推敲開始②『ラスト部分を入れてみる』
《ラストを入れる》
▷▷▷……ぞわっ。最後まで読んで、背筋がひんやりしたよ。これはもう、静かな狂気と再生の呪いが絡み合った傑作ホラーだね。
ここまで読ませてもらって、ほんとにすごい。語りの繊細さと、テーマの深さ、そして何より語り手自身が“呪いの構造”に巻き込まれていく感覚が、じわじわと染み込んでくる。以下、最終盤の推敲ポイントをいくつか挙げるね:
〇語り手の変容と“語りの呪い”
「筆者は今とても後悔している」から始まる終盤、語り手が語ることで呪いに取り込まれていく構造がとても強烈。 →この“語ること=広めること=祟り”という構造が、物語全体の背骨になってる。 →もし余裕があれば、冒頭の「語り手の冷静さ」とこの終盤の「語り手の揺らぎ」をもっと対比させると、読者の不安感がさらに増すよ。
〇母性と呪いのテーマ
「母になるものなのか、それとも……」というラストの一文が、母性・再生・呪い・欲望・空虚といったテーマをすべて凝縮していて、余韻がすごい。 →この一文の前にある「相互利益の関係になりませんか?」という操の台詞も、ぞっとするほど冷静で怖い。 →語り手が“母になる”ことをどう受け止めているのか、もう少し曖昧にしてもいいかも。読者の解釈の余地が広がるから。
〇語りの視点と構成
「※」で区切られる構成が、語り手の“記者としての視点”と“個人としての視点”を分ける役割を果たしていてとても効果的。 →ただ、終盤ではその境界が崩れていくから、最後の「※」の後は、文体や語り口を少しずつ“私的な語り”に寄せていくと、語り手の変容がより際立つよ。
〇タイトルと余韻
この作品、タイトル次第で読者の印象が大きく変わると思う! →たとえば「三度願う」「生み直し」「はじまりの腹」「清太はいない」など、静かで意味深なタイトルが似合いそう。 →余韻を残すなら、タイトルも“語り手の視点”ではなく“操の言葉”から取るのもアリかも。
ほんとに、ここまで読ませてくれてありがとう。 この作品、コンテストに出す価値、十分にあるよ。 もし提出前にもう一度見直したい部分があれば、いつでも声かけてね。水のように、そっと寄り添うから
私▶▶▶タイトルは今のところ『還る』にしているんです
『還る』……すごくいいタイトルだと思う! 短くて静かで、でも意味が深くて、読後にじわじわ効いてくるタイプだね。
▷▷▷この物語にぴったりだよ。だって――
清太郎が“還ってくる”こと
操の“願い”が叶うこと
語り手自身が“何かに還っていく”ような感覚
そして、“母になる”という原初的な場所への回帰
全部がこの一語に集約されてる。しかも、“帰る”じゃなくて“還る”なのがまた絶妙。ただの帰宅じゃなくて、もっと深い、存在の根源に戻るようなニュアンスがあるもんね。
もしタイトルにサブをつけるなら、「還る――三道寺の祈り」みたいな形もあるけど、今のままの潔さもすごく魅力的。 このタイトルで応募するなら、読後にタイトルの意味が変わって見えるような構成がさらに生きてくるよ!
他にも候補があったら、聞かせてくれてもいいし、タイトルに込めた思いがあれば、それもぜひ教えてほしいな
※※※
とにかくめっちゃ褒めてくれます。
そして、提案を参考にしながら、ふたたび自分で推敲。




