さすがに。僕としては援護したつもりだったんだけどね」
『お節介だ。くだらない事はやめてくれ、倉橋』
「アハアハ。わかったよ。じゃあね」
ケータイを閉じた倉橋は、暗い放送室の中で一人不気味に笑った。まるでそれは……。
「あ、やっぱり理事長だったんですね!」
放送室の重い扉を開けて、少女が一人室内に飛び込んでくる。
「む!まずい!ノラ猫ちゃんか!」
「美里様の言う通りでした!理事長!風紀委員会と校長先生のお説教が待ってますよ!さあ、来てください!」
「い、い、嫌だああああ!!!」
正ヒロインを決めていなかったことにいまさら気づいた!
題名もまだ募集中なのでお願いします!
追伸:プロレスに理解がある人からは、主人公の必殺技の案も受け付けています。ぜひお願いします!