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サンタ見習いときらきら  作者: 上条ソフィ


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2/3

 ◆◇◆◇


 パトリックはりっぱなサンタになるため、いっしょうけんめい働きました。

 できることはどんどん多くなりました。


 サンタさんは子どもたちに、その子の好きなプレゼントを配っているのではなくて、ほんとうは、きらきら一番星を配っているのだそうです。

 サンタさんからもらったきらきら一番星は、ずっと心の中でひかり続けます。

 それが、子どもの希望となるのです。


 もっと幸せな子どもが増えてほしい、とパトリックはがんばりました。けれど、そんなパトリックを見て、サンタさんは困ったように笑います。


 サンタさんは、パトリックにも幸せになってもらいたいのです。

 パトリックは首をかしげました。なぜサンタさんがそんなことを思うのか分からないからです。そして、「今でも幸せです」と言いました。


 ですが、サンタさんは困った顔のままです。


 何十年も、パトリックはサンタさんの弟子として働きました。

 パトリックはどれだけ経っても子どものままです。でも、パトリックはそれでいいと思いました。


 大きくならなければ、ずっとサンタさんといっしょに働けます。


 あるクリスマスイブのことです。一年で一番大切な仕事を終えた二人は、クリスマスランドに帰ってきました。


 サンタさんはパトリックに、ホットチョコレートを作ってくれました。甘くて温かいホットチョコレートの香りが部屋にあふれます。

 パトリックは、歯が溶けそうなほど甘いホットチョコレートに、ふうふうと息を吹きかけます。


 こんなに幸せな時間なのに、サンタさんは悲しそうな顔をしています。


「サンタさん、どうしたのですか? どこか痛いのですか?」

 パトリックはサンタさんに聞きました。


「パトリックよ、わしは、お前さんにも幸せになってもらいたいんじゃよ。その話をしたことは、覚えているか?」

 サンタさんはパトリックを抱きしめながら優しく問います。

 パトリックは黙って頷きました。その話を聞くのは、本当はちょっと嫌でしたが、サンタさんの話ならきちんと聞かなければなりません。


「今のお前さんは、ちっとも幸せそうに見えないのじゃよ。わしはお前さんをここではなく、家族のいる天へ連れて行った方が良かったのかもしれないの……」

 サンタさんは悲しそうにつぶやきます。


 パトリックの心臓はどきりと跳ねました。サンタの仕事をすればするほど、世界中の幸せな子どもと不幸な子どもの差に、胸が押しつぶされそうになっていきます。

 サンタさんにはそのことを言っていないはずなのに、サンタさんはパトリックの気持ちをわかっていたようです。


 パトリックは「もっと仕事をがんばるから、そんなこと言わないでください!」とお願いしました。


 サンタさんは「また今度ゆっくり話そう」と言って家に帰って行きました。


 パトリックは胸がむしゃくしゃして、こっそりトナカイを小屋から出して、クリスマスランドを飛び出しました。


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