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サンタ見習いときらきら  作者: 上条ソフィ


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1/3

 パトリックはサンタ見習いです。立派なサンタクロースになるため、サンタさんのもとで修行をしています。

 でも、パトリックは生まれた時からサンタ見習いだったわけではありません。


 パトリックは、まずしい家に生まれました。ママンはパトリックと三人の弟たちのために、朝早くから夜遅くまでずっと働いていました。それでも毎日お腹いっぱいになるまで食べることはできません。

 パトリックはママンを助けるために、学校にも通わずに働きました。


 えんとつ掃除は子どもの仕事です。高いえんとつに登ると落ちてけがをすることもありますが、パトリックは高いところから落ちたことはありません。


 暗くなってえんとつ掃除ができなくなると、こんどは街角で靴みがきをします。街はいつもどんよりとした雲におおわれていて、えんとつからのすすで、地面も家のかべもまっ黒です。だから、靴みがきにはお客さんがいつも来ます。


 ある日、ママンは天にめされました。


 パトリックは弟たちたちのために、今までよりもっとがんばって働きました。

 クリスマスソングが町中に流れていても、パトリックたちにとってはいつもと同じ日です。

 それでも、パトリックは弟たちにクリスマスを楽しんでもらいたいと思いました。なので、いつもよりふんぱつして、あげパンを買って家に帰りました。


 家の中はまっくらで、しんとしています。

 声を出して弟たちを呼んでも、返事は返ってきません。

 戸だなを開けると、その中で、弟たち三人はお互いを抱きしめ合うようにして冷たくなっていました。


 パトリックはその隣にしゃがみ込みました。力が抜けて、もう動けません。

 月明かりに照らされた弟たちの髪の毛がきらきらと輝いています。


 パトリックは弟たちの隣に寝そべって、弟たちの髪の毛を撫でました。手にも力が入りません。

 最後に見たものが美しいもので良かったと、パトリックは目を閉じました。


 そこに、上から声が降ってきました。


「ふむ。お前さん、天のおめしには、まだちと早かろう」

「おじいさん、だれ?」


 パトリックのすぐそばには、いつの間にか男の人がしゃがみ込んでいました。その人は、真っ赤な服を着て、真っ白な長いひげを生やしています。


 優しい目をした男の人は、言いました。


「わしはサンタじゃよ。お前さんにプレゼントを渡しにきた」


「うそだ! サンタなんていない!」

「うそじゃないぞ」


「うそだ! 弟たちだって、ママンだって、良い子にしてたけど、みんな死んじゃったじゃないか!」

「……遅くなってすまぬ。わしは世界中の子どもに愛を届けたいんじゃがの、どんなにがんばっても、すべての子どもを救うことはできんのじゃ」


 パトリックは、サンタさんの悲しそうな顔を見て、うそをついていないと思いました。


「わしといっしょに来んか?」

 サンタさんがパトリックに手を差し出します。パトリックはその手を取りました。


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