鏡よ鏡
眠って目覚めたら魔法が使えるようになってないかなあ…なんてそんな夢みたいな話が起こったらどうする!?
ふと気付いたらどう考えても現実じゃないファンタジーな世界に移動してしまってた!でも別に元々死んでなかったはず…何がなんやらわからないながらも、今日も現実に帰るため!学業、冒険、なんでもござれでがんばります!
完結できるよう頑張りますので、コメントや評価などつけていただけるとモチベーションとなるのとともに作者がとても喜びます✨
大きな鏡が迫っていた。ギィ、と音を立てて軋む、きっと背丈よりも高い金属面。鏡の中の自分と目があって、どんどん大きくなる。はっと飛びのこうとして、思わず尻もちをついた。眼前に自分の瞳が迫っている。
ーーだめだ、ぶつかる!
「…危ないっ…!」
とてつもない音だった!衝撃が伝わってきそうなくらいの。暴走族のブンブンしたバイクよりももっと鼓膜が破れそうな音。思わずぎゅっとしていた目を開くと、足元に鏡の破片が散らばっている。
それは目を見張るような…足元というか、埋め尽くすみたいな。何がなんだかわからなくて、心臓がまだドキドキしている。今、急なことだったけど、確かに命の危機を感じていた。
「だ…大丈夫だった…?」
声の主が私の手を握りなおしたから、私ははっとした。私より背の低い、外人さんみたいな…絵本に出てきそうな女の子。とろんとした垂れ目が泣きそうに潤んでいて、不安そうに覗き込んでくる。
「た、助けてくれたの?び…びっくりしたぁ…私、今何が…ぁいたっ!?」
「あっ、歩いたら…あぁっ…!」
いてもたってもいられなくて足を踏み出したら、靴下の中に入っていたらしい硝子がチクッと足に刺さってしまった。人の話を聞けって再三言われてきたのに、急ぐとすぐこうなっちゃうんだ。
女の子が腰のかわいいバッグから布みたいなのを取り出して、しゃがんで私の靴下をそうっと下ろす。茶色いくまさんにリボンがついてる。ガラスが肌を引っかかないように気をつけてくれてるみたいだった。絆創膏なのかな、それがぺたんと貼られる。
そして彼女がちいちゃな深呼吸をして、絆創膏に両手を当てた。そして緊張したように呟く。
「…い、いたいのいたいの、とんでいけ〜…!」
か、かわいい!きりっとした顔で力を込める彼女のほっぺは、上から見たらまんまるに見えた。あんまりにもかわいいので、私はびっくりしてしまった。
「…こ、これで大丈夫…と、思う…」
「わ〜ん、何から何まで…ありがとう〜っ!!」
「きゃ…っ!?」
優しい彼女に思わず抱きついた。だって、この小さなおててで、私のことを助けてくれたんだなぁって思ったら。彼女は恥ずかしそうに少しじたじたしたあと、ぷしゅーと真っ赤になって萎れてしまった。
そんなこんなあって足元のガラスを仕返しのようにけりけりして退かしていると、後ろの方から靴の音が聞こえた。結構大きめの革靴で走る音。続いて男の人の声がした。