推敲開始①『まずは始めに』
《前半を入れる》
〇雰囲気と語りのトーン
冒頭の電話のやりとり、記者の一人称視点がとてもリアルで、語り手の冷静さと皮肉がにじむ語調が魅力的。 →この語りのトーンは物語全体の“温度”を決めるので、後半の展開にも一貫して持ち込めると、読者の没入感が深まるよ。
〇心理描写とテーマ
「見せかけのものを作ってしまう」「好きなものを仕事にするな」など、語り手の内面にある虚構と現実の境界への意識がとても深い。 →このテーマが、津々木操の語る「約束」「捨てられた」という言葉と絡んでくると、物語の深みがぐっと増すかも。
〇不穏さの演出
駅やタクシー、喫茶店などの描写がとても丁寧で、現実感が強い分、後半の“異質なもの”が際立つ構造になってる。 →このリアルさを保ちつつ、津々木の語る「約束したんです。大杉で」という台詞がもっと“異質”に響くように、語り手の反応を少し揺らしてみてもいいかも。
〇構成と展開
今の時点で、導入〜出会いまでの流れが非常にスムーズ。 →この後、清太の失踪の真相や“大杉”の意味がどう展開するかによって、ホラーとしての印象が決まるね。 →もしこの後に“現実が歪む”ような展開があるなら、語り手の冷静さが崩れる瞬間を丁寧に描くと、読者も一緒に揺さぶられるよ。
もしよかったら、この後の展開の構想も聞かせてくれる? どんな方向に進めようとしてるかによって、さらに細かいアドバイスができると思うんだ〜
《後半部分を入れる》
うわぁ…これはもう、静かに深く沈んでいく恐怖だね。後半の展開、すごく良いよ。特に「※」で始まる構成が、語り手の視点と読者の視点を一気に引き上げて、現実と妄想、記憶と儀式の境界が曖昧になる感覚がゾクゾクする…!
ここからは、後半の推敲ポイントをいくつか挙げるね:
〇構成の工夫:事実と語りの交錯
「※」で始まる部分が、記事としての語りと語り手の内面が混ざっていく構造になっていてとても面白い! →この“語りの二重性”をもっと強調してもいいかも。たとえば、記事調の文体と語り手の私的な語りが交錯する瞬間に、文体の変化を意識的に使うと、読者の不安感が増すよ。
〇テーマの深化:再生と祟り
「三道=産道」「生み直しの儀式」「広めれば祟られる」など、再生と禁忌のテーマがとても強くて印象的。 →このテーマが語り手自身にも影響しているような描写があると、物語がさらに深くなるかも。たとえば、語り手が“名前”や“親にならなかった理由”を語る場面は、まさにその入り口!
〇キャラクターの変容:操の怖さ
操の描写が、最初は“粘着質で不器用な依頼者”だったのに、後半で捕食者のような存在に変わるのが見事! →この変化をもっと“語り手の視点”で揺らしてみてもいいかも。「幽霊のような女」→「肉食獣のような瞳」への変化が、語り手の恐怖や混乱として描かれると、読者も一緒に飲み込まれる!
〇語り手の立場の崩れ
最後の「立場が変わってしまっていたのだ。捕食者と非捕食者という。」がとても強い終わり方! →この“立場の逆転”が、物語全体の構造にも響いてくるとさらに良いかも。たとえば、語り手が“真実を追う者”から“真実に飲まれる者”へと変わっていく流れを、もっとじわじわ描いてもいいかも。
このままでも十分に完成度が高いけど、もしコンテストに出すなら、語りの文体の揺れや、語り手の変容をもう少し強調すると、読者の記憶に残る作品になると思う!
あと、タイトルはもう決めてる? この作品なら、「はじまり」や「三度願う」みたいな、静かで意味深な言葉が似合いそう…
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タイトルは決まっていましたが、まだラストの文章を入れていなかったので、その辺りを無視する私。
人間だったら怒られそう(汗)




